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1章

出発

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「はぁはぁ…」

なんとかまけたか?
理不尽な鬼ごっこが始まって10分、
あの手この手を使って勝負は俺の勝ちのようだ
これで奴らも諦め…なさそうなので早めに支度を済ませ久遠国へと旅立つことにした

久遠国までは歩いて一二週間はかかってしまうと思うのでそれなりに食料を買っておこう
この騒ぎがあった後じゃ乗せて行ってくれる馬車もないだろう
防具は市販のアイアン一式と呼ばれる鉄製のものを買った
豪勢な鎧のようなものではなく、胸や腕など必要最低限にした
あくまでこの場しのぎなのだから別に問題ないだろう

その他の必要なものも揃え、イッセイは久遠国へと旅立った

「さてと…山までまだあるんだが、腹減ったな…」

久遠国へ向け出発して一二時間経ち、森を抜け見渡す限り広がる平原を進んでいた
イッセイは適当な場所に座り込み、昼飯用として持ってきているパンを取り出す

「うまそう…それじゃ、いただきまーす!」

パクッ!
そんな音を立てたイッセイの口の中にはパンは無く空を食っただけだった

「へ?」
「アホー!アホー!」

誰に馬鹿にされたかと思い空を見上げればそこにはカラスに似た生き物がパンをくわえていた

「このっ!返しやがれ!」
「アホー!アホー!」

うっざ…!なんだこいつ…
パン取られたのも相まってめっちゃムカつく

「アホー!!」

そう捨て台詞のように罵倒の言葉を言ってカラスに思しき生き物は山の方へと飛んで行った

「おい!…って速!どんなスピードしてんだよ!」

急いでやつを走って追いかける
けれどやつとの差は開く一方だ
このままでは追いつけない

「悪いけど武力行使させてもらうぜ!」

雷鳴を取り出しその場に立ち止まりよく構える
冷静になれ…できる…いけるはず

「はぁっ!」

引き金を引いた一瞬、静電気のような電流が空気中に流れた
カラス似たやつは墜落している
どうやら当たったみたいだ

「はん!ざまーみろ!」

食物の恨みは恐ろしいのだ
そうやつカラスに教えたくて墜落したところに走って向かう
するとそこは最早平原ではなく、荒れ果てた遺跡があった

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