ピアノの塔

赤坂あさひ(兄)

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Introduction

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  紫色のルーサンの花畑に囲まれた高い塔。その塔からはいつも、美しいピアノの音色が響き、自然に溶け込んでゆく。
 ある少女と少年はそこに暮らしている。ドビュッシーを奏でる長髪の少女の名はアイ、ショパンを奏でる短髪の少年の名はユウ。
 音色の主は二人が弾く塔の中のグランドピアノである。
 アイの華麗で繊細な演奏、ユウの高度で力強い演奏。そして、その演奏をいつも聞いている人がいる。
 ルーサンの花畑を抜け、塔に近づく女性。毎朝、風に包まれてやってくる彼女を、アイとユウはハルさんと呼ぶ。
 二人はハルさんを母親のように慕い、また、ハルさんも二人のことを我が子のように愛した。
 塔の窓から見える青い空、緑の森、そして紫色の花畑。少しずつ、少しずつ夏が近づいていく。塔からは絶えずピアノの音色が聞こえた。
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