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65. 貴族会議へ
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「ああ、いつまでもこうしてはいられないな。皆が待っている」
お父様は僕をそっと離すと、優しく微笑んだ。
僕もお父様に微笑み返してからみんなを見ると、同じようにニコニコと微笑んでいて、『良かったね』と言う声が聞こえるような気がした。
「イザベラには相談したのだが、近々行われる貴族会議で、ハイネル家の現状と今後についての話をしてこようと思う」
「え……?」
驚く僕に、お母様は続けて話を始めた。
「リヒター公爵家の行いについては、まだ国王陛下が調査中なので、勝手に口外することは出来ないわ。なのでそのことは伏せつつも、事情があって現在のハイネル家は、国王陛下への調査に協力し、その結果を待っている状態だと伝える予定でいるの」
「国王陛下からの私への判断が下されるまで、一時的にフィラットに当主の役割を託し、私は公の場に顔を出すのを控えさせていただくと声明を出す」
「フィルが当主の役割を?」
「そして声明と同時に、ハイネル伯爵家の次期当主は、フィラット・ハイネルに決定したことも、あわせて皆にお伝えするつもりだ」
そっか、少しずつ動き出しているんだ。
でも、僕が閉じ込められていた時に感じたような、先の見えない不安な未来ではない。家族や領民たちも一緒に力を合わせて、ハイネル領とハイネル伯爵家を盛り上げていくんだ。
こんなに素敵なことはないじゃないか。僕には明るくキラキラと輝く未来が想像できた。
「だから僕も、半月ほど学院を欠席して、お父様たちに同行するよ」
「俺は、アーホルン公爵に同行して会議に出席する予定だ」
まだ国王陛下がどんな判断を下すのかわからないけど、きっと大丈夫。お父様は罪に問われることなんてなく、これから一緒に頑張っていけるはずだ。
中には心無いことを噂する貴族たちもいるだろう。けれど誠心誠意を込めて説明し、お父様なりに真摯な行いをしていけば、たくさんの人に伝わるはずだ。ハイネル伯爵家は、これからも安泰だと。
「急な話になるけど、明日の早朝には出発する予定なんだ。今回も、アーホルン公爵家経由で、国王の住むお城まで行く予定だよ」
「わかった。護衛もいるし大丈夫だと思うけど、十分に気をつけてね」
今回も二週間ほどの旅となるだろう。ただ、一ヶ月前に行ったばかりなので、道中も少しは慣れて、もしかしたら所要時間が短くなるかもしれない。
……そうか。また二週間も留守にするのか。
再会してから、ずっとフレッドはハイネル家にいるから、やはり二週間の不在は寂しい。
本音を言うと、思い切り甘えたい。一日中一緒にいたい。
前世で喧嘩して、あんな別れ方をして、ずっと離れていたのに、やっと再会できた。思いも伝えあった。
けど、全てのことが落ち着くまで、そんなことは言っていられない。今はただ、みんなが無事に帰ってこれるように祈ろう。
「お父様も、お母様も、道中お気をつけて。不在の間のハイネル家は、僕にお任せください」
仮にも、僕はこのハイネル伯爵家の長男だ。次期後継者はフィルに決まっているけど、僕だってハイネル家を守っていきたい気持ちは同じなんだ。
少し前まで、オメガだからと諦めていたけど、もうその必要はなくなった。これからは僕も役に立てるように、次期後継者であるフィルの補佐として、精一杯尽くしていこうと思う。
「ああ、ミッチェル、頼もしいな。さすがはハイネル家の長男だ」
「そうね。ミッチェルになら安心して任せられるわ」
お父様とお母様は、顔を見合わせて嬉しそうに微笑んだ。
僕は再びそんな二人を見ることができると思っていなかったから、とても嬉しくなって、並んで立つ二人の胸に飛び込んだ。
「ご無事をお祈りしています」
お父様とお母様は、僕の背中を優しく撫でた。
そして次の日のまだ日も昇らぬ時間に、お父様とお母様、フィルとフレッドは国王陛下の住む城に向かって出立した。
お父様は僕をそっと離すと、優しく微笑んだ。
僕もお父様に微笑み返してからみんなを見ると、同じようにニコニコと微笑んでいて、『良かったね』と言う声が聞こえるような気がした。
「イザベラには相談したのだが、近々行われる貴族会議で、ハイネル家の現状と今後についての話をしてこようと思う」
「え……?」
驚く僕に、お母様は続けて話を始めた。
「リヒター公爵家の行いについては、まだ国王陛下が調査中なので、勝手に口外することは出来ないわ。なのでそのことは伏せつつも、事情があって現在のハイネル家は、国王陛下への調査に協力し、その結果を待っている状態だと伝える予定でいるの」
「国王陛下からの私への判断が下されるまで、一時的にフィラットに当主の役割を託し、私は公の場に顔を出すのを控えさせていただくと声明を出す」
「フィルが当主の役割を?」
「そして声明と同時に、ハイネル伯爵家の次期当主は、フィラット・ハイネルに決定したことも、あわせて皆にお伝えするつもりだ」
そっか、少しずつ動き出しているんだ。
でも、僕が閉じ込められていた時に感じたような、先の見えない不安な未来ではない。家族や領民たちも一緒に力を合わせて、ハイネル領とハイネル伯爵家を盛り上げていくんだ。
こんなに素敵なことはないじゃないか。僕には明るくキラキラと輝く未来が想像できた。
「だから僕も、半月ほど学院を欠席して、お父様たちに同行するよ」
「俺は、アーホルン公爵に同行して会議に出席する予定だ」
まだ国王陛下がどんな判断を下すのかわからないけど、きっと大丈夫。お父様は罪に問われることなんてなく、これから一緒に頑張っていけるはずだ。
中には心無いことを噂する貴族たちもいるだろう。けれど誠心誠意を込めて説明し、お父様なりに真摯な行いをしていけば、たくさんの人に伝わるはずだ。ハイネル伯爵家は、これからも安泰だと。
「急な話になるけど、明日の早朝には出発する予定なんだ。今回も、アーホルン公爵家経由で、国王の住むお城まで行く予定だよ」
「わかった。護衛もいるし大丈夫だと思うけど、十分に気をつけてね」
今回も二週間ほどの旅となるだろう。ただ、一ヶ月前に行ったばかりなので、道中も少しは慣れて、もしかしたら所要時間が短くなるかもしれない。
……そうか。また二週間も留守にするのか。
再会してから、ずっとフレッドはハイネル家にいるから、やはり二週間の不在は寂しい。
本音を言うと、思い切り甘えたい。一日中一緒にいたい。
前世で喧嘩して、あんな別れ方をして、ずっと離れていたのに、やっと再会できた。思いも伝えあった。
けど、全てのことが落ち着くまで、そんなことは言っていられない。今はただ、みんなが無事に帰ってこれるように祈ろう。
「お父様も、お母様も、道中お気をつけて。不在の間のハイネル家は、僕にお任せください」
仮にも、僕はこのハイネル伯爵家の長男だ。次期後継者はフィルに決まっているけど、僕だってハイネル家を守っていきたい気持ちは同じなんだ。
少し前まで、オメガだからと諦めていたけど、もうその必要はなくなった。これからは僕も役に立てるように、次期後継者であるフィルの補佐として、精一杯尽くしていこうと思う。
「ああ、ミッチェル、頼もしいな。さすがはハイネル家の長男だ」
「そうね。ミッチェルになら安心して任せられるわ」
お父様とお母様は、顔を見合わせて嬉しそうに微笑んだ。
僕は再びそんな二人を見ることができると思っていなかったから、とても嬉しくなって、並んで立つ二人の胸に飛び込んだ。
「ご無事をお祈りしています」
お父様とお母様は、僕の背中を優しく撫でた。
そして次の日のまだ日も昇らぬ時間に、お父様とお母様、フィルとフレッドは国王陛下の住む城に向かって出立した。
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