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06 初心者の部屋
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初心者の部屋では、まず最初にパネルの見方を教えてもらい、その後自分のステータスなどについて教えてもらった。さっき受付で見たのは、やっぱりステータス画面だったみたいだ。
そういえば、このゲームにログインしてから、まだ一度も自分のステータス画面を見てなかったなぁと思い返す。
でもまぁ、いきなりモンスターに襲われちゃうし、助けてくれたラパンがなんでも知ってるから、全てお任せしてきちゃったんだよね。
だけどちゃんとこの初心者の部屋で勉強して、この世界のこともっと知りたいな。せっかくVRゲームの世界に入れたんだから。
この世界の僕を知る第一歩だと思って、ステータス画面を見たら、『うさぎ獣人 シロ』としか書いていない。レベルも不明のままになっている。
何か職業についていると思ったのに、ちょっと残念だ。RPGゲーム好きとしては、僧侶とか魔法使いとか憧れるのに、何も肩書きがないとは……。
ルナさんに質問したら、製品版になると、職業もあるしレベル上げもできるようになる。体験版はあくまでも、この世界を楽しんでもらうためのものだと説明してくれた。うん、ラパンもそんなこと言ってたな。
次に説明してくれたのは、この世界の目的の一つ、クエストだ。依頼は多種多様らしいけど、RPGらしく、討伐系や採取系が多いらしい。
けれど、子供の遊び相手になって欲しいとか、中には恋人のふりをして欲しいという依頼もあるらしい。その依頼主に何があったのか気になるところだけど……。
「正式に募集されている依頼の他に、街の住人や街の外で出会うモンスターなど、フリーの依頼もあります」
「モンスターからも依頼があるんですか?」
「モンスターの中にも、争いを好まない者もいます。その中には高い知能を持ち、独自の生活を築き上げているたちもいます」
「へぇ。びっくりです。ちょっと会ってみたいかも」
そのあと僕たちは、戦闘の練習をさせてもらった。
ラパンは別部屋で待機しているから、僕1人で戦わなきゃいけない。そう思って不安だったけど、なんとユキがボンッと大きくなった。ちょうど背中に乗れるくらいだ。
「ユキ大きくなれるの?」
「うん、僕はサポート役だからね。戦闘のサポートもできちゃうんだ」
自慢げにふんっと顔をそらすと、大きくなった耳がブンっと揺れる。迫力あるなぁー。
「最初に野ネズミが登場します。まずはこの剣で戦ってみてください」
ルナさんに渡された剣で、言われたように戦ってみたけれど、結果は散々だった。どうやら僕は、剣を使った戦闘に向いてないらしい。
ステータス画面を見る感じだと、初期数値は魔法系の方が長けていそうだと言われた。
体験版だから本来は平均的数値にはなるらしいけど、僕の初期値は魔法系で、特に補助魔法が得意なようだった。んー? なんでだろ……。
補助魔法が得意らしいとわかったので、次はユキに、攻撃力と素早さを上げる魔法をかけてみた。ユキは問題なく野ネズミをやっつけた。もっとレベルの高い敵も出してみたけど、それも難なく倒した。
サポートキャラのユキが前衛で戦って、僕が補助魔法でサポート? うーん、なんか複雑な気持ちだけど、僕には前衛は向いてないみたいだから、仕方がないか。
でも、バッグに入って丸くなって寝てるだけだったり、起きたと思ったらお腹空いたーとご飯を食べたり、サポートらしいサポートをしてこなかったユキが、実はこんなに頼りになるとわかったのは良かったかもしれない。
僕の前に見える頼もしい背中は、大きくなっても変わらずもふもふで、丸いしっぽも、倒した後に嬉しそうに振り返るその顔も、いつものユキだった。
「ルナさん、ありがとうございました」
「何度目かのログインでも、ご希望であればこちらを利用できますので、何かありましたらまたお越しくださいませ」
「はい、また寄らせてもらいます」
初心者の部屋には、図書室のような部屋もあって、この世界の歴史なども見れるようになっていた。製品版では、この世界の歴史が関わる、大きな物語が動き出すらしい。
今日はゆっくり見れなかったけど、今度また見にきたいと思った。
「シロ、俺がいなかったけど、大丈夫だったか?」
初心者の部屋の入り口まで戻ると、心配そうにラパンが声をかけてきた。
まるで保護者みたいだ。いや、間違ってはいないか。……でもなんか、モヤっとするのはなんでだろう。
僕はその気持ちを振り払い、初心者の部屋であったことを話した。
「うん、大丈夫だったよ。ねぇ、ユキがおっきくなったんだよ」
「ああ、サポートキャラは、ただの案内役ではなく、従魔のような存在なんだ」
「従魔?」
「登録した時点で、シロとユキは契約したことになっているんだ」
「へー、そうだったんだ」
知らない事実を聞かされて、僕は目を何度もパチパチと瞬かせてしまった。
契約をすると、離れていてもコンタクトが取れるし、データなども共有できるらしい。
僕がオフラインの時でも、ユキのデータにアクセスして、指示をしておくこともできる……って説明されたけど、僕にはよくわからなかった。
そういえば、このゲームにログインしてから、まだ一度も自分のステータス画面を見てなかったなぁと思い返す。
でもまぁ、いきなりモンスターに襲われちゃうし、助けてくれたラパンがなんでも知ってるから、全てお任せしてきちゃったんだよね。
だけどちゃんとこの初心者の部屋で勉強して、この世界のこともっと知りたいな。せっかくVRゲームの世界に入れたんだから。
この世界の僕を知る第一歩だと思って、ステータス画面を見たら、『うさぎ獣人 シロ』としか書いていない。レベルも不明のままになっている。
何か職業についていると思ったのに、ちょっと残念だ。RPGゲーム好きとしては、僧侶とか魔法使いとか憧れるのに、何も肩書きがないとは……。
ルナさんに質問したら、製品版になると、職業もあるしレベル上げもできるようになる。体験版はあくまでも、この世界を楽しんでもらうためのものだと説明してくれた。うん、ラパンもそんなこと言ってたな。
次に説明してくれたのは、この世界の目的の一つ、クエストだ。依頼は多種多様らしいけど、RPGらしく、討伐系や採取系が多いらしい。
けれど、子供の遊び相手になって欲しいとか、中には恋人のふりをして欲しいという依頼もあるらしい。その依頼主に何があったのか気になるところだけど……。
「正式に募集されている依頼の他に、街の住人や街の外で出会うモンスターなど、フリーの依頼もあります」
「モンスターからも依頼があるんですか?」
「モンスターの中にも、争いを好まない者もいます。その中には高い知能を持ち、独自の生活を築き上げているたちもいます」
「へぇ。びっくりです。ちょっと会ってみたいかも」
そのあと僕たちは、戦闘の練習をさせてもらった。
ラパンは別部屋で待機しているから、僕1人で戦わなきゃいけない。そう思って不安だったけど、なんとユキがボンッと大きくなった。ちょうど背中に乗れるくらいだ。
「ユキ大きくなれるの?」
「うん、僕はサポート役だからね。戦闘のサポートもできちゃうんだ」
自慢げにふんっと顔をそらすと、大きくなった耳がブンっと揺れる。迫力あるなぁー。
「最初に野ネズミが登場します。まずはこの剣で戦ってみてください」
ルナさんに渡された剣で、言われたように戦ってみたけれど、結果は散々だった。どうやら僕は、剣を使った戦闘に向いてないらしい。
ステータス画面を見る感じだと、初期数値は魔法系の方が長けていそうだと言われた。
体験版だから本来は平均的数値にはなるらしいけど、僕の初期値は魔法系で、特に補助魔法が得意なようだった。んー? なんでだろ……。
補助魔法が得意らしいとわかったので、次はユキに、攻撃力と素早さを上げる魔法をかけてみた。ユキは問題なく野ネズミをやっつけた。もっとレベルの高い敵も出してみたけど、それも難なく倒した。
サポートキャラのユキが前衛で戦って、僕が補助魔法でサポート? うーん、なんか複雑な気持ちだけど、僕には前衛は向いてないみたいだから、仕方がないか。
でも、バッグに入って丸くなって寝てるだけだったり、起きたと思ったらお腹空いたーとご飯を食べたり、サポートらしいサポートをしてこなかったユキが、実はこんなに頼りになるとわかったのは良かったかもしれない。
僕の前に見える頼もしい背中は、大きくなっても変わらずもふもふで、丸いしっぽも、倒した後に嬉しそうに振り返るその顔も、いつものユキだった。
「ルナさん、ありがとうございました」
「何度目かのログインでも、ご希望であればこちらを利用できますので、何かありましたらまたお越しくださいませ」
「はい、また寄らせてもらいます」
初心者の部屋には、図書室のような部屋もあって、この世界の歴史なども見れるようになっていた。製品版では、この世界の歴史が関わる、大きな物語が動き出すらしい。
今日はゆっくり見れなかったけど、今度また見にきたいと思った。
「シロ、俺がいなかったけど、大丈夫だったか?」
初心者の部屋の入り口まで戻ると、心配そうにラパンが声をかけてきた。
まるで保護者みたいだ。いや、間違ってはいないか。……でもなんか、モヤっとするのはなんでだろう。
僕はその気持ちを振り払い、初心者の部屋であったことを話した。
「うん、大丈夫だったよ。ねぇ、ユキがおっきくなったんだよ」
「ああ、サポートキャラは、ただの案内役ではなく、従魔のような存在なんだ」
「従魔?」
「登録した時点で、シロとユキは契約したことになっているんだ」
「へー、そうだったんだ」
知らない事実を聞かされて、僕は目を何度もパチパチと瞬かせてしまった。
契約をすると、離れていてもコンタクトが取れるし、データなども共有できるらしい。
僕がオフラインの時でも、ユキのデータにアクセスして、指示をしておくこともできる……って説明されたけど、僕にはよくわからなかった。
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