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1,Rising

「英雄」と「探索者」

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この世界の現実を知ってからだいぶ経った
今や中学生3年生だ
文化祭体育祭どちらも派手な能力の人が目立ち、僕はずっと裏方で力仕事
それでも皆の力になりたかったから手助けしているうちに着いたあだ名は雑用係ハンディーマンだった

この世界には職業が多々ある
消防士やら警察官といったものから
今や子供たちの夢の1位2位を争う
英雄ヒーロー」と「探索者ウォーカー」といった能力が大きく左右するものがある

英雄ヒーローの方は言わずものがな
強い能力や危険な能力があればそれを使おうとする悪人もいる
そんなやつらが引き起こす事件や事故を解決する…それが英雄ヒーロー

そしてもう1つ探索者ウォーカー
これは未開拓の土地の開拓や公には認められていない街への訪問などを仕事とする
この世界の7割はまだ自然のままらしく、危険な場所なんだ

どちらの仕事も能力の強さ、万能さが必要とされる仕事だ
とてもじゃないけど僕みたいな能力じゃね…

「…けど鍛えればいつか…」

身体強化の能力だ
鍛えればより強くなれると信じてトレーニングはしてる

けれど

「ボソボソうるせぇぞルキィ!」
「ひぃ!?ごめんログ!」
「まーたボコボコにされたいのか?あん?」
「じゅ、授業始まるし…ね?」
「ちっ…」

それでも周りとの差は埋まらなかった
トレーニングだって申し訳程度のものだし
そもそもスタート地点が違うんだ
それにゴールが同じとは限らない
追いつくことなんて出来ないかもしれない

いかんいかん!弱気になるな!ルキ!
まだわからないだろう!?

心が折れないよう自分に言い聞かせ、授業が始まった











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