地下迷宮(ダンジョン)を冒険するのは楽しいものだと決まっている

CROWN

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  ダンジョン────冒険都市オラクリアに存在する地下迷宮である。

  ダンジョンは下へと降りる事に一階層、二階層へという風になっている。

  ダンジョンには最弱モンスターのゴブリン種から最強クラスのモンスタードラゴン種まで、様々なモンスターが生息している。生息していると言うよりは、ダンジョンが生み出していると言った方が妥当な考えかもしれない。誰かがモンスターを討伐しても、数分後にはまた同じモンスターが生息している。つまり、モンスターはダンジョン内において絶えることは無いのだ。

  一般の冒険者はモンスターを狩り、その時入手した戦利品を売り、生活している。

  階層を降りるにつれて、強いモンスターが生息している。なので、実力の無い者達はむやみに階層を降りたりしない。

  現に、一階層から降りたことの無い冒険者は八割を超えると言われている。僕達もその中に含まれ、毎日一階層でゴブリンを狩りまくり生活している。今日もゴブリンを数体狩り、ダンジョンから戻ってきた。

  そして、戦利品を換金所でお金に換えてもらいに行った。

「今日はどれくらいだったんだ?」とソーマ。

「────えっ!?」

  お金を貰ったリザは動揺を隠せない様子だった。

  僕とソーマは貰った金額を知り、目を合わせ一回、二回と瞬きを繰り返した。

「これ本当にあってるんですか?」

  僕は今の状況が信じられず、監禁してくれたお姉さんに確認を求めた。

「えぇ、あってるはずよ、ゴブリンからとれたこの牙がとても上質なものだから、この位の値はつくわよ」

  ゴブリンから取れたのが牙でも爪でもなんでもいいが、こんな金額を稼げたのが今でも信じられない。

  ちなみにいつも稼ぐ金額は平均して200シリカ。一人が一日暮らせる金額は50シリカと言ったところだろう。

  そして、今日稼いだ金額は────4000シリカだった。こんなにもあれば、二週間は遊び放題でも大丈夫だろう。高級なドラゴンの肉を満腹まで食べることも夢ではない。僕はそんなしょうもない事を考えていた。

「このお金は全て装備を買うために使わせてもらいます」とリザ。

  一瞬にして、僕の妄想は打ち破られた。

「少しぐらいその金で遊ぼうぜ?」

「ダメです」

  ソーマの我儘も聞いてもらえるはずもなく、リザにきっぱりと断られた。

  生活に関することは全てリザに任せっきりなため、ソーマはこれ以上何も言えなかった。

「もう疲れたし、そろそろギルドに帰ろうぜ」

  とソーマは告げ、早々と歩き始めた。

  僕とリズもギルドへと向かった。
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