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第1話
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はっ、はっ、はっ……。
切り立った岩壁に挟まれた、ぐねぐねと曲がりくねった狭い道を駆ける。
楔でも打ち込めば壁を登れるんだろうけど、背後から悠然と追ってくる蹄の音がそれを許してくれない。立ち止まれば死だ。
「くそっ、まさかはぐれがいるとはね」
毒づいたところで事態は好転しないんだけど、言わずにはいられない。
簡単な仕事のはずだった。地下5階の草原エリアで群れを成す刺突牛を避け、目的の斑目茸を数本いただくだけの。
しかし、まさかはぐれがいるなんて。
気づいた時にはロックオンされていた。この横道に逃げ込めたのは運がよかったんだろう。
……いや、そうかなあ。記憶している地図が正しければこの先は────。
「はい、行き止まりっ!」
突き当りにはいくつかの情報が待っていた。
まずは、行き止まりということ。
突き当りの壁は天井の陽光石の光を受けてキラキラ輝いている。なんらかの鉱脈の一部かもしれないけれど、それを調べている時間はないな。
そして、その輝きを台無しにするように、一部が赤黒いものでベッタリと濡れているということ。
地面に放置された遺体がひとつ。蛆がわいているその死体は頑丈そうな鎧を身に着けていたけれど、胸の部分にポッカリと大きな二つの穴が開いている。やれやれ、先客がいたとはね。
蹄の音が近づいてくる。ノンビリはしていられないな。
「先輩、申し訳ないけれど装備を借りますよっと」
落ちている長槍を手に取る。蛆と汚物にまみれていて錆が浮いているけど……うん、大丈夫そうだ。
あとは……博打だな。
振り返ると追跡者が姿を現した。
刺突牛。
体高2mはある大型の牛のような生物。
肥大した頭部からは、対象を突き殺すためだけに発達したとしか思えない、鋭い真っ直ぐな角が2本突き出している。その頭蓋骨は硬く、分厚く、生半可な武器ではヒビひとつ入れられない。
前足の付け根の筋肉は異様に盛り上がり、また分厚い皮膚と体毛に覆われていて刃物が通らない。
要するに……正面からこいつとやり合うのは愚策ってことだ。まるで壁だもの。
先輩は僕同様ここに逃げ込んで、そして正面からやり合ったんだろう。
……だから死んだんだよ、先輩。
「まあ、仇は討ちますよ」
借りた長槍を構えて相手の出方を窺う。
刺突牛の突撃には癖がある。猫が獲物に突撃する前、お尻をふりふりするのと一緒だ。
まず、前足で地面を掻く。
ガッ、ガッ、ガッ。
あんな風に。ここは地面も岩だから掘れていないけど。
次に姿勢を低くして、後ろ足で地面を掻いたら……来るっ!
放たれた矢のように刺突牛が突っ込んでくる。
僕は長槍を肩に担ぐと……踵を返して行き止まりへと駆け出す!
背後の轟音のような足音が一気に迫ってくる! うひいっ、怖ええっ!
必死に走り、行き止まりの手前、地面の窪みに長槍を突き立ててそのまま跳ぶ。そう、棒高跳びのように。
もちろん、長槍はあそこまで曲がらない。曲がったら困る。だけど少しは高さを稼げる。
そして迫る行き止まりの壁を蹴って、さらに跳ぶ! すぐ下を、長槍をへし折りながら刺突牛が通りすぎて壁に激突した。
形容し難い音を立てて、刺突牛の角が根本近くまで壁に突き刺さる。鉄の鎧すら貫通する威力だ、混ざりものが多い鉱石は敵ではないか。
「ゲホッ!?」
途端に鼻を衝く腐敗臭。こいつ、先輩の死体を踏みやがったな。
息を止め、空中で腰の魔法鞄に手を突っ込み、鶴嘴と斑目茸を取り出す。
魔法鞄はダンジョンで稀に見つかる貴重な魔法の道具だ。見た目はウエストポーチや手提げ鞄なのだが、大量に物が入るという、探索者なら誰もが欲しがる垂涎の魔法の道具だ。
探索者になって割とすぐに魔法鞄を入手できた僕は相当に幸運だったわけ。
(やっかみも凄かったけれど……)
っと、昔を思い出してる場合じゃない。
角を抜こうともがく刺突牛の背中に着地。暴れだす前に斑目茸をやつの顔のあたりに投げ込む。
刺突牛の動きが一瞬、止まる。好物の斑目茸が目の前に落ちてきたんだ、角を抜くことより茸の方に意識が向くんだ、こいつは。
そのチャンスを逃さずに、鶴嘴を高々と振り上げて……思いっきり振り下ろす。肋骨の後ろから尖端を胸部に通すように。
刺突牛は筋肉の塊みたいな動物だ。上半身は先に説明した通りだし、爆発的な突撃を可能にするために下半身の筋肉も凄い。
だけど、脇腹は意外と柔らかいのだ。現に鶴嘴は易々と皮膚と筋肉を貫き、やつの重要器官────肺か心臓か────にまで達した。
ヴォオオオオオオーーッ!
刺突牛が咆哮する。
暴れだす前に奴の背から飛び下り、全力で走る! 鶴嘴を回収している暇はない。
角を引き抜いた奴が、最後の力を振り絞って突撃してくる可能性。大。
悲鳴を聞いた他の刺突牛が駆けつけてくる可能性。中。
早々にここから逃げ出さないと詰んでしまう。
……え? じゃあ、なんですぐに逃げなかったのかって?
そうしないと、ノーダメージな刺突牛があっさりと角を抜いて、背後から串刺しにされるからだよ。
可能性どころじゃないんだ。コーラを飲んだらゲップが出るくらいに確実なんだ。
だから博打って言ったんだよ。
って、背後から蹄の音! 追ってきた!
目の前に緩やかなカーブ。速度そのままに一気に駆け抜ける。背後で重い衝突音がした。
後ろは振り返らない。蹄の音が途切れても止まらない。確認は生き延びてから。
そのまま狭い横道を飛び出し、風向きを読み、近くの岩陰に身を潜めてようやく一息ついた。
心臓がバクバク言ってる。肺が痛い。今になって膝が震えてきた。
ああ……生きてる。
生を実感し、しばらくそこから動けなかった。
「……あー、探索者カード、回収できなかったな」
先輩には悪いことをした。
◆ ◆ ◆
「あっはっはっはっ! そりゃ災難だったねえ」
「笑い事じゃないぞ、まったく」
馴染みの道具屋が大笑いする。店内に他の客がいるのにお構いなしだ。
彼女の名は白風小梅。歳に言及はしないが、僕と同年代のはずだ。元探索者で僕の同期生。
意外と気が合ったので、最初のころはボクと一緒に同期の仲間とパーティーを組んでいたが、怪我がもとで引退を余儀なくされた。だけど探索者の役に立ちたいからと、ここ地下3階の拠点で道具屋を営むに至る。
先の笑い声でわかると思うけれど、姉御肌で豪快なやつだ。探索者の頃は探索の邪魔だからと髪を短くしていたけれど、今は結構伸ばしていて、気分で髪形を変えているようだ。
(そういうところは女性だな、って思うんだがな)
「春都、なにか失礼なことを考えていないか?」
「さて、なんのことやら」
ああ、春都ってのは僕の名前だ。咲山春都。27歳独身の中堅探索者だ。
さて、疑わしい目を向けてくる小梅の追及をかわすため、あらかじめ魔法鞄から取り出しておいた依頼の品────斑目茸を袋から出して小梅の前に並べる。全部で12個。刺突牛から逃げるために1個失ったけれど、依頼分は十分に揃っている。
どうして魔法鞄からあらかじめ出しておいたかといえば、魔法鞄があれば万引きし放題だからだ。それに魔法鞄は最初に物を出し入れした人物を認識し、その人物じゃないと物の出し入れができない。だから荷物検査も難しい。
そのため、地上の拠点やここ地下3階の拠点に入る前には魔法鞄には封印が施される。拠点内でその封印を破れば、故意だろうが事故だろうが厳罰が待っている。持ち歩きには注意が必要だ。
ちなみに、そういう機能であるため、魔法鞄の中古に価値はない。
小梅は一つひとつ手に取り、斑目茸の鮮度を確かめる。
「さすが春都、傘が開ききっていない物ばかり採ってきてくれたね。これなら依頼人も喜ぶよ」
「そりゃどうも。……あんまり探索者ギルドを通さない依頼は控えろよ。睨まれたらたまらない」
「なにそれ。別にやましい仕事はしてないよ?」
ダンジョンの探索は探索者ギルドの管轄だ。なのでダンジョン絡みの仕事は基本、探索者ギルドを通じて依頼を出すことになっている。
個人依頼が禁止されているわけじゃないんだけど、それが普通になるとギルドの仕事に影響するんじゃないかって、最近の探索者ギルドは警戒しているんだ。放置しておくと、裏でどんな仕事が依頼されるかわからないしね。
他の客に聞こえないよう、声を潜める。
「やましくないなら抜け道なんか作るな」
「あ、あれは……強盗とか来た時の逃走路だしい?」
明後日の方を見て音のしない口笛を吹く小梅。この野郎め。
地下3階の拠点は敵の襲撃に備えて高い壁に囲まれている。入るには二つしかない門を通るしかないのに、こいつは抜け道を用意してやがるのだ。
ヤバい仕事してなきゃいいが。
「春都、あんた、いつから地上に戻ってない?」
「なんだよ、藪から棒に。……あー、1年は戻ってないな」
「1年も? じゃあ、たまには地上に空気を吸ってきたら?」
「で、なにをさせるつもりだ?」
「やだなあ、ついでに地上の錬金術研に届け物を頼みたいだけ」
「ついでじゃねえだろうがっ」
「頼むよ。チーズタルト奢るからさ」
「苺ソースのだぞ!」
切り立った岩壁に挟まれた、ぐねぐねと曲がりくねった狭い道を駆ける。
楔でも打ち込めば壁を登れるんだろうけど、背後から悠然と追ってくる蹄の音がそれを許してくれない。立ち止まれば死だ。
「くそっ、まさかはぐれがいるとはね」
毒づいたところで事態は好転しないんだけど、言わずにはいられない。
簡単な仕事のはずだった。地下5階の草原エリアで群れを成す刺突牛を避け、目的の斑目茸を数本いただくだけの。
しかし、まさかはぐれがいるなんて。
気づいた時にはロックオンされていた。この横道に逃げ込めたのは運がよかったんだろう。
……いや、そうかなあ。記憶している地図が正しければこの先は────。
「はい、行き止まりっ!」
突き当りにはいくつかの情報が待っていた。
まずは、行き止まりということ。
突き当りの壁は天井の陽光石の光を受けてキラキラ輝いている。なんらかの鉱脈の一部かもしれないけれど、それを調べている時間はないな。
そして、その輝きを台無しにするように、一部が赤黒いものでベッタリと濡れているということ。
地面に放置された遺体がひとつ。蛆がわいているその死体は頑丈そうな鎧を身に着けていたけれど、胸の部分にポッカリと大きな二つの穴が開いている。やれやれ、先客がいたとはね。
蹄の音が近づいてくる。ノンビリはしていられないな。
「先輩、申し訳ないけれど装備を借りますよっと」
落ちている長槍を手に取る。蛆と汚物にまみれていて錆が浮いているけど……うん、大丈夫そうだ。
あとは……博打だな。
振り返ると追跡者が姿を現した。
刺突牛。
体高2mはある大型の牛のような生物。
肥大した頭部からは、対象を突き殺すためだけに発達したとしか思えない、鋭い真っ直ぐな角が2本突き出している。その頭蓋骨は硬く、分厚く、生半可な武器ではヒビひとつ入れられない。
前足の付け根の筋肉は異様に盛り上がり、また分厚い皮膚と体毛に覆われていて刃物が通らない。
要するに……正面からこいつとやり合うのは愚策ってことだ。まるで壁だもの。
先輩は僕同様ここに逃げ込んで、そして正面からやり合ったんだろう。
……だから死んだんだよ、先輩。
「まあ、仇は討ちますよ」
借りた長槍を構えて相手の出方を窺う。
刺突牛の突撃には癖がある。猫が獲物に突撃する前、お尻をふりふりするのと一緒だ。
まず、前足で地面を掻く。
ガッ、ガッ、ガッ。
あんな風に。ここは地面も岩だから掘れていないけど。
次に姿勢を低くして、後ろ足で地面を掻いたら……来るっ!
放たれた矢のように刺突牛が突っ込んでくる。
僕は長槍を肩に担ぐと……踵を返して行き止まりへと駆け出す!
背後の轟音のような足音が一気に迫ってくる! うひいっ、怖ええっ!
必死に走り、行き止まりの手前、地面の窪みに長槍を突き立ててそのまま跳ぶ。そう、棒高跳びのように。
もちろん、長槍はあそこまで曲がらない。曲がったら困る。だけど少しは高さを稼げる。
そして迫る行き止まりの壁を蹴って、さらに跳ぶ! すぐ下を、長槍をへし折りながら刺突牛が通りすぎて壁に激突した。
形容し難い音を立てて、刺突牛の角が根本近くまで壁に突き刺さる。鉄の鎧すら貫通する威力だ、混ざりものが多い鉱石は敵ではないか。
「ゲホッ!?」
途端に鼻を衝く腐敗臭。こいつ、先輩の死体を踏みやがったな。
息を止め、空中で腰の魔法鞄に手を突っ込み、鶴嘴と斑目茸を取り出す。
魔法鞄はダンジョンで稀に見つかる貴重な魔法の道具だ。見た目はウエストポーチや手提げ鞄なのだが、大量に物が入るという、探索者なら誰もが欲しがる垂涎の魔法の道具だ。
探索者になって割とすぐに魔法鞄を入手できた僕は相当に幸運だったわけ。
(やっかみも凄かったけれど……)
っと、昔を思い出してる場合じゃない。
角を抜こうともがく刺突牛の背中に着地。暴れだす前に斑目茸をやつの顔のあたりに投げ込む。
刺突牛の動きが一瞬、止まる。好物の斑目茸が目の前に落ちてきたんだ、角を抜くことより茸の方に意識が向くんだ、こいつは。
そのチャンスを逃さずに、鶴嘴を高々と振り上げて……思いっきり振り下ろす。肋骨の後ろから尖端を胸部に通すように。
刺突牛は筋肉の塊みたいな動物だ。上半身は先に説明した通りだし、爆発的な突撃を可能にするために下半身の筋肉も凄い。
だけど、脇腹は意外と柔らかいのだ。現に鶴嘴は易々と皮膚と筋肉を貫き、やつの重要器官────肺か心臓か────にまで達した。
ヴォオオオオオオーーッ!
刺突牛が咆哮する。
暴れだす前に奴の背から飛び下り、全力で走る! 鶴嘴を回収している暇はない。
角を引き抜いた奴が、最後の力を振り絞って突撃してくる可能性。大。
悲鳴を聞いた他の刺突牛が駆けつけてくる可能性。中。
早々にここから逃げ出さないと詰んでしまう。
……え? じゃあ、なんですぐに逃げなかったのかって?
そうしないと、ノーダメージな刺突牛があっさりと角を抜いて、背後から串刺しにされるからだよ。
可能性どころじゃないんだ。コーラを飲んだらゲップが出るくらいに確実なんだ。
だから博打って言ったんだよ。
って、背後から蹄の音! 追ってきた!
目の前に緩やかなカーブ。速度そのままに一気に駆け抜ける。背後で重い衝突音がした。
後ろは振り返らない。蹄の音が途切れても止まらない。確認は生き延びてから。
そのまま狭い横道を飛び出し、風向きを読み、近くの岩陰に身を潜めてようやく一息ついた。
心臓がバクバク言ってる。肺が痛い。今になって膝が震えてきた。
ああ……生きてる。
生を実感し、しばらくそこから動けなかった。
「……あー、探索者カード、回収できなかったな」
先輩には悪いことをした。
◆ ◆ ◆
「あっはっはっはっ! そりゃ災難だったねえ」
「笑い事じゃないぞ、まったく」
馴染みの道具屋が大笑いする。店内に他の客がいるのにお構いなしだ。
彼女の名は白風小梅。歳に言及はしないが、僕と同年代のはずだ。元探索者で僕の同期生。
意外と気が合ったので、最初のころはボクと一緒に同期の仲間とパーティーを組んでいたが、怪我がもとで引退を余儀なくされた。だけど探索者の役に立ちたいからと、ここ地下3階の拠点で道具屋を営むに至る。
先の笑い声でわかると思うけれど、姉御肌で豪快なやつだ。探索者の頃は探索の邪魔だからと髪を短くしていたけれど、今は結構伸ばしていて、気分で髪形を変えているようだ。
(そういうところは女性だな、って思うんだがな)
「春都、なにか失礼なことを考えていないか?」
「さて、なんのことやら」
ああ、春都ってのは僕の名前だ。咲山春都。27歳独身の中堅探索者だ。
さて、疑わしい目を向けてくる小梅の追及をかわすため、あらかじめ魔法鞄から取り出しておいた依頼の品────斑目茸を袋から出して小梅の前に並べる。全部で12個。刺突牛から逃げるために1個失ったけれど、依頼分は十分に揃っている。
どうして魔法鞄からあらかじめ出しておいたかといえば、魔法鞄があれば万引きし放題だからだ。それに魔法鞄は最初に物を出し入れした人物を認識し、その人物じゃないと物の出し入れができない。だから荷物検査も難しい。
そのため、地上の拠点やここ地下3階の拠点に入る前には魔法鞄には封印が施される。拠点内でその封印を破れば、故意だろうが事故だろうが厳罰が待っている。持ち歩きには注意が必要だ。
ちなみに、そういう機能であるため、魔法鞄の中古に価値はない。
小梅は一つひとつ手に取り、斑目茸の鮮度を確かめる。
「さすが春都、傘が開ききっていない物ばかり採ってきてくれたね。これなら依頼人も喜ぶよ」
「そりゃどうも。……あんまり探索者ギルドを通さない依頼は控えろよ。睨まれたらたまらない」
「なにそれ。別にやましい仕事はしてないよ?」
ダンジョンの探索は探索者ギルドの管轄だ。なのでダンジョン絡みの仕事は基本、探索者ギルドを通じて依頼を出すことになっている。
個人依頼が禁止されているわけじゃないんだけど、それが普通になるとギルドの仕事に影響するんじゃないかって、最近の探索者ギルドは警戒しているんだ。放置しておくと、裏でどんな仕事が依頼されるかわからないしね。
他の客に聞こえないよう、声を潜める。
「やましくないなら抜け道なんか作るな」
「あ、あれは……強盗とか来た時の逃走路だしい?」
明後日の方を見て音のしない口笛を吹く小梅。この野郎め。
地下3階の拠点は敵の襲撃に備えて高い壁に囲まれている。入るには二つしかない門を通るしかないのに、こいつは抜け道を用意してやがるのだ。
ヤバい仕事してなきゃいいが。
「春都、あんた、いつから地上に戻ってない?」
「なんだよ、藪から棒に。……あー、1年は戻ってないな」
「1年も? じゃあ、たまには地上に空気を吸ってきたら?」
「で、なにをさせるつもりだ?」
「やだなあ、ついでに地上の錬金術研に届け物を頼みたいだけ」
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注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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