キラリの恋は晴れのち晴れ!

CPM

文字の大きさ
6 / 80

第5話 夢の中の王子様

しおりを挟む
翌日の朝、薫はいつもの如く学校へ行く支度をする時間になっても起きて来ないキラリを心配して、朝ごはんの支度をしながらヤキモキしていた。
と、そこへ翼が2階の階段を降りて来てリビングに顔を出す。

翼「キラリの母ちゃんおはようございます!」

薫「あ、翼おはよう!悪いんだけどキラリ起こして来てくれる?」

翼「了解!」

薫「キラリはねぇ…半端なく寝起き悪いから、ちょっとやそっとじゃ起きないんだよね」

翼「あっ…任せて下さい!ちゃんと起こして来るんで」

そう言って翼は再び階段を上がってキラリの部屋へと向かった。

キラリは、白馬の王子様である翼が、高級外車を学校の校門の所へ横付けしてキラリを待っている夢を見ていた。
周りの学生達がいったい誰を迎えに来たのかと興味津々といった表情で翼の方をじろじろ見ている中、キラリが真っ直ぐ翼の方へ歩いていく姿をキャーキャー言いながら注目している。
キラリは得意気にその車へと乗り込んだ。そして翼はこう言った。

お疲れ様、キラリ。早くお前の顔が見たかったよ…

キラリはうっとり翼の顔を見つめて翼の手を握る。

キラリ…キラリ…ねぇキラリ…

もう翼ったら…そんなにキラリキラリって…

キラリ…ねぇキラリってば…

もうどうしたの?そんなに淋しかった?淋しがり屋なんだから…

キラリ…キラリって…キラリ…早く起きないとキスしちゃうぞ!

えぇ…ちょっ…ちょっと待って…こんな所じゃダメよ!

キラリ…キラリ…良いのか?キスしちゃっても…

翼の顔がどんどん迫って来て、すぐ目の前…

つ…翼…皆が見てるからダメだって…



キラリはぼや~っとした視界に翼の顔がすぐ目の前にあってうっとりしながら

キラリ「つ…ば…さ…」

翼「おい、キラリ!起きろよキラリ!学校遅刻するぞ!」

キラリは自分の息がかかるほど近くに翼の顔があることが夢では無いと気付いた瞬間…

キラリ「うわぁ~~~!」

と叫びながら、くるりと身体を横に回転させて勢いよく壁に額を打ち付けた。

ゴォーン!

キラリ「痛ったたたたたた…」

キラリは額を手で押さえながら

キラリ「ちょっ…ちょっと~いきなり何!?」

翼「いや、あんまり起きないから起こそうと思って…」

キラリ「痛った…もう二度とこういう起こし方しないでよね…」

翼「でも、お前…なんか寝言言ってたぞ?」

キラリ「へっ…寝言…?私なんて#%\*@♪★●§♭#▲◎△★□」

翼「あっ?何て?お前なに寝ぼけてんだよ」

キラリ「いや…だって…えーっと…私…なんて寝言言ってた…」

キラリは寝ぼけながらもかなり動揺していた。

翼「なんかムニャムニャ言いながら、もう翼ったら…ムニャムニャって…もしかしてお前…」

キラリ「え…なに…?そんな…え…?何か聞き間違ったんじゃない…え!?」

翼「キラリ?お前もしかして…」

翼はキラリの顔を覗きこみながら聞いた。キラリは目を逸らそうとするが、わざと翼はその視線に自分の目を合わそうとする。

翼「お前もしかして俺の夢でも見てたのか?」

キラリ「え!?マジないないない…ちょ…ちょっと空を飛ぶ夢とか見てて…翼があったらって言っただけだよ…

な…何であんたの夢なんか見るのさ…

あ…あんたのことなんか…これっぽっちも好きじゃ無いんだから…」

翼「ふーん…あっそ。別に好きかどうかとかまで聞いてねぇけど…とりあえず起きろよ!遅刻するぞ!」

キラリ「わかったから出てってよ…着替えたりしなきゃなんないし…」

翼「あぁ、着替えれば?手伝ってやろうか?寝ぼけてるみたいだし…えぇと…下着は~」

そう言って翼は勝手にキラリの部屋のタンスを開けようとした。
キラリは慌てて飛び上がり翼を部屋の外へと追い出した。

あっ…あいつ何してくれてんだよ!

キラリは心臓が爆発しそうなほど激しく高鳴っていた。
翼は笑いを堪えながら階段を降りていく。

翼「キラリの母さん、起こして来たっすよ!」

薫「え?もう起きた!?いったいどんなマジック使ったの?いつもならまだ20分は苦戦してるところなのに…」

翼「ま、あいつの扱いは任せて下さい!」

キラリはすぐにドタバタと音を立てながら階段を降りてきた。

キラリ「ちょっと母ちゃん聞いてよ!翼ったら勝手に私の部屋のタンスとか開けようとするんだよ!マジあり得んわ~!」

翼「キラリ、お前を起こす為ならどんな手でも使ってやるよ!ま、心配すんな!別にお前に変な気起こすほど俺もバカじゃねぇから」

キラリはそれを複雑な思いで聞いていた。
薫もまた、キラリの心情を察して笑いを堪えるのに必死だった。

薫「キラリ、翼のお陰で今日はいつもより少し余裕があるね!結果オーライなんじゃない?」

キラリ「母ちゃん!こんなの毎朝続いたら私の心臓が持たないって!」

キラリは半分怒っていながらも、それが何故か幸せで楽しい時間に思えていた。

薫「さ、顔洗ってご飯食べなさい!」

キラリ「はぁい…」

薫「さぁてと…次は私の番か…パパを起こすのもまた一苦労なんだよなぁ…」

薫にとって朝のキラリと清を起こす作業が一日の中で一番の重労働であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―

久乃亜
恋愛
前世の記憶を持つぽっちゃり看板娘ハルネは、 人の「感情の色」が視える魔眼『エモパレ』と、持ち前の経営手腕で、実家の香房を切り盛りしていた。 そんなある日、とある事件から、 オジさま――第二調査局副局長、通称「鬼のヴァルグレイ」に命を救われ、 ハルネの理想のオジさま像に、一瞬で恋に落ちる。 けれど、彼がハルネに告げたのは、愛の言葉ではなく ――理不尽な『営業停止』の通告だった!? 納得いかないハルネは、自らの足と異能で犯人を追い詰めることを決意する。 冷徹で無表情な彼だが、なぜかハルネに同行し、過保護なまでに手伝ってくれて……? 「人生2週目」のポジティブぽっちゃり娘と、不器用な冷徹最強騎士が織りなす、 お仕事×捜査×じれじれの初恋溺愛ファンタジー! ※ 第1部(1~3章)完結済み。 毎日投稿中

課長のケーキは甘い包囲網

花里 美佐
恋愛
田崎すみれ 二十二歳 料亭の娘だが、自分は料理が全くできない負い目がある。            えくぼの見える笑顔が可愛い、ケーキが大好きな女子。 × 沢島 誠司 三十三歳 洋菓子メーカー人事総務課長。笑わない鬼課長だった。             実は四年前まで商品開発担当パティシエだった。 大好きな洋菓子メーカーに就職したすみれ。 面接官だった彼が上司となった。 しかも、彼は面接に来る前からすみれを知っていた。 彼女のいつも買うケーキは、彼にとって重要な意味を持っていたからだ。 心に傷を持つヒーローとコンプレックス持ちのヒロインの恋(。・ω・。)ノ♡

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

年下男子に追いかけられて極甘求婚されています

あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25) 「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」 ◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20) 「京都案内しようか?今どこ?」 再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。 「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」 「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

一条さん結婚したんですか⁉︎

あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎ 嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡ ((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜 ⭐︎本編は完結しております⭐︎ ⭐︎番外編更新中⭐︎

田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜

侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」  十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。  弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。  お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。  七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!  以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。  その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。  一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。

処理中です...