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1章
ギルド内にて
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「ゾンビか…装備持ちで大量となると厄介だな。」
「ああ。遠距離攻撃出来るヤツらを集めたいな。」
「異世界の装備ってのが気になるよな…」
周りで色々な冒険者がこの依頼について話している
ゾンビの大量発生について気になっているのか異世界の装備に気になっているのかはわからないけども
俺だってこのゾンビ達には興味があるし、やらせてもらおう
「すみません、俺受けてもいいですか?」
「おいアンタ。」
後ろから声をかけられる
振り返るとそこには俺より頭一つ分大きい肌黒いスキンヘッドの男が立っていた
「見ない顔だな。名は?」
「イッセイです。」
「オーケー、イッセイ。俺はイブンだ。あと敬語はいらん。ここじゃ年の差関係なくやるってのがきまりだからな。」
この男、イブンが話し始めるとギルドの中が一気に鎮まった
どうやら一目置かれてる存在らしい
「それでだイッセイ。お前ランクは?」
「銅だ。今冒険者になった。」
「…イッセイ。悪いことは言わん、今回はやめておけ。」
「けど俺にも…」
「どんな理由があろうともだ。かけだしでやるレベルのものじゃない。」
「もういいよイブン。」
声の方を見ると一人の男が立っていた
イブンと同じくらいの背で青髪の見るからにウザそうな男だった
「プラノ…」
「こいつの心配をする必要なんてないさ。どうせ森に着く前にブルっちまうよ。」
「いやだがしっかりと説明を…」
「君も君さ。時間が無駄なんだ、早く諦めてくれよ。戦いの邪魔にもなりそうだしさ。それに君、ゾンビなんて見たらチビっちゃうぜ?」
あ、こいつダメだわ
この世界の嫌いな奴現時点でトップだわ
畳み掛けるかのようにプラノがニタっとした笑みで言う
「それにこいつ、゛職無し゛らしいぜ?」
その発言の瞬間、ギルド内が一気に騒がしくなった
「゛職無し゛だって!?」
「まじかよ…そんなやついたら…」
「邪魔にしかならないじゃんか!」
やはり゛職無し゛は軽蔑の対象みたいだな
この世界では天から与えられた職が全てを決める
そうなるのも当然か
さて…この状況どうしたもんかな…
イッセイがそう思っていると奥から駆け出してくる女性がひとりいた
「静かにしてくださーい!」
受付嬢、彼女のその一言でギルド内は鎮まった
「ミライさん…」
「ミライ…」
受付嬢…ミライって言うのか
そういや名前も聞いてなかったか
ミライは深呼吸してから大きな声で言った
「その人…イッセイさんはそこらの駆け出しの人とは何かが違う…何かが大きく違うんです!」
「…」
俺をそんな風に言ってくれるなんて…
神は平等というがまさにこの人が神だと思う
「だ、だがこいつがゾンビにでもなったりしたらこっちの面倒が増えるんだ!そんなのごめんだね!」
イブンが必死そうに言い返す
状況が状況だが少しスカッとする
「彼のことは私が保証しよう。」
今度はギルドの奥からカツカツと響く音がする
この音…下駄か?
「ぎ、ギルドマスター!?」
「ギルドマスター…」
目力が強く、着物を着たこの男がギルドマスターだという
恐らく異世界人なのに何故下駄と着物を着ているのだろうかとイッセイは思った
「彼からは何か人とは違うものを感じる。その何かは分からんがな。何かあったら私が責任を取ろう。」
「えぇ!?」
初対面の人にそこまで言われると困るんだけど…
保証されても困るんだけど…
「だ、だが…」
「まだ…何か?」
ギロりとギルドマスターがプラノを睨む
まるで虎が睨んでいるような、そんな圧を感じる
すると他の受付嬢が依頼について話した
「この依頼は森周辺の複数の村から出されたものです。ギルドとしてはこれを緊急性が高いものと見なし、参加上限人数は定めません。功績を見て報酬の分配は決めたいと思います。」
「これだったら君も依頼が受けられるし、問題は無かろう?」
「わ、わかった!せいぜい僕の邪魔はするんじゃないぞ!」
そう言ってプラノは依頼を受け、ギルドを飛び出して行った
「ああ。遠距離攻撃出来るヤツらを集めたいな。」
「異世界の装備ってのが気になるよな…」
周りで色々な冒険者がこの依頼について話している
ゾンビの大量発生について気になっているのか異世界の装備に気になっているのかはわからないけども
俺だってこのゾンビ達には興味があるし、やらせてもらおう
「すみません、俺受けてもいいですか?」
「おいアンタ。」
後ろから声をかけられる
振り返るとそこには俺より頭一つ分大きい肌黒いスキンヘッドの男が立っていた
「見ない顔だな。名は?」
「イッセイです。」
「オーケー、イッセイ。俺はイブンだ。あと敬語はいらん。ここじゃ年の差関係なくやるってのがきまりだからな。」
この男、イブンが話し始めるとギルドの中が一気に鎮まった
どうやら一目置かれてる存在らしい
「それでだイッセイ。お前ランクは?」
「銅だ。今冒険者になった。」
「…イッセイ。悪いことは言わん、今回はやめておけ。」
「けど俺にも…」
「どんな理由があろうともだ。かけだしでやるレベルのものじゃない。」
「もういいよイブン。」
声の方を見ると一人の男が立っていた
イブンと同じくらいの背で青髪の見るからにウザそうな男だった
「プラノ…」
「こいつの心配をする必要なんてないさ。どうせ森に着く前にブルっちまうよ。」
「いやだがしっかりと説明を…」
「君も君さ。時間が無駄なんだ、早く諦めてくれよ。戦いの邪魔にもなりそうだしさ。それに君、ゾンビなんて見たらチビっちゃうぜ?」
あ、こいつダメだわ
この世界の嫌いな奴現時点でトップだわ
畳み掛けるかのようにプラノがニタっとした笑みで言う
「それにこいつ、゛職無し゛らしいぜ?」
その発言の瞬間、ギルド内が一気に騒がしくなった
「゛職無し゛だって!?」
「まじかよ…そんなやついたら…」
「邪魔にしかならないじゃんか!」
やはり゛職無し゛は軽蔑の対象みたいだな
この世界では天から与えられた職が全てを決める
そうなるのも当然か
さて…この状況どうしたもんかな…
イッセイがそう思っていると奥から駆け出してくる女性がひとりいた
「静かにしてくださーい!」
受付嬢、彼女のその一言でギルド内は鎮まった
「ミライさん…」
「ミライ…」
受付嬢…ミライって言うのか
そういや名前も聞いてなかったか
ミライは深呼吸してから大きな声で言った
「その人…イッセイさんはそこらの駆け出しの人とは何かが違う…何かが大きく違うんです!」
「…」
俺をそんな風に言ってくれるなんて…
神は平等というがまさにこの人が神だと思う
「だ、だがこいつがゾンビにでもなったりしたらこっちの面倒が増えるんだ!そんなのごめんだね!」
イブンが必死そうに言い返す
状況が状況だが少しスカッとする
「彼のことは私が保証しよう。」
今度はギルドの奥からカツカツと響く音がする
この音…下駄か?
「ぎ、ギルドマスター!?」
「ギルドマスター…」
目力が強く、着物を着たこの男がギルドマスターだという
恐らく異世界人なのに何故下駄と着物を着ているのだろうかとイッセイは思った
「彼からは何か人とは違うものを感じる。その何かは分からんがな。何かあったら私が責任を取ろう。」
「えぇ!?」
初対面の人にそこまで言われると困るんだけど…
保証されても困るんだけど…
「だ、だが…」
「まだ…何か?」
ギロりとギルドマスターがプラノを睨む
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すると他の受付嬢が依頼について話した
「この依頼は森周辺の複数の村から出されたものです。ギルドとしてはこれを緊急性が高いものと見なし、参加上限人数は定めません。功績を見て報酬の分配は決めたいと思います。」
「これだったら君も依頼が受けられるし、問題は無かろう?」
「わ、わかった!せいぜい僕の邪魔はするんじゃないぞ!」
そう言ってプラノは依頼を受け、ギルドを飛び出して行った
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