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おに鬼ごっこ②
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タッタッタッタと、がんばって最小限の距離を走って茨木に目配せをして、ゴソゴソとスカートのポケットから紙切れを取り出して何かを唱えて赤くする。そして俺が近づいてきたところ見計らってふわっと。
「…神域の一部溶かすってどんなのろいかけてんだ結緋さんわぁぁああー!!」
叫び過ぎてさらに体力を減らしていく俺。
時間が経てば立つほど、まだ防呪ができていないまま妨害に触れてしまう可能性が高くなる。言うとおりにぶつかっていくくらいの勢いで防ぐ方に意識を持っていかないと…。
親父の血の力、全身を包む外側からの親父の霊力。
オリジナルでどうにかするっていうのは数十分では到底難しい。糸を出した時の様に偶然できるようになるんじゃ駄目。でもそんな詳しく仕組みを教えてもらってな―
もしかして、教えるの忘れてるんじゃ。
「ゆ、結緋さん…っ!防ぐって、どんな、し、くみ…」
息も絶え絶え。一応聞いてみる。
「…あ。」
やっぱりなぁーーー?
目の前のワクワクで忘れてたんでしょ?やっちゃったぁみたいな顔して。
「も、もんだいないぞ秋緋!おぬしならこう、ぱっぱー!とやれるはずじゃ!」
過度な期待はやめてくれっ!今まで霊力云々の勉強なんてしてない俺に感覚でやれっていうのは…まぁたまにできたりしちゃってるけど、せっかく先生方がいるなら少しくらい教えてほしいよ。
ぱっぱー!とね…ぱっぱー…パパ…。
仕組みともかく、これをヒントなんだと解釈しよう。
今一番近くで感じられるお手本の、守るための力、親父がやってくれてる防呪の力。参考にするには、十分なはず!
妨害が当たっても大丈夫なように、まずは体全体に親父の血の力を回す。ただがむしゃらにやっても溢れ出るだけだからそうならないように体の輪郭に沿って膜を張る感じで…どうだ?全体がじんわり温かいものに包まれてる感じがしてきたぞ…よし、いったんこれで試してみよう。
「おい茨木!ちょっと弱めに、一撃打ち込んでくれ!」
「はぁ。弱め、ですか?こうですか…ねっ!」
緑色の炎、確かに今までより細めではあるがなんか濃縮されてる気がしてならない。弱めっていう言葉は茨木の辞書にないのかもな。
向かってきた炎を左腕で払いのける動作をする。チリッとわずかに熱さを感じたが、腕は問題ない。当たった感じは弱かったけども…はじかれた炎がちょっと先で大爆発を起こしたことは目を瞑ってやろう、成功はしている。
「っしゃ!これならいける…!」
「ほぉ…早かったな。なかなかやるじゃないの。」
「そうですね。手加減もいらなくなりそうです…チッ。」
しっかり舌打ち聞こえてるからな。お前は手加減なんてしてないだろうが。
その様子をみた結緋さんはキラキラした目で俺を見つめている。
「すごいぞ秋緋ー!あっという間に強くなっていくのう!嬉しいのう!」
先生としては正直だめだけど、お姉ちゃんに褒められて悪い気はしない。でも、これだけじゃ『おに鬼ごっこ』は終わらない。夜兄から東雲を解放しなきゃならない。それに、今防げたのは茨木の炎だけだ。雷神の雷と、結緋さんの妨害もちゃんと防ぐことができるはまだわからない。
ピッシャアーーン!バリバリバリバリ!
…誰か俺にあの雷に当たりに行く勇気を下さい。
よし、結緋さんの対処しよう。別に雷が怖いからってわけじゃないぞ、足元がこれ以上悪くなるのは困るからだ。走ろうにも走れないし、無駄にジャンプばかりしてたら霊力どうこうじゃなくなるからな!さて、どうするかなんだが…ちょっとひどいことしようと思う…うまくいけば…。
「ゆ、い、ひ、さぁぁぁーーーん!!」
「ふぇっ?!え?」
「姫子様っ!!」
結緋さんの方へ向かって全速力!突然進行方向を変えた俺に、結緋さんも茨木も妨害の手を止めざるを得ない、これを狙っていたわけだけどな。
ひょいっと結緋さんを抱き上げる。
「え、な、なにをするのじゃあき―…キャッ?!」
「なんてことをっ!!姫子様ーーーーっ!!!!」
ちょっと大きめの穴に結緋さんを、落とす。ひどすぎるって?大丈夫、絶対死んだりしないから。だって―
「…タダで済むと思うなよ…姫子様!!!」
追いかけるように茨木も穴の中へ。
茨木が命懸けで結緋さんを助けてくれることはわかっていたからな…まぁほんと後が怖いけど。
「おや、秋緋はなかなか大胆なことをするんだね。」
遠くで見ていた夜兄も驚いて立ち上がってる。
『秋くん。さすがの俺でもこんなことやらへんで?ほんまに人間なん?』
…良心が痛んでいないわけじゃないよ。勇気がいったよ。でも、茨木のことも結緋さんのことも信じてるし…でも東雲にそんな風に言われると…やっぱやりすぎたかなと…反省。
「なんだぁ、小僧はオレと一対一の勝負がしたかったのか!」
必死だったとはいえ、自分のしたことに後悔中の俺の様子など気にすることなく、ニヤニヤと笑みを浮かべた雷神が背後に。さっきまで距離があったからいいと思っていたが、油断した。
「んなわけないだろ。俺が動きやすくなるようにしただけだ。んなことより、お前の雷だってもう怖くなんかないぜ?」
実際は当たってないのでわからない、はったりだけど煽り文句としては上出来だろ?結果どうなったかというと、
「そうかそうか、なればこれはどうだ?」
どこから出したのか、ジャラジャラと音を鳴らして錫杖を振るう雷神。すると、俺の頭上に黒い雲が作られていく。
「これは…!」
「もう、慣れたものだろう?灯慈の分も力を込めた特別製だ、しっかり気を引き締めねぇと、きちぃぞ?」
自分の首を絞めた形になったわ。
俺専用の雨雲。しょっちゅういたずらに使われた雷神お得意のやつだ。さっきまでの雷は着地点を避ければなんとかなった、けど、この雨雲はそうはいかない。着地点は固定、俺だ。ぴったりと張り付いて、延々に降り続ける。
「オレはこれで追いかけるのをやめてやる。せいぜい励み、おいかけるんだなぁ!」
それはそれはお優しいことだ…口だけだがな。状況としてはさっきより悪くなりやがった。追いかけるのをやめる、だと?『追いかける必要がなくなった』が正しいんだろ!
「さて…」
俺の頭上の雨雲からポツポツと水滴が落ち始める。普通の透明な雨だ。体に触れるが変化はなく、問題なく俺の防呪は機能できているようで、そこは安心した。が、小雨ならともかく、土砂降りになったら…。頭上の雨雲を見つめて考える。顔に当たる雨は俺の体を濡らすことなく滑り落ちていく。
まとわりついて通り抜けていく呪いの力を弾く感覚。力の消費が大きいのを感じた。
「…あと10分ってところだな。」
この雨にどんな呪いがかかってるのかわからない。けど、早急に夜兄を相手にしないとヤバそうだってことは理解できた。
「…神域の一部溶かすってどんなのろいかけてんだ結緋さんわぁぁああー!!」
叫び過ぎてさらに体力を減らしていく俺。
時間が経てば立つほど、まだ防呪ができていないまま妨害に触れてしまう可能性が高くなる。言うとおりにぶつかっていくくらいの勢いで防ぐ方に意識を持っていかないと…。
親父の血の力、全身を包む外側からの親父の霊力。
オリジナルでどうにかするっていうのは数十分では到底難しい。糸を出した時の様に偶然できるようになるんじゃ駄目。でもそんな詳しく仕組みを教えてもらってな―
もしかして、教えるの忘れてるんじゃ。
「ゆ、結緋さん…っ!防ぐって、どんな、し、くみ…」
息も絶え絶え。一応聞いてみる。
「…あ。」
やっぱりなぁーーー?
目の前のワクワクで忘れてたんでしょ?やっちゃったぁみたいな顔して。
「も、もんだいないぞ秋緋!おぬしならこう、ぱっぱー!とやれるはずじゃ!」
過度な期待はやめてくれっ!今まで霊力云々の勉強なんてしてない俺に感覚でやれっていうのは…まぁたまにできたりしちゃってるけど、せっかく先生方がいるなら少しくらい教えてほしいよ。
ぱっぱー!とね…ぱっぱー…パパ…。
仕組みともかく、これをヒントなんだと解釈しよう。
今一番近くで感じられるお手本の、守るための力、親父がやってくれてる防呪の力。参考にするには、十分なはず!
妨害が当たっても大丈夫なように、まずは体全体に親父の血の力を回す。ただがむしゃらにやっても溢れ出るだけだからそうならないように体の輪郭に沿って膜を張る感じで…どうだ?全体がじんわり温かいものに包まれてる感じがしてきたぞ…よし、いったんこれで試してみよう。
「おい茨木!ちょっと弱めに、一撃打ち込んでくれ!」
「はぁ。弱め、ですか?こうですか…ねっ!」
緑色の炎、確かに今までより細めではあるがなんか濃縮されてる気がしてならない。弱めっていう言葉は茨木の辞書にないのかもな。
向かってきた炎を左腕で払いのける動作をする。チリッとわずかに熱さを感じたが、腕は問題ない。当たった感じは弱かったけども…はじかれた炎がちょっと先で大爆発を起こしたことは目を瞑ってやろう、成功はしている。
「っしゃ!これならいける…!」
「ほぉ…早かったな。なかなかやるじゃないの。」
「そうですね。手加減もいらなくなりそうです…チッ。」
しっかり舌打ち聞こえてるからな。お前は手加減なんてしてないだろうが。
その様子をみた結緋さんはキラキラした目で俺を見つめている。
「すごいぞ秋緋ー!あっという間に強くなっていくのう!嬉しいのう!」
先生としては正直だめだけど、お姉ちゃんに褒められて悪い気はしない。でも、これだけじゃ『おに鬼ごっこ』は終わらない。夜兄から東雲を解放しなきゃならない。それに、今防げたのは茨木の炎だけだ。雷神の雷と、結緋さんの妨害もちゃんと防ぐことができるはまだわからない。
ピッシャアーーン!バリバリバリバリ!
…誰か俺にあの雷に当たりに行く勇気を下さい。
よし、結緋さんの対処しよう。別に雷が怖いからってわけじゃないぞ、足元がこれ以上悪くなるのは困るからだ。走ろうにも走れないし、無駄にジャンプばかりしてたら霊力どうこうじゃなくなるからな!さて、どうするかなんだが…ちょっとひどいことしようと思う…うまくいけば…。
「ゆ、い、ひ、さぁぁぁーーーん!!」
「ふぇっ?!え?」
「姫子様っ!!」
結緋さんの方へ向かって全速力!突然進行方向を変えた俺に、結緋さんも茨木も妨害の手を止めざるを得ない、これを狙っていたわけだけどな。
ひょいっと結緋さんを抱き上げる。
「え、な、なにをするのじゃあき―…キャッ?!」
「なんてことをっ!!姫子様ーーーーっ!!!!」
ちょっと大きめの穴に結緋さんを、落とす。ひどすぎるって?大丈夫、絶対死んだりしないから。だって―
「…タダで済むと思うなよ…姫子様!!!」
追いかけるように茨木も穴の中へ。
茨木が命懸けで結緋さんを助けてくれることはわかっていたからな…まぁほんと後が怖いけど。
「おや、秋緋はなかなか大胆なことをするんだね。」
遠くで見ていた夜兄も驚いて立ち上がってる。
『秋くん。さすがの俺でもこんなことやらへんで?ほんまに人間なん?』
…良心が痛んでいないわけじゃないよ。勇気がいったよ。でも、茨木のことも結緋さんのことも信じてるし…でも東雲にそんな風に言われると…やっぱやりすぎたかなと…反省。
「なんだぁ、小僧はオレと一対一の勝負がしたかったのか!」
必死だったとはいえ、自分のしたことに後悔中の俺の様子など気にすることなく、ニヤニヤと笑みを浮かべた雷神が背後に。さっきまで距離があったからいいと思っていたが、油断した。
「んなわけないだろ。俺が動きやすくなるようにしただけだ。んなことより、お前の雷だってもう怖くなんかないぜ?」
実際は当たってないのでわからない、はったりだけど煽り文句としては上出来だろ?結果どうなったかというと、
「そうかそうか、なればこれはどうだ?」
どこから出したのか、ジャラジャラと音を鳴らして錫杖を振るう雷神。すると、俺の頭上に黒い雲が作られていく。
「これは…!」
「もう、慣れたものだろう?灯慈の分も力を込めた特別製だ、しっかり気を引き締めねぇと、きちぃぞ?」
自分の首を絞めた形になったわ。
俺専用の雨雲。しょっちゅういたずらに使われた雷神お得意のやつだ。さっきまでの雷は着地点を避ければなんとかなった、けど、この雨雲はそうはいかない。着地点は固定、俺だ。ぴったりと張り付いて、延々に降り続ける。
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それはそれはお優しいことだ…口だけだがな。状況としてはさっきより悪くなりやがった。追いかけるのをやめる、だと?『追いかける必要がなくなった』が正しいんだろ!
「さて…」
俺の頭上の雨雲からポツポツと水滴が落ち始める。普通の透明な雨だ。体に触れるが変化はなく、問題なく俺の防呪は機能できているようで、そこは安心した。が、小雨ならともかく、土砂降りになったら…。頭上の雨雲を見つめて考える。顔に当たる雨は俺の体を濡らすことなく滑り落ちていく。
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