【更新】政略婚が幸福な恋に辿り着くまで/両性具有BL短編まとめ

末野みのり

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獣人王子×藤の樹霊、年下×年上、敬語攻め、純愛、戦記パート長め、長編ダイジェスト

政略婚が幸福な恋に辿り着くまで(1)

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 初夏のある日、獣人の国でのことである。
 王が、王子たちを謁見の間に集めた。

「ガッハッハ、息子たちよ!今日は朗報だ!あの白の森と協定を結ぶことになった!」
「父上、本当ですか!?あの偏屈な森の民たちがよく了承しましたね!?」

 豪快な獣人王の言葉に、王子たちは沸き立った。白の森、いまだどの国の傘下にも入らぬその森は、恵み豊かな神秘の森であった。

「うむ。森の民の族長と話したが、そやつは森の民にしては話のわかる男でな。我ら獣人は血を重んじる、ならば婚姻をもって協定としよう、という話だ。だからお前らの誰か、あの族長を娶ってはくれんか」

 だが、次の王の言葉に、息子たちの顔色が変わる。
 娶れ、とは一体。

「……は!?正気ですか父上」
「正気も正気。お前らも知っての通り、森の民の族長は両性具有の樹霊でな。年は……まあ少々いっているが、向こうも政略婚としてのことだ、公務として仔の一人や二人作り、協定のため夫婦として務めれば問題はなかろう」

 王子たちは顔を見合わせた。王族に生まれついたからには、政略結婚など覚悟していることではある
 だが、相手は相当に年上の男、それも獣人とは反りの合わぬ森の民である。
 苦痛の結婚生活が、予想された。

「ではな!よく話し合って決めるといい」

 その後、王子たちは散々に揉めることとなった。未婚で一番年上ならばと揉め、恋人がいないものはこれを期にと揉め、多情ならば今更年増の一人や二人と揉め。
 最後に、兄たちの視線は今年成人したばかりの、真面目一辺倒の弟に向いた。

「お前が、受けてくれるな?」
「はい……」

 兄たちの圧力に逆らえず、生真面目で純朴な末の王子はただただ頷いた。
 そうして、今年成人を迎えたばかりの末の王子は、一回り以上年上の、妻を娶ることになった。





 嫌だな……………………………。
 正直、そう思っていた。思い続けて、今日の婚礼の日を迎えることとなった。
 聞けば森の民の族長は、父より年上だという。
 父の髭面を思い出して、そのまま女性用の婚礼衣装を着た姿を思い浮かべてしまい、王子はげんなりした。
 いまだ初陣も迎えていない王子は、森の民のことも、樹霊のことも、よく知らない。樹霊は総じて緑の髪で、両性具有で、探究を好む種族柄故に知性は高いが理屈屋が多い、という程度のことだ。

「婚礼の儀だが、歩いてくるそうだ」
「ある……歩いて!?」
「種族的に乗り物というのが性に合わんらしい。迎えに行ってくれるか」
「はぁ……」

 父に命じられて、王子は渋々と城門の詰め所で妻となるその人を待つ事になった。
 門番たちの視線は同情的だ。王子たちのやりとりを知らぬとはいえ、おおよその事情は察しているのだろう。

「王子、おいでになりました」
「わかった」

 門番に促され、王子は椅子を立った。
 どのような方が来ても驚かないようにしよう。あの父上が認めた方なのだから、性根の悪い方ではないのは間違いないだろうし。
 そのようなことを思いながら、表に出た王子を、緑の髪の青年が迎えた。
 青年、である。見た目だけで言えば、上の方の兄たちとそれほど年も変わらないように見える。

「あ、の……」
「ああ、お手数をおかけします。白の森より参りました」

 にこ、と穏やかそうに微笑む顔に、王子の視線が釘付けになる。
 綺麗な人だ。
 性的魅力を感じるという訳ではないが、とにかくそう思った。

「ご、ご案内、します」
「はい」

 つい言葉は縺れて、王子はその人を伴って、王城へと歩を進めた。

  



 王城へと着き、謁見の間へとそのまま入れば、その人はにこりと微笑んだ。本当に、綺麗な人だ。
 王子は数度目に見惚れた。

「案内をありがとうございます」
「いえ……」
「おお、族長殿!ようこそ我が一族へ」
「気が早いですよ。それで……お相手は、どちらに」

 え。
 しかと名乗っていないことに気付いて、王子は冷や汗をかいた。これから妻になる人に対して、何という無作法を。

「わ、私……ですが……」
「きみ………」

 王子が名乗れば、緑の佳人の目が見開かれる。
 それほど驚くことか。王子はいきなり怒鳴られたりなどしなかったことに安堵しつつ、その佳人がどう反応するか、動悸を激しくして待ち構えた。

「……獣人王、さすがにこれは……」
「おお、どうした。我が息子に何か不足があったか」
「いえ……ご立派な、息子さんだとお見受けします。ですが……」

 道中、すでにその人の博識と思慮深さを垣間見ていた王子は、純粋な褒め言葉に内心誇らしくなる。
 政略結婚とはいえ、妻にとって誇らしい夫でありたいというのは、本能的な欲求であった。

「子どもではないですか」
「な……」

 だが、佳人の一言がその誇らしさを挫く。
 子どもとして褒められただけ、だったとは。

「お言葉ですが族長殿!自分はもう成人しております!」

 王子が憤慨して言い募れば、佳人は困ったような顔をした。わがままを言う子どもに困っている顔だ、と気付いて、情けなさで頭が沸騰する。

「どう見ても、成人したてでしょう。私から見れば子ども同然です。そのような若者に、私のような年嵩の他種族の妻をあてがうなど……ご自身の子に対して酷ではありませんか、獣人王。私は、寡婦や婚姻がご困難なご親族がいらっしゃれば、と申したはずです」

 そうなのか!?末の王子は驚きと共に、父王の顔を見る。王はとぼけた顔で笑った。

「はっはっは、そうだったか?……だが族長殿、もう十分に布告はしておる。いまお主が断れば、我が息子が婚約者に逃げられた男になってしまうなぁ~」
「獣人王……」

 わざと、わざとだ。どっちにも逃げ場がないようにしただけだ。父の大雑把に見えて政治的辣腕を知っている王子は確信した。

「悪く思うな、お主を息子として迎え入れるのが、互いの民にとって最も良いとわかっているだろう」
「道理は、心得ております。……ただ、王子が側室をお望みの時には……どうかご協力を」
「ガハハ、もちろん、心得ておる」

 当事者抜きで話を進めないで欲しい。
 王子はそう思ったが、言葉にはならなかっだ。
 とにかく、子ども扱いされた事に対する憤慨を、どうにか身の内に留めるだけで精一杯だったので。






 つつがなく婚礼の儀を終え、まあ顔は綺麗でよかったな、などと白々しく兄たちに慰められ、夫婦の新居として与えられた館の門を二人でくぐり、寝室に入って、王子の憤慨は再び噴出した。
 おやすみなさい、よい夢を。居室に戻る前、完全に子ども扱いしてきた佳人に、とにかく子どもではないと示さねば気がすまなかった。
 よく言えば温厚、悪く言えばぼんやりしていると言われる末の王子が、らしくもなく矜持にこだわって、寝台に横になっていた妻の上に覆い被さった。
 いい、だろう。夫婦の初夜なんだから。
 心の片隅の、冷静になりそうになる部分にそう言い聞かせて、王子は妻の顔を見おろした。
 その樹霊は、ペットにじゃれつかれて困っているような顔をしている。

「子どもと侮られたままでは、獣人の雄の名折れ。……嫁御殿、雌としての経験は」

 緊張で、舌が縺れそうになる。
 いざ事に及べば、閨の経験のない若い王子の心臓は緊張で弾け飛びそうに早鐘を打った。

「ありません。……が、無理をなさいますな、旦那様」

 見透かされて、いる。
 遥か年上の慧眼に、緊張を見抜かれている。
 王子は恥じた。だが、矜持を示さねばと、その気持ちだけが逸って、妻の手が労る手つきで下腹部に伸びたことに気づかなかった。

「ぅわっ!?
「萎んでらっしゃる」

 カッと顔に熱が上がる。
 ここまでしていながら雄として準備も出来ていないなどと、まるで、本当に、子どもの癇癪ではないか。

「こ……れは、初夜の、緊張……で……っ!!」
「無理に繁殖期でない時にする必要はありませんよ。穴があれば誰でも良い、となった時に使って頂ければ十分です。獣人も樹霊も多産ですから、一度か二度の交合があれば務めは果たせるでしょう」

 憤慨と羞恥に塗れた頭の中が、すっと冷める。
 この人は、何を、言っている。
 使って頂ければ、だと。

「あなたは、それでいいのか。そういう、人生で」

 王子は気付いていた。獣人の国と白の森の間で結ばれた協定は、対等な協定のようでありながら、実質的にはこの佳人を王家に取り込んでの併合である。
 この人は、人質で人柱、そうなるつもりで嫁ぎに来ている。

「長として、この国に嫁いだ。ならば務めを果たすだけです」
「……それでは、淋しい、ではないですか」

 政略結婚とはいえ、一つの情もいらぬというのは。
 王子の言葉に、佳人は目を見開いて、そうして、とろりと溶けたように目を細めて笑った。

「……ふ、ふふ。ならば友になろう、旦那様。私に……俺に、この国のこと、獣人のこと、それから……君のことを教えてくれ」
「……それ、ならば。いつでも」

 公的な言葉遣いを外した佳人の、見た目にしてはぶっきらぼうな言い方に、王子は動揺して胸の動悸を早めた。

「だから今日はこのまま寝かせてくれ。友となって最初にやることが、夜半の喧嘩にはしたくない」
「……わかりました。じゃあ、また明日」
「ああ、また明日」

 王子はそうして、胸の動悸の収まらないまま、今日の別れを告げて、妻の居室を辞した。





 好きだ……………………………。
 半年後のことである。末の王子はすっかり妻で友の嫁御殿に夢中になっていた。
 そもそも見目だけで見惚れていたのだ。初日から見せられた聡明と奥ゆかしさ、そして思いやりの深さを日常でも見せられて、末の王子が骨抜きにされるのはあっという間だった。
 だが、相手は相変わらずである。

「旦那様。こんなに早く家に帰って、外に気になる娘はいないのか?」
「僕は、そのような不貞をするような男に見えますか」
「見えない。だからこそ、俺から言っておいてやった方がいいだろうと思ってな。その年頃は性欲旺盛なものだろう」

 性欲を募らせているんです、あなたに。
 とは末の王子は言えなかった。初夜の失敗が尾を引いていたし、またあのようにあしらわれては、今度は本当に立ち直れないかもしれない。
 あの時は自分の矜持のためだけのことだったが、今は心底からの恋であるから。

「あなたも?」
「ふふ、俺は陰気だったからな、それほど派手な話はない。……が、まあ……、それなりのヤンチャはな」
「そ、れなりの、ヤンチャって……」
「はは、若いな。好きに青春をしてきなさい、君の人生が豊かになれば、伴侶としても喜ばしい」

 そう言って、笑う。
 その顔に見惚れて、それでまた、性欲を募らせて。
 まずいと思った時には遅かった。
 むくり、と雄の徴が天を向いた。

「……おっ……と、すまない。度の過ぎたからかいだった」
「いえ……」

 ふい、と妻の顔が逸れて、末の王子は惨めな気持ちになった。他の誰にそんなことを言われてもこうならないのに、この人は自分の妻なのに、若い性欲を無視されている。
 惨めさは、しばしの沈黙を経て、幼稚な怒りに変わっていく。幼稚という自覚はあった。けれど、心は止められなかった。
 あなたは私の妻なのに、どうして。

「……練習、しましょう」
「うん……?」
「繁殖期の、練習、しましょう。あなたが、僕とちゃんと交われるのか」
「……、……そ、れは、その……」
「少なくとも僕は、今あなたの顔を見ても男根を萎ませていません。嫁御殿、いかがですか、今から」
「いま、から……」

 妻の声が震える。
 年上の妻で友の、生娘の如き反応に、余計に欲情して男根は膨らんで反り返った。
 触れてもらわねば、収まりそうもなかった。

「……わかっ、た。なら、身を清めてくる、から……少し、待っていて、くれ」

 そう言って静かに立ち上がった妻の横顔が赤く染まっている。
 だからそれにも煽られて、若い王子は深呼吸で逸る体を落ち着かせた。





 それほどは待たなかった。
 身を清めて夜着一枚になった妻が、ベッドに辿り着けば、その視線は自分の股ぐらを向いた。

「すいません、落ち着きがなくて」
「ま……待っている間に、冷静になるのではないか、と……」
「あなたが言ったのでしょう。この年頃は性欲旺盛だ、と」
「それは、い……言ったが……」

 もぞもぞと常の彼らしくなくはっきりしない物言いをした妻を、末の王子は抱き寄せてベッドに引きずり込んだ。

「だ……大丈夫か?嫌になったら、途中でやめても構わないから、その……」
「お心遣い、痛みいります。ですがそれは」

 この期に及んでまだ人の心配をしているこの妻が愛おしくて仕方がなかった。
 愛おしくて、愛おしくて、つがいにしたくて、雄の徴が猛って固くなるのを止められなかった。

「嫌にならなければ、どこまでもしていい、ということですか……?」
「……め、夫婦の営みであるなら、拒む理由は、ない、が……」

 早く誘えばよかった。王子は反省した。
 このように恥じらうのか、この人は。
 それがあまりに嬉しくて、王子は性急に衣服を脱ぎ払った。再び妻の視線が股ぐらに向く。

「お、大きい、な……」
「あの。あまり……まじまじと見られると、恥ずかしいのですが」
「す、すまない。あの、あまりに立派で、つい……」
「……気に入って、頂けましたか?」
「う、ううん、そうだな……」

 くだらぬ閨のからかいの返事を、真剣に考えるその顔が愛おしかった。
 立派と言ってもらえたこの男根を、早くあなたに挿れたい。

「……孕みがいのある、陰茎だな……?」

 恥じらんで言った妻の言葉に、王子は腹に力を入れて男根からの誤射を堪える羽目になった。
 孕みがいのある陰茎というなら。これで、何回でも何人でも孕ませてやる。
 そう決意して、王子は年上の妻に口付けて、初めての夫婦の営みに誘い込んだ。





 一度目は、情けなくも挿れた瞬間に射精した。
 今まで童貞でした、と告白すれば、俺も処女だった、と苦笑で告白されて、その優しい笑みにすぐに陰茎は固くなった。
 二度目は、めちゃくちゃに腰を振って。作法など分からないながらに、奥へ奥へと突き進めば、びくびくと妻の体が淫らに震えて、その震えをもっと独り占めしてしまいたくて、その尻に叩きつけるように腰を振った。
 奥までぐりぐりと陰茎を捩じ込めば、一層強く震えた妻の体が、いつまでも震えているので、どうしましたか、と問えば、わからない、はじめてだから、と甘い声で鳴くので、それに煽られてまた腰を振って、顔を枕に押し付けて声を殺した妻の胎の奥で絶頂して、子種をばら撒いた。
 そうして三回目。
 ずっと枕に顔を押し付けている妻を、変わらず後ろから突きながら、王子は声を聞きたい、顔を見たい、と思いながらも、猛る男根の我慢が聞かずに腰を振り続けた。

「んっ……っん、ぅ、んぅっ、んーっ」

 びくびくとその体が震える。
 おそらく、雌の快楽故に、出口のない快感がその体を駆け巡っているのだ。
 王子は自分の欲が獰猛に研ぎ澄まされてていくのを感じた。もっともっと、この佳人を快楽に突き落として、淫らに震えさせて跳ねさせたい。そうして、その胎に、何度も何度も子種をばら撒いて、孕ませて、やりたい。

「んーっ、ん、ンっ、んっ、ふ…っ、んぅっんぅ~~~……っ!!」
「声を、声を聞かせてください、あなたは、あなたは私の妻でしょう」
「っふ、ぁ、あっ、だが、だが……」

 樹霊特有の緑の髪を揺らして、妻が振り返る。
 困ったような顔をしている。子どもを、気遣う、顔だ。ここまで来ても、この人にとって自分は子どもなのか。
 ならば、子どものわがままを、通してやろうと思った。
 
「夫の求めですよ、嫁御殿」
「っあ!」

 陰茎を引き抜いて、妻の体をひっくり返す。
 そうすれば赤く染まったその顔も、熱く熟れて湿った肌も、ぴんと立った乳首も、半端に膨らんだ陰茎も、そしてしとどに濡れた陰部も、すべて顕になる。

「こん……なものを見れば、萎んで、しまう、だろう……」
「……いいえ、萎むどころか」
「は……」

 伴侶の痴態に、若い男根は反り返ってぴくぴくと震えている。

「げ、元気そうで、なにより……」
「はは。……あなたのここが、孕ませがいのある、女陰だったもので?」
「っあ!」

 呆気に取られて呆けているその顔も堪らなくて、王子は妻の穴に再び熱い楔を打ち込む。あまりの衝撃と快感に、美しい樹霊の喉が反り返って、生き物としての弱点を晒す。
 噛み、たい。
 獣人の、獅子の本能に抗えずに、王子はその喉元に食いつく。

「っあ、あ!ぁ、ん、ん…っ!」
「隠すな。僕から、あなたを隠すな」
「っは、ぁ……っ、君、きみ、そんな……、あっ、あぁっ」
「……ああ、見せてくれましたね……っ!あなたの、あなたの交尾している、顔……きれいだ……」

 うっとりと囁いて、王子はその顔をじっと見つめながら、腰を振り続けた。
 その顔がどんどん甘く溶けて崩れて、その声が甘く掠れて悲鳴のように鳴くことしか出来なくなるまで腰を振って、妻の体の全てに、自分の存在を刻みつけた。





 ぱしゃん。
 夫婦二人を収めた湯船は、少し身じろぐだけで湯を零した。朝の日差しの中、前夜のまぐわいの跡を落とす二人は、湯船の中で向かい合って、互いの眠そうな目を見ていた。

「君のことは純朴な少年と思っていたが」

 妻の声は水音にかき消される程に掠れている。それにすらも色気を感じて、前夜に十分にまぐわったというのに、若い陰茎は再び猛る兆しを見せる。
 
「寝台ではずいぶんと勇ましいな」
「これでも獅子の端くれですから」
「……末恐ろしいな。いまだ熟せずしてこの域とは」

 やはりまだ子ども扱いをしている。あれほど淫らに交わっておいてなお、子どものじゃれつきのような言い様をする妻に、王子は複雑ながらも、もうそれに乗ってしまおう、と思った。
 ちゃぷん。
 大きく波を立てて、王子が妻に体を寄せて、口付けを贈る。

「あなたが可愛がってくださるので、甘えてしまって」
「……こら、いたずらを……」

 すり、と王子が不埒な手つきで妻の陰茎を擦る。

「練習、ですから」
「もう十分に、玄人だと思うが……、っん、ぁ……っ」

 その手は次第に奥に向かい、女陰を擦って開かせた。昨晩散々に愛したそこは、柔らかく震えている。だから遠慮せずに固くなった男根でその穴を塞いで、王子は妻の体を揺すり始めた。
 ぱしゃんぱしゃん、と湯は溢れ出して、床を打った。




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