【R20】螺旋の果て

雪田 瑠魔

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螺旋の果て(上)

第8章 【覚悟】

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 生活の気配が全くしないマンションのリビング。

 カーテンと大きなガラスドアを空けると、見下ろす街並みの向こうに海が見える。

いい天気だ。

「あの…私…ここに住むの?」

『そうだ。オレ達の新居ってやつだ。』

「あ、これ、この間の書類…このマンション…私の名義になってる…」

『そうだ。お前のモノだ。このマンションにあるものは、全てお前のモノだ。』

裕希は、暫く何も言わず海を見ていた。

『裕希。オレを視なさい。』

裕希の隣に立ち、不安そうな困った顔を見つめた。

『オレの眼を見ろ。逸らすな。
お前はオレのモノだ。
お前はわかっているはずだ。』

「…はい…」

『いい娘だ。ゆっくり聞かせてもらうぞ。
その手首と二の腕の小さな消えないアザの理由。』

「えっ…これは…」

慌てて隠す仕草をした。

『眼を逸らすな‼返事は‼』

「あ…はい…」

俯(ウツム)きそうになる顎を押さえ付けた。

その悲しそうな眼が、オレの予想が外れていない様子を物語っていた。

 マンションの部屋を廻った。

あの部屋を除いて…。

『どうだ。気に入ったか?』

「うん。でも、2人じゃ広すぎるかもね。」

『2人じゃない。お前1人だ。』

「えっ?」

『オレは、週末だけ、ここに帰ってくる。』

「…」

『お前は、ここで週末の為に暮らすんだ。オレがいない時は、何をしていても構わない。』

「…どうゆうこと?」

 やっと裕希が、光のある眼でオレを見た。

オレは、裕希の細い腰を抱き寄せた。

両手首を掴み、背中に廻して押さえ付けた。

『裕希…この格好は久しぶりなんじゃないのか?』

「あぁ~イヤッ。」

顔を背ける裕希を羽交い締めにして、床に押し倒した。

抵抗する躰を押さえ付け、覆いかぶさるように、唇を唇で塞いだ。

暴力的に舌を押し込んだ。

暴れる手足のスキをみて、ブラウスの前を力任せに開いた。

弾け飛ぶボタンと布が破れる音。

「イヤァ~‼」

『抵抗するがいいさ。
わかっているんだろう?
お前は、もう、戻れない世界に来ちまったんだ。』

ブラウスをビリビリと破き、その布切れで、後ろ手に縛りあげた。

『窓は全開だ。助けを呼んだらどうだ?』

「あぁ~こんなの…
こんなの…イヤァ。」
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