どうしてそんなに勇者なの?!

ぽぬん

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衝動→

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何でもできて、何でもしてもらえる世界で生きてきた僕だけど、こうやって自分の気持ちのまま動いてるのは初めてで、とても楽しい。

人の世界は眩しくて、新鮮で、でも人の気持ちは複雑で難しいけど。

「まだ…手繋ぐの?」

「だめ?」

「うっ、そんな顔すんなって!ダメじゃないから…むぅ。」

まだ、好きは貰えないけど、少しずつだもんね。

「いっててて…こんなところで転ぶとは情けない…。」

「血…出てる。っ…。」

「わっ…いっ、や…?!くすぐった…ははっ!」

擦り剥いた膝にできた傷口をそっと舐めてあげる。

普段なら魔法で治すけど、小さい傷なら舐めときゃ治るってリロスが教えてくれたから。

「ひゃんとれきてる?」

「んっ…あ、だ、大丈夫だ。も、もういいよ!痛くない!さんきゅーな!」

なんでそんなに真っ赤になってるんだろう?

「ほら、行くぞ?」

リロスから手を出して、しっかりと握ってくれた。

「…かわいい。」

「ん?なんか言ったか?」

一緒に過ごしていくにつれて、少しずつがわからなくなってくる。

まだ僕の気持ちは伝わらないのかなってズキズキってすることが増えて、もっと触れたいけどどうしたらいいかわからなくて。

ちゃんと好きを伝えたあの夜もいっぱい考えて、我慢してたけど…。

「リロスと一緒にいたいから?」

「何だよそれ…ぼーっとしてるやつだと思ってたけど自分の立場もぼーっとしてんじゃねぇよ!魔王なら魔王らしくしろよ!」

「僕が魔王らしくしたら、リロスは僕のこと好きになる?」

また、ぱぁー!って世界が輝いた。

リロスは僕の事ちゃんとわかっててくれて、魔王でもいいんだって言ってくれた。

それなら、好きを貰えるようしていい?

触れていい?自分の思うままにできる?

抑えていた感情が溢れてきて止まらない。

「やっ…そうじゃな、ひぅっ!」

「真っ赤…かわいい。」

いつもと違うリロスの反応、ちょっと泣きそうになってるその顔もなんだかゾクゾクしちゃって、もっともっと見せてほしい、させたいって。

もう止まらないけど、いいよね?

「まてって…レイ…話聞けって!」

「ちゃんと聞いてるよ?かわいい声。」

「…っ!あんまり意地悪すんなって…の。だから…!」

いじわる…?倒されたのが不満…?変なリロス…こんなにくっついてくれてるのに。

あっ、照れてるんだ。

照れるってことは嬉しいってことだよね?

そう、リロスは勇者だから。勇者は魔王が好きなんだって言ってたし。

リロスの気持ちに応えられて僕も嬉しいし、この衝動を抑える必要もないなら…このまま。
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