26 / 93
計
親睦キャンプin裏山①
しおりを挟む
7月下旬―。
俺は頭を抱えていた。ヤンキー先輩からの頼まれ事は実に夏らしい、俺も初体験な素晴らしい申し出だったんだ。夏休みに入ってからのお楽しみだ、これは。とりあえず夏休みのことは置いておいて目の前のことを片付けなければならない。
俺の通うこの学校は進学は勿論だが高卒からの就職に関してもピカイチだ。理由は【特別選択授業】。長すぎるのでみんな特選と呼んでいる。この授業は週3回2時限分の時間を取り、自分の好きなことを勉強できるものなんだがまぁこのバリエーションが幅広い。半端なく広い。学校の教員でまかなえないところは外部から講師を呼んで勉強できるようにしているくらい力をいれている。新入生は夏休み明けからが本番で、終業式前までに決をとるようになっている。
「秋緋、師匠の授業でいいんじゃない?って嫌なんでしょ。だったら親睦キャンプ参加したら?」
親睦キャンプとは…どの特選にしようかと決めかねている生徒や、すでに決めてはいるがもっと詳しく知りたい!という生徒にあてて発信する夏合宿のようなものだ。なんて聞こえはいいが、毎年ほとんどの新入生が参加するのでそこそこの規模で夏休み前の一大イベントになっている。
「うーん。そうすっかなぁ…お前は決まってるのはしってるけど、参加すんのか?」
「秋緋が寂しいなら行ってもいいよ。」
こいつ…。
あの日、沙織里と一騒動あった日。そこから沙織里とは話をしていない。同じクラスだから顔を会わせたりはするのだがまともに話なんてしていない。というか向こうがさせない?女子のグループの中にいて近寄れない。見ていた生徒もいたから噂が噂を呼んで悪い方に伝わったのだろう、俺は悪者となっており女子特有の固いガードが出来上がってしまったのだ。
いや、まぁ、沙織里もたぶん怒ってるとかじゃないんだけど。でもメールくらい返して頂いてもいいんじゃないでしょうか…今までこんなことなかったからあんまり長引くとタイミング逃してもっとひどくなるんじゃないかと。
「そうだねぇ…古泉さんもキャンプ行くらしいからそこでどうにかするしかないんじゃないかなぁ?肝試しみたいのやるみたいだよ?どう?」
うわー!久々だわ!この感じ!人の心読む感じ!おのれ壱弥め。しかしいいこと聞いたぞ。うまいこと一緒になれたら話できるんじゃなかろうか。
「しゃあない、参加するか。」
そうと決まれば即行動だ。担任に報告して週末に備えるだな。
「言っとくけど、本来の目的は特選をどうするかだよ?忘れないでよ。」
うっ…わかっておりますよ。
でも、俺みたいに女子に近づこうと参加する男子も少なからずいるんじゃないか?あ、俺は正当な理由で近づくんだからな!
昼休み。担任にキャンプ参加を伝えた俺は、なんとなく保健室に足を向けていた。一応ノックをして扉を開けると、ちゃんといた。
「あらん?珍しいわね?どっか悪いの?」
相変わらずルージュってる…仕方ないけどさ。周りを見て俺だけなのを確認すると顔付きが親父になった。
「…まぁ悪いとこは沢山ありそうだな、はははっ!」
「ほっとけ!」
すっと俺の横を通りすぎ、ドアの鍵をかける。…あまり嬉しくないシチュエーションですね。
「結界も張ってるから二人で心置きなく話ができるぞ!」
何だろう、仲直りしてからやけにるんるん気分で親父っぽいことをしようとしてる感。悪くはないのだが今まであまり絡みがなかったことなので若干引いてしまう。だが、悩みがあるのは確かなのだ。
「あのさ、俺、なんか呪われてる?」
突拍子もない質問に親父はポカンとしている。
「だってさ、ここに来てから結緋さんの存在知ったり、小鬼と一緒に暮らしたり、今まで大人しかった沙織里の天使がでしゃばってきたり他にも…。」
事が起こりすぎてる、そう思った。それとは別にもうひとつ、不意に思い出し、口に出してしまった。
「…夢が。」
「夢?」
親父の顔付きが変わった気がした。
「なんか、最近よくみちゃって。昔の時の夢?かな…霞かかったみたいでよくわからないけど、確か、砂さ…。」
俺が言いかけると、目の前に親父が針を構えた右手を突きだして言った。
「それは夢だ、夢のまま、終わるのがいい。」
「親父…?」
さっきまでの雰囲気とは一変。俺の嫌いな親父が目の前にいた。嫌な汗をかく。俺が動けないでいると親父は額に針を刺そうと手を動かした。
その時、ババンッと凄まじい音をさせて扉が開いた。
「なんじゃ!結界なぞ張りよって!呼ばれたから来たというのに失礼な奴じゃな!こーしろう!」
「どうやらお楽しみ…ゲフンゲフン。お取り込み中のようですね、姫子様。」
そこには腕を組んで仁王立ちで立ってる結緋さんとその傍らにいつも通り口の悪い茨木がいた。
「ほぁー!秋緋ではないか!元気じゃったか?目はどうじゃ?制服もかっこいいのう!」
結緋さんは俺を見るやいなや駆け寄り、親父と俺の間に割って入り俺の両手をとってピョンピョン跳ねながら質問をしまくっている。その様子を見ている茨木からはいつものどす黒オーラがでている。
「あ…結緋ちゃん…今は。」
珍しい、親父が大人しい。真砂家の婿養子の弱いところなのかな?跳ねるのをやめて親父の方に振り返った結緋さんは、金色の綺麗な瞳を鋭くし、親父を睨み問う。
「今、秋緋にしようとしていたことはなんじゃ?私の許可がいる行為でないか?のう?」
また勝手になんかしようとしてたのか。言葉足らずは自分で自負してるだけになおらないんだな、ほんとに。
「で、でもですね…これはやっとかないと後々…うっ。申し訳ありません。」
眼光に負けたのか。ションボリして項垂れ、素直に謝る親父。持っていた針は消えていた。
「わかればよいのじゃ。それよりも!」
それよりも、だ。くるりとまた俺の方に振り返る結緋さん。
「さまぁきゃんぷとやらはいつからじゃ?秋緋もいるのじゃろう?楽しみじゃのう!」
さっきの表情とはうってかわって、満面の笑みでまたもピョンピョン跳ねる。結緋さんもいるってことか?
「おい親父、ちゃんと説明しろよ。」
「…はい。」
珍しく素直に悩み事を相談しようとした矢先にこれだ。やはり俺は呪われているのだろうか。
俺は頭を抱えていた。ヤンキー先輩からの頼まれ事は実に夏らしい、俺も初体験な素晴らしい申し出だったんだ。夏休みに入ってからのお楽しみだ、これは。とりあえず夏休みのことは置いておいて目の前のことを片付けなければならない。
俺の通うこの学校は進学は勿論だが高卒からの就職に関してもピカイチだ。理由は【特別選択授業】。長すぎるのでみんな特選と呼んでいる。この授業は週3回2時限分の時間を取り、自分の好きなことを勉強できるものなんだがまぁこのバリエーションが幅広い。半端なく広い。学校の教員でまかなえないところは外部から講師を呼んで勉強できるようにしているくらい力をいれている。新入生は夏休み明けからが本番で、終業式前までに決をとるようになっている。
「秋緋、師匠の授業でいいんじゃない?って嫌なんでしょ。だったら親睦キャンプ参加したら?」
親睦キャンプとは…どの特選にしようかと決めかねている生徒や、すでに決めてはいるがもっと詳しく知りたい!という生徒にあてて発信する夏合宿のようなものだ。なんて聞こえはいいが、毎年ほとんどの新入生が参加するのでそこそこの規模で夏休み前の一大イベントになっている。
「うーん。そうすっかなぁ…お前は決まってるのはしってるけど、参加すんのか?」
「秋緋が寂しいなら行ってもいいよ。」
こいつ…。
あの日、沙織里と一騒動あった日。そこから沙織里とは話をしていない。同じクラスだから顔を会わせたりはするのだがまともに話なんてしていない。というか向こうがさせない?女子のグループの中にいて近寄れない。見ていた生徒もいたから噂が噂を呼んで悪い方に伝わったのだろう、俺は悪者となっており女子特有の固いガードが出来上がってしまったのだ。
いや、まぁ、沙織里もたぶん怒ってるとかじゃないんだけど。でもメールくらい返して頂いてもいいんじゃないでしょうか…今までこんなことなかったからあんまり長引くとタイミング逃してもっとひどくなるんじゃないかと。
「そうだねぇ…古泉さんもキャンプ行くらしいからそこでどうにかするしかないんじゃないかなぁ?肝試しみたいのやるみたいだよ?どう?」
うわー!久々だわ!この感じ!人の心読む感じ!おのれ壱弥め。しかしいいこと聞いたぞ。うまいこと一緒になれたら話できるんじゃなかろうか。
「しゃあない、参加するか。」
そうと決まれば即行動だ。担任に報告して週末に備えるだな。
「言っとくけど、本来の目的は特選をどうするかだよ?忘れないでよ。」
うっ…わかっておりますよ。
でも、俺みたいに女子に近づこうと参加する男子も少なからずいるんじゃないか?あ、俺は正当な理由で近づくんだからな!
昼休み。担任にキャンプ参加を伝えた俺は、なんとなく保健室に足を向けていた。一応ノックをして扉を開けると、ちゃんといた。
「あらん?珍しいわね?どっか悪いの?」
相変わらずルージュってる…仕方ないけどさ。周りを見て俺だけなのを確認すると顔付きが親父になった。
「…まぁ悪いとこは沢山ありそうだな、はははっ!」
「ほっとけ!」
すっと俺の横を通りすぎ、ドアの鍵をかける。…あまり嬉しくないシチュエーションですね。
「結界も張ってるから二人で心置きなく話ができるぞ!」
何だろう、仲直りしてからやけにるんるん気分で親父っぽいことをしようとしてる感。悪くはないのだが今まであまり絡みがなかったことなので若干引いてしまう。だが、悩みがあるのは確かなのだ。
「あのさ、俺、なんか呪われてる?」
突拍子もない質問に親父はポカンとしている。
「だってさ、ここに来てから結緋さんの存在知ったり、小鬼と一緒に暮らしたり、今まで大人しかった沙織里の天使がでしゃばってきたり他にも…。」
事が起こりすぎてる、そう思った。それとは別にもうひとつ、不意に思い出し、口に出してしまった。
「…夢が。」
「夢?」
親父の顔付きが変わった気がした。
「なんか、最近よくみちゃって。昔の時の夢?かな…霞かかったみたいでよくわからないけど、確か、砂さ…。」
俺が言いかけると、目の前に親父が針を構えた右手を突きだして言った。
「それは夢だ、夢のまま、終わるのがいい。」
「親父…?」
さっきまでの雰囲気とは一変。俺の嫌いな親父が目の前にいた。嫌な汗をかく。俺が動けないでいると親父は額に針を刺そうと手を動かした。
その時、ババンッと凄まじい音をさせて扉が開いた。
「なんじゃ!結界なぞ張りよって!呼ばれたから来たというのに失礼な奴じゃな!こーしろう!」
「どうやらお楽しみ…ゲフンゲフン。お取り込み中のようですね、姫子様。」
そこには腕を組んで仁王立ちで立ってる結緋さんとその傍らにいつも通り口の悪い茨木がいた。
「ほぁー!秋緋ではないか!元気じゃったか?目はどうじゃ?制服もかっこいいのう!」
結緋さんは俺を見るやいなや駆け寄り、親父と俺の間に割って入り俺の両手をとってピョンピョン跳ねながら質問をしまくっている。その様子を見ている茨木からはいつものどす黒オーラがでている。
「あ…結緋ちゃん…今は。」
珍しい、親父が大人しい。真砂家の婿養子の弱いところなのかな?跳ねるのをやめて親父の方に振り返った結緋さんは、金色の綺麗な瞳を鋭くし、親父を睨み問う。
「今、秋緋にしようとしていたことはなんじゃ?私の許可がいる行為でないか?のう?」
また勝手になんかしようとしてたのか。言葉足らずは自分で自負してるだけになおらないんだな、ほんとに。
「で、でもですね…これはやっとかないと後々…うっ。申し訳ありません。」
眼光に負けたのか。ションボリして項垂れ、素直に謝る親父。持っていた針は消えていた。
「わかればよいのじゃ。それよりも!」
それよりも、だ。くるりとまた俺の方に振り返る結緋さん。
「さまぁきゃんぷとやらはいつからじゃ?秋緋もいるのじゃろう?楽しみじゃのう!」
さっきの表情とはうってかわって、満面の笑みでまたもピョンピョン跳ねる。結緋さんもいるってことか?
「おい親父、ちゃんと説明しろよ。」
「…はい。」
珍しく素直に悩み事を相談しようとした矢先にこれだ。やはり俺は呪われているのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる