いつかどこかで────ノスタルジーの物語

岩田シン

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終章     いつかどこかで

Epilogue

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 「・・・・そうか、昨日杉田に会ったんか・・。」                  
翌日の正午、即ち一九九三年十月七日の木曜日の正午、約束の場所であるGホテルの一階ロビーで落ち合ったナオコと倉田ミエコはそのまま二階の日本食レストランへ向かった。このレストランは一週間前杉田と一緒に食事したあのレストランである。二人とも日本食が食べたかったので一瞬の即断でこのレストランに決まった。日本人の調理師が常時調理を受け持っているこの本格的な日本食レストラン、値段はかなり張るが味の方はほんとに最高レベルで、ナオコはほんとにここが気に入っている。テーブルに就いてメニューを見ながら色々と注文し、ウエイトレスのアジア系アメリカ人が去った後すぐにナオコは昨日杉田に会った事をミエコに告げたのだった。ミエコはちょっと何かを考えるかの様に沈黙した後こう言った───「あいつ、ちょっと変わったやつやろう?」
 「・・変わってると言えばちょっと変わってますが、なかなか素敵な男性だと思います。」
 「確かにいい男やけどな、あんな男には惚れん方がええわ。」
 「・・え?」突然惚れん方がええわと言われてナオコは戸惑った。もしかして私の心を見透かして言っているのだろうか?今まで倉田先生に対してそれらしい事をほのめかした事は一度も無いのに・・・・いやそんな筈はない、きっと私の思い過ごしだと思いながら黙り込んで困惑した様子を見せているナオコに対してミエコは続けて言った。「あいつの為を思って身を引いたのに結局洋子を裏切る様な事をしよったし、とにかく女に関してだらしない奴なのは間違いないわ。ほんとあんな奴には惚れたらあかんわ。」そう言いながらミエコはフーっとため息をついた。どうやらあんな男には惚れない方がいいと言ったのはミエコがミエコ自身に対して、自分自身に言い聞かせるという意味合いで言ったみたいであった。
 「・・・実はな、昨日の晩に洋子と会ったんや。」唐突に倉田ミエコは言った。「久しぶりに会ってみたくなって、昨日あんたに電話してから洋子が仕事してるカジノにタクシー飛ばして会いに行ったんや。」  
 「そうなんですか。」
 「それでもって洋子の仕事が終わってから一時間位話をしたんやけどな、それで色々話をしてどうして杉田と別れるに到ったかというのを詳しく聞いたんやけど、ほんとむかついたわ。よりによってそんな分かれ方するなんて、私がどんな思いして身を引いたのかあいつはわかってないんちゃうかと思った。」
 「それに関しては杉田さんの中で倉田先生と洋子さんの二人に対しての複雑な思いと言うか、葛藤があったと聞いてるんですが・・。」
 「洋子もそれを言うとったわ。どっちにしろもう終わった事やし、杉田と別れたからこそシルバーフレイムに加入する事が出来たし、アメリカ人の旦那に会う事も出来たって事になるから今はもう全く気にしていないし、全然憎んでもいないって言うてたわ。結局そういう運命だったんだと思うって。ただ久しぶりにかつて愛した男に再会して正直とまどいもあるって事も言うてた・・。これがどういう意味かナオコちゃんわかるか?」
 「・・・・・・」ナオコはどう答えていいか分からず困惑した表情を浮かべた。洋子さんの立場に立ってみれば、恐らくこういった気持ちだろうというのは感覚的には分かるが、それを今こういう事なんじゃないですかと口に出して言うのはどうだろうか。そんな事を本人ではない者が口に出して言うべきではないと思ったし、だから今私はそれに関して何も言う事は出来ない・・・・困惑した表情を浮かべ黙り込むナオコに対して倉田ミエコはこう言った。「・・どうやら昔の感情がまた蘇えって来たみたいやな、洋子は。」
 「・・・・・・」困惑し、何も言えなくて黙り込んでいるナオコは心の中で”何て事!”と叫ばずにはいられなかった。叫ばずにはいられないその理由というのは結局自分を含めた女性三人全てが一人の男をめぐって気持ちをやきもきさせているという事実であった。ナオコがもし杉田の事を全く何とも思っていなければミエコと洋子の間の二人の問題という事で、外から眺めていればいいだけの話になるのだが、ナオコ自身が熱烈に恋をしているのであれば何もせずじっと眺めているだけなんて事は出来ない。何とかしなければならない。何かをしなければならない。ミエコが今言った発言がきっかけになってナオコはもう自分の気持ちを無理に隠して封印すべきではないと悟った。だけど今更何が出来るのだろう?杉田は今日の夕方の便で日本に帰国する。飛行機に乗る前に気持ちを伝えておくべきなのか?今更そんな事をして何になる?自分の事を何とも思っていない人に対してそんな事をしても意味がないんじゃないのか?さっきまで何も言わずに時が過ぎて自分の気持ちが薄れて行くのを静かに見守って行こうと思っていたのに、洋子さんと倉田先生が二人とも彼に思いを寄せている事を知ってじっとしてはいられない思いになっている自分がナオコにはとても不思議だったし、そんな自分にいらついてもいた。どうしたらいいのか実際の所わからなかった─── 。
 「・・・洋子にとって亡くなった旦那さんは何と言うか、要するに父親みたいな存在やったみたいやな。自分を暖かい光で包んでくれる太陽みたいな存在だったと言うとったし・・・。旦那さんの事も深く愛してたのは間違いないけど、旦那さんが亡くなって心がどうしようもなく寂しい時にかつて深く愛した男が現れて、そりゃ昔の思いがまた蘇えりもするわな・・・。」倉田ミエコはため息をつきながら言った。「それでな、杉田に洋子の事はどうするつもりやってストレートに訊いたらな、今は洋子と男女の関係になるなんて事は全く考えていないって言いよった。ただラスベガスに来たら必ず訪ねてちゃんと生活出来てるか見て、助けが必要な時はいつでも助けるつもりやと言うとった。今は誰とも男女の関係になる事は考えていないとの事で、その理由というのが今はヒロちゃんのパパでいる事を優先したいからやって事や。」
 「・・ヒロちゃんて杉田さんのお子さんの名前ですか?」
 「そうや、今5歳のかわいい盛りの子供でヒロユキと言う名前の子やねんけど、奥さんと離婚になったのは仕方ない事やけど、子供と別れ別れになったのはほんとにつらいって言うとった。とにかく今はヒロちゃんのパパでいるって事が最優先やから、当分恋愛はするつもりはないって事や。そんでもってな、私の事はどう思ってんのや?って訊いてみたらな、ミエコにはほんとに感謝してる、これからもいい友達でいたいし、もし出来たらこれからもスポンサーになって欲しいって。」そう言いながらミエコはアハハと笑った。そんなミエコに対してナオコは「・・・今でも杉田さんの事はお思いになっていらっしゃるんですか?」とストレートに尋ねた。それに対してミエコは「悲しい事やけど、それは否定でけへんわ。ほんとにアホやな・・。」と言った。「何の保証も無いギャンブル野郎のスポンサーになるなんて事、アホやなかったらでけへんわ。」そう言いながら顔に哀愁の表情を見せた。この偉大な漫画の大家は杉田にぞっこんな様だった。ナオコは杉田が今は誰とも恋愛関係になるつもりはないと言ったのを知って何とも言えない複雑な気持ちになった。今の所は誰とも恋人にならないとは言っているが、人間の気持ちなんてものはいつ何時変わるかもしれない。結局の所杉田次第という事になるのだろうが、一体どういう事になるのだろうか────?
 「・・・・もうこんな話はやめよう。寿司とか来たし、食べよか。」テーブルの上に半分ぐらい料理が揃ったのでミエコは言った。「なかなかおいしそうやな。何回か食べたけど、ほんとにここの料理は最高やわ。」
 二人は食事をしながら、色んな話をした。ナオコはまずミエコの作品について思いつく限り色々挙げてその作品について色々な質問をするとミエコはそれに対してほとんど即答といっていいスピードで答えていった。ナオコはこないだまでただの一ファンに過ぎなかった自分が今こんなにも間近にこの漫画界の偉大な神に接しているという事実がただただ信じられなかった。ほんとに幸運だと思ったし、色々漫画の裏話も聞けてとても興味深く、ほんとに幸運すぎて感無量の思いであった。ラスベガスという所は時としてこういうマジックを生み出すことがあるんだなと、ラスベガスの神様に(そういう神がいるのかどうかはわからないが)感謝したい気持ちで一杯であった─── 。 
 話をしている内に時間が経ち、時計の針が午後二時半を指す頃ナオコがふと思いついて「・・・倉田先生は杉田さんの実家に行かれた事があるんですか?」と尋ねるとミエコはこう答えた────「あるで。付き合ってた時に何回か行ったわ。お母さんにもおうた(会った)事があるし、住所も覚えてる。東大阪市XX町X丁目XX-XXや。」                                
 ──────────えっ!!!???とナオコはもの凄い表情で驚愕した。「その住所は間違いないんですか?絶対に東大阪市XX町X丁目XX-XXなんですか?」と驚きで目をむいた表情でミエコに尋ねるとミエコは「うん、間違いないで。確かに東大阪市XX町X丁目XX-XXや。」と言った。  
 ナオコは驚愕の表情のままこう言った────「その住所は私が中学の時に文通していた田村シンスケさんという人の住所と全く同じなんですが、絶対間違いないんですか?」              
 「・・・・そのシンスケさんという人、漢字ではどう書くの?」
 「にんべんに申すという字、つまり伸びるっていう字、要するに南伸介さんの伸介なんですけど。」
 「ああそれはな、伸介という字を書いてノブユキと読むんや。要するに田村シンスケという名前やなくて、田村ノブユキなんや。文通してた時それは言うてなかったんか?」
 「・・・はいそれは全く手紙の中では触れられてませんでした。だけど、名字が違うというのはどういう訳なんです?」
 「それはな、実は杉田、高校三年の時に両親が離婚してな、それでお母さんが親権を取って名字の方もお母さんの元々の姓やった杉田に変えたんや。だから離婚する前はあいつ、田村ノブユキっていう名前やったんや。漢字では田村伸介って書くけど、田村ノブユキって読むわけで、杉田もこんなややこしい名前付けんといて欲しかったなあとよく言うとった・・。誰もノブユキなんて読んでくれる人はおらへん、いつもシンスケ、シンスケって言われるから自分の名前を言う時毎回説明せなあかんのがとても面倒くさくて煩わしいってよく言うとったわ。何でもおとうさんがどっかの神社の人に頼んで付けてもろうたらしいねんけど、何で伸介がノブユキなんて変な読み方になるんか全くわからんし、とにかくめんどくさいから困るわって言うてた──。」
 ──────────ああ何てこと!!!こんな事があっていいの!?あの人が田村伸介さんだったなんて・・・・!ナオコは非常に混乱していた。今思い返してみればナオコが違和感を感じたあの杉田のポーカーフェイス、あれはきっと自分の心の動きをナオコに悟られまいと杉田が無意識に防衛反応で見せたものなのだろう。杉田は職業柄自分の心の動きを見せない様に頻繁にポーカーフェイスをするから、誰かに自分の心の動きを見せてはいけないと感じたら本能的に無意識にポーカーフェイスになる。だからあの時あんな表情になったのだろう。だけど結果的にナオコは違和感を感じたから、ポーカーフェイスも時と場合によっては逆効果になる事があるという事だ。それにしてもこんな事があるなんて想像もしなかったのでナオコは非常に混乱していた。あまりにも混乱していたので放心状態になっていた。そんなナオコに対してミエコは続けて言った。「・・・・だけど杉田がナオコちゃんと文通してたなんてちょっとびっくりしたな。あいつ、そんな事一言も言うてなかったし、世間てほんと狭いんやな。」ナオコはそれに対して何も言葉を返せず黙りこくったまま茫然とした表情をしていたのでミエコは「あんたも凄く驚いたみたいやな。まあ無理もないか。中学時代に文通してた人とラスベガスで知らん内に会ってたなんて確かに驚きやもんな。まあ名前が知らん内に変わってたし、伸介をノブユキと読むというのも知らんかった訳やから、ほんとに驚いたと思う。そう言えばさっき話してた私が小学校の時描いた「恋犬ラムータの冒険」やけど、小学校の時は田村っていう名前やったからそのタムラを逆読みしてラムタ、それをちょっと伸ばしてラムータっていう所からこのタイトルになったんや。」と言った。ナオコはラムータという名前の由来に関して深く考えた事が無かったので、そうだったのか、何でもっと早く気づかなかったのだろうと思った。言われてみれば非常に単純で簡単な事だ。簡単すぎるから却って気づかなかったのだろう。ナオコが「洋子さんも杉田さんの名前の事は御存じだったんですか?」と訊くとミエコは「もちろん知ってる。短大に行ってた時洋子にその事を教えたんは私やから。」と答えた。
 「洋子さんはラムータの漫画を見た事はあるんですか?」
 「いやそれはないわ。」
 「洋子さんはラムータの名前の由来は御存じなんですか?」
 「それはわかるんちゃうか。ラムータっていうのは杉田すなわち田村をモデルにして犬の姿にデフォルメして描いた漫画やし、ラムータってタムラを逆にして読んでるってちょっと考えたらわかると思うけどな。」
 ──────ああ何て事だろう!洋子さんから杉田の話を聞いた時ナオコはラムータという名前に関して何でラムータっていう名前なんだろうとちょっと思ったのだが、その事を洋子に訊いてみる事はしなかった。ちょっと疑問に思ったが大した問題だと思わなかったので何も訊かなかったのだが、もしもあの時その事を尋ねたならきっと洋子はその名前の由来について説明してくれた事だろう。そしてもしあの時杉田のかつての名前が田村だと知ったらナオコは間違いなく自分の文通していた相手の事を洋子に言ってその名前に関して確認しただろうし、そうなれば伸介という名前は実はノブユキと読むという事がわかって、結果としてもっと早く杉田ノブユキが実は田村伸介であった事が判明した事だろう。早く判明したからといって今のこの現実が大きく変わるなんて事はないだろうが、少なくとも長年憧れ慕って来た自分のソウルメイトと言ってもいい偉大な詩人と直に再会出来たという事実にもの凄く感激していた事であろう。だけど今となってはもう・・・・あ、そんな事はない、今ならまだ間に合う!────ナオコが自分の腕時計を見ると午後の二時三十八分を指していた。今ならまだ間に合うはずだ。急いで空港へ行かなくては!────ナオコは慌てた様子で「先生、すいませんけど今すぐ行かなきゃいけないんです。突然ですけど失礼させて下さい。」と言ったのでミエコは驚いて「え?どこへ行くの?」と訊いた。                   
 「今すぐ空港へ行かなければならないんです。早く行かないと間に合わない・・」と言いながらナオコは涙ぐんでいた。急に感極まって涙が溢れたのだ。ナオコはもう自分の気持ちを押さえる事は出来なかった。今すぐ空港へ行って自分の気持ちを伝えなければ!───その思いで一杯であった──。
 「・・・空港って、もしかして杉田に会うんか?それにあんた何で泣いてんの?」事情を知らないミエコが不思議そうに尋ねるとナオコは「今詳しく説明してる時間は無いんです。すいませんけど失礼させて下さい。」と言った。ミエコは茫然とナオコの顔を見つめていたがやがてこう言った。「・・わかった。ここはもういいから早く行き。何か深い事情があるみたいやけど、また電話するからな。」
 慌ただしくミエコの元を離れたナオコは急いで駐車場に向かった。とにかく大急ぎで空港へ行かねばならないのだが、何分位で行けるだろうか?普通に考えればこのダウンタウンのGホテルから空港までは大体三十分位はかかると思われる。とにかく出来るだけ飛ばして行くしかない。だけどもし渋滞とかあったらどうしよう?ナオコは色々考えた末に自分の車ではなくタクシーで行く事に決めた。ここの運転手は渋滞の無い裏道とかを熟知してるだろうからタクシーで行く方が絶対早いに決まってる。とにかく急ごう。
 午後二時四十三分、ナオコはホテルの玄関口に停まっているタクシーに飛び乗ると運転手に「空港へ行って下さい。国際線の方でお願いします。とにかく急いでるので最大限早く行って下さい。チップは三倍払います。」と言った。五十歳位だろうと思われる髭を生やした運転手は「かなり飛ばすけど大丈夫か?」と尋ねた。ナオコは問題ない、とにかくスピードを上げて急いで行って欲しい、速ければ速いほどいいと運転手に伝えると運転手は”All right. Hold on ! (オッケー、しっかり掴まっとけよ!)”と言ってもの凄いスピードで裏道を飛ばして行った。ナオコは後部座席でシートベルトをしていたが、ほんとにもの凄いスピードだったのでかなり揺れて正直恐怖を感じた。この運転手はかなりのベテランらしく運転のテクニックは抜群であった。あまりに速いので、まるで新幹線に乗ってるんじゃないかと錯覚する程だった。目まぐるしく窓の外の風景が流れて行くのを見つめている内にタクシーは空港の国際線乗り場に到着した。時刻を見ると午後二時五十五分を指していた。何と所要時間十二分!!普通に考えて三十分位はかかるであろう距離を何と十二分という短時間で着いたのでナオコは驚いたし、凄いなとも思った。タクシー代と相場の三倍に相当するチップを運転手に渡すと彼は満面の笑みを浮かべ、”Thank you. Good luck ! (ありがとう、幸運を祈るよ!)”と言って去って行き、ナオコは駆け足で杉田の乗る便の航空会社カウンターへと急いだ。カウンターに着いた時、時刻は二時五十七分だった。出発は午後五時ちょうどなので、二時間と三分前に着いたという事になる。普通に考えれば杉田はまだチェックインしていないだろう。ナオコはチェックインカウンターの近くで杉田が来るのを待つことにした──。 

 ────待って一時間ちょっとが過ぎた午後四時になっても杉田は現れなかった。ナオコは杉田がもしかしてかなり早めに空港に来て、ナオコが到着するかなり前にもう搭乗手続きを終えて中に入って行ったのかもしれないと思った。出来ればカウンターの人に杉田がチェックインしたかどうか訊きたかったが、そんな個人情報を教えてくれるわけもないし、ナオコは所在なく空を見つめながら昨日の晩別れ際に杉田が言った最後の言葉を思い出していた──────「また会えるよ」──────「いつかどこかで」─────。今思えば間違いなく杉田は気づいていた─────杉田と初めて話をしたあの日、コーヒーショップで田村伸介の詩を杉田に見せた時杉田はナオコが学生時代に文通していたあの子であると間違いなく気づいていたに違いない。それと杉田が最後に標準語のアクセントで言ったあの言葉、昨日は忘れていたが、あの言葉は自分が最後に書いた手紙の内容に関連する事柄であり、あの手紙を読んでる者でなければあんなセリフは出て来ない。標準語で言ったという事に関してもそれは彼独特のユーモアなのだろう。ほんとにあの人は・・・・。ナオコは杉田の顔を思い浮かべながら微笑んだ────いいんだ、今日会えなかったら杉田の家まで直接行こう・・・日本に帰ったらすぐにでも大阪に行って杉田の家まで直接押しかけようとナオコは思った。まああっちこっち行ってる人だから会える確率は低いけど、少なくとも手紙は置いていけるだろうし、もう自分の気持ちを押さえつけて隠すことは出来ない。どういう結果になろうと自分の気持ちははっきりと伝えよう。そうだ、そうするしかないとナオコは心を決めた。心を決めるととても晴れやかな気持ちになった。さらに一時間が過ぎて時計が午後五時を指し示す頃、やはり杉田は姿を現さず、ナオコは小さな微笑みを浮かべながらラスベガスの空港を去って行った───。
   

 
 ───────場所は変わってここは日本の大阪、時は一九九三年十月二十日の水曜日の午後一時頃、杉田ノブユキは東大阪の実家の二階にある自分の部屋で昔ナオコから送られて来た手紙を読み返していた。彼は昨日(十月十九日)の晩に香港から戻ったばかりだった。なぜ香港からなのか?その辺の事情を説明すると、実は杉田は十月七日の日に日本行きの飛行機に搭乗しなかったのだ。七日の当日になって急に気が変わり、マカオに行ってちょっと稼いでから日本に戻る事に決めた。杉田は正午前にホテルのフロントに行ってもう一日延泊したいと告げてから直ぐにタクシーで空港まで行き、まず元々の日本行きの航空券をキャンセルして、翌日(十月八日)の香港行きの航空券を新たに購入した。キャンセルした航空券は当日キャンセルだった為半分ぐらいしか返金されなかったし、香港行きのチケットもかなり割高な感じだったが杉田は全く気にせず、またマカオで稼げばいいと思った。チケットを購入するとタクシーでポーカー大会が行われているストリップ区内のMGカジノに向かい、大会に参加して結局二位(準優勝)となりまあまあの賞金を受け取った。賞金を受け取るとダウンタウンのQホテルに帰り、その晩はQホテルのミニシアターでプレスリーのそっくりさんショーが行われていたのでふらっと中に入って見てみるとこれがまた凄く良くて、久しぶりに興奮を覚えた。とにかく歌がうまく、ルックスもエルビスにかなり似ていてショーは無茶苦茶盛り上がっていた。百人ぐらいの観客でやっている小規模なショーなのだがやはりベガスのショーはレベルが高く、ほんとに最高のパフォーマンスであった。杉田は周りの観客と一緒に乗りに乗ってほんとに興奮し、大満足の表情で会場を後にした。
 杉田の泊っているQホテルはミエコが泊っているGホテルからかなり近い所にあるのだが、結局顔を合わせる事はなかった。翌日杉田は香港行きの飛行機に搭乗し、香港に着いた翌日フェリーでマカオに向かってマカオには結局一週間程滞在した。マカオでもかなりのお金を稼ぐ事が出来、大満足の結果に顔をほころばせながら香港に帰り、香港でちょっと遊んでから日本への帰国の途についた。それが昨日、即ち十月十九日の事で、東大阪の実家に着くと杉田は疲れが凄くたまっていたので二階に着くとベッドにバタンキューっとなりそのまま寝てしまった。
 杉田は離婚後実家に戻り、母親と二人で暮らしていた。妹は九年前に結婚して大阪市内に住んでいる。杉田がギャンブルにのめり込んでいる事に関しては、母親はもちろん凄く心配し、ずっとがみがみと叱責し続けていたが、杉田がカジノで大金を稼ぐ様になり実際にその稼いだ現金を目にしてからはもう何も言わなくなった。ギャンブルで大金を稼げるなんてほんと信じられない事だとは思っているが、とりあえずは様子を見ようという所みたいだ。
 ナオコは十月の末に帰国する事が決まっていて、今日は十月の二十日、当然の事ながらナオコはまだ杉田の家に来ていない。帰国したら四日程有給休暇がもらえる事になっているのでその間に訪ねて来る事は間違いないだろうが、もちろん杉田はその事を知らないし、自分が田村伸介である事がばれていることも知らない。初めてナオコと話をしたあの日、ナオコの手帳に自分の詩が書かれているのを目にするまで杉田は気づいていなかった。手帳の上に書かれた「ノスタルジア」の詩を目にして初めてこの女の子が昔文通していたあの女の子である事がわかった。当然の事ながら杉田はかなり驚いたのだが、職業柄表情を隠す事に長けているのでそんな事はおくびにも出さなかった。
 文通を杉田の方から突然一方的に打ち切った事に関してはほんとに礼儀に欠けていたと思っている。正直な所を言えば、あの頃杉田は色んな事で精神的に抑圧されていてかなりまいっていたという事は確かだが、文通を続けられない事もなかった。ほんとに正直な所を言えば、ナオコと違って(ナオコはほんとに字が綺麗で達筆だった)杉田は悪筆で字を書くスピードも遅い。気軽にパーッと手紙を書いてぱっと送るなんて事が出来ない人間だったので、まず下書きをザーッと書いて、色々考えて手直ししてそれから違う紙に清書して郵送する、という感じだった。杉田にとって内容のある事を手紙にして送るという作業は結構手間のかかる事だったので、ある時めんどくさくなり長い間書かずにいたら時間がかなり経っていた、という感じに近い事であった。ナオコとの文通はナオコの方から文通して欲しいと言って来た事であり、実際の所杉田はそれまで誰かと文通するなんて事は想像もしなかった事なので最初はほんと戸惑った。めんどくさいと言えば面倒だが、これも何かの縁、とにかく一回やってみようじゃないかという感じでやっていた。あの頃もしワープロがあって字がパッパッと打てればもっと長く文通していたかもしれない。悪筆で気軽に手紙をパッパッと書く事が出来なかったのは確かであるが、結果的に何も言わず一方的に文通を打ち切ったのだからやはり自分はほんと礼を失していたと思う。もし謝る機会があれば謝罪したい。これから先もし自分が田村伸介である事をナオコが知る様な事があればその時はほんと真摯に謝罪したいと思う。以上が事の真相であり、杉田の正直な気持ちであった。

 ベガスに行くちょっと前、杉田が凄く久しぶりにクローゼットの整理をしていると小さな紙袋にナオコから来た手紙がまとめて入っているのが見つかり、初めから順番に全て読んでみた。読みながら高校時代の色んな事を思い出し、杉田は懐かしさに浸った。杉田が詩を書いていたのはひとえに高校時代、悩みの多い時でもあり色々心理的に抑圧されていたので、その抑圧から少しの間でも離れていたい、現実を忘れたい、といった思いからであった。高校時代、ロックに浸り、現実から離れてファンタジーやノスタルジー、空想の世界や甘美な夢の世界の中に一時的に入ってもの思いにふけようというそういった思いから詩作を始めるようになった。その内の一作である「ノスタルジア」がPFマガジンに掲載され、それを読んだ山口ナオコが手紙をくれた。それで短い間だったが文通し、手紙を交換した。大学に入ってからは、オリジナルをやるバンドにいる時にちょっと作詞をしたのを除けば杉田は一切詩作をしていない。これはひとえに詩作をしたいという思いがなぜか杉田の心から消えてしまったからなのだが、その理由は杉田にもよくわからない。ただ単に興味を失ったからかもしれないし、高校時代と比べて抑圧されてるという思いが少なくなったからなのかもしれない──。
  
 さて十月二十日のこの日、杉田はもう一度ナオコから来た手紙を初めから全て順番に読んでいた。読んでいる内にやがて一番最後の手紙という事になったのだが、この手紙にはナオコの自作の詩が書かれてあった。「いつかどこかで」というタイトルの詩で、これはナオコが想いを寄せていた男性に宛てて書いた詩であるとの事なのだが、なかなか胸にぐっと来る詩であった。この女の子は高校時代の自分と同じように夢想に耽ることが好きで、繊細な気持ちを精一杯詩の中に投影する事が出来る、自分にとってソウルメイトだと言ってもいい様な存在だと杉田も思った。感性がよく似ているのだと思う。杉田はナオコの「いつかどこかで」を読みながら失われた時へのノスタルジーに浸った。ナオコから来た一番最後の手紙は以下の様に書かれてあった───


 田村伸介様
 FROM : 山口ナオコ  DATE :  一九七八年十一月四日

 お元気ですか?最近は温度もぐっと下がって来て、街の街路樹を見たら晩秋に入ったんだなと実感する事が多い哀愁に満ち溢れた時期ですが、私は感傷的になりやすいこの時期が何とも言えず好きです。相変わらず色々な本を読んで夢想に耽っている毎日ですが、街の図書館でアラン・フルニエの「ル・グラン・モーヌ(Le Grand Meaulnes、モーヌの大将)」という本を見つけ、かねてからこの小説が幻想的なフィーリングに満ち溢れた青春小説だと聞いていたので読んでみたんですが、ほんとにこの小説は幻想的でノスタルジーに満ち溢れた少年期を回顧する”ノスタルジー小説”と言ってもいいような魅力的な小説です。杉田さんは読んだ事がおありでしょうか?三島由紀夫さんのエッセイではこの小説は少年時代の思い出を懐かしむ人の為の小説で、少年期に読んだら少年が少年時代の思い出を懐かしむ小説を読むという事になり、面白いと思う事はないだろうという様な事を書かれていましたが、私の感想としてはかなり夢想に満ち溢れた、ノスタルジックで静かな感動を呼ぶ幻想的な青春小説で、なかなか面白く読めました。大人になってからもう一度読んでみたらまた違った発見があるかもしれないし、違った感想を持つかもしれませんが、今度読む時はフランス語の原文で読んでみたいと思います(とは言ってもフランス語って無茶苦茶難しいので、何年後の事になるのか今は想像出来ませんけど)。
   

 ・・・・・話は変わって、こんな事を言うのはほんと心苦しいんですけど、最近田村さんから手紙が来ません。ごめんなさい、催促してる訳じゃないんですけど四月二十三日付けの手紙以来来ていないので私だけこんな風に一方的に送り続けるという事はすべきではないと考えます。ですから今後田村さんから手紙が来なければ私の方からはもう手紙は書きません。ほんとに凄く寂しい事だし、残念にも思いますが今までほんとにありがとうございました。短い間でしたが田村さんと手紙を交換し、色々な事を語り合い、田村さんの繊細で素敵な素晴らしい詩を世界中で私だけが読む事が出来た事は私の人生にとって凄く光栄な事であり、特権であり、素晴らしい体験でした。月並みな言葉を並べて恐縮に思いますが、これは私の率直な感想です。どうかお体に気を付けてバンドの方も頑張って下さい。お互い受験とかもあってかなり大変な時期ですが、がんばって乗り切って行きましょう。

 また話は変わって、この間(一ヶ月ぐらい前)本屋に行った時PFマガジンに田村さんの「れんげ畑」が載っているのを目にして買って帰り、じっくりと読ませて頂きました。田村さんの世界満開の、抒情と何とも言えない哀しみが漂う優れた抒情詩だと思いますが、何回か読んでいる内に私、泣いてしまいました。実は私最近失恋したんです。相手は前に手紙でも書いた事があるイ・プーのLPを貸してくれた近所に住む四つ年上の幼なじみのお兄さんで、私はずっと大好きで慕っていたんですが、そのお兄さんに彼女が出来て、お兄さんはその彼女の事が真剣に好きなので私は何も出来ず、ただ泣くことしか出来ませんでした。今はかなり落ち着いて今日、そのお兄さんに対する想いを一つの詩にしてみました。もう一気に言葉が溢れ出てかなり短時間の内に出来た詩ですが、最後に締めくくりとしてここに記したいと思います。田村さんの詩と比べたらほんとに足元にも及ばないようなレベルの詩ですが、これは私の魂の叫びと熱い想いを詩にしたものです。この詩の中に出て来る、”さよならは言わない、なぜならいつかどこかできっとまたあなたに会えると信じているから”という言葉はお兄さんだけではなく、田村さんに対する言葉でもあります。という事でさよならは言いません。いつかどこかでまた会える日が来ると信じています───。



                   百万の星々に匹敵する感謝を込めて

                                山口ナオコ  


 


     いつかどこかで

 私の上には真っ青な空
 私の前にはまっすぐな白い道
 太陽は常に私のそばにある
 たとえあなたが私の世界から去って行っても
 私は泣かない
 いつかどこかで
 また会える日が来ると信じているから

 これは永遠の別れではなく
 暫く別々の世界で生きていくだけ
 また会える日が必ず来る
 そして私は忘れない
 あの日十四歳の私の胸を焦がした
 あなたの優しい微笑み
 あなたの優しい眼差しと言葉を
 
 雨の降る街角で 或いは雪が降る小道で
 私はあなたの優しい甘美な声を思い出す
 真夜中に流す孤独の涙の中で
 私はあなたの温もりを探す
 
 さよならは言わない
 いつかどこかで
 きっとまた会えると信じているから
 あなたと一緒に過ごした楽しい時を
 ずっと忘れずに
 これからはあなたが幸せでいる事を
 ずっと祈っていようと思う
 ありがとう
 あなたが私の為にしてくれた事全てに感謝して
 これからは新しい生き方を探すつもり
 だから時々は私の事を思い出して欲しい
 かつて故郷にあなたに憧れた少女がいた事を
 忘れないで欲しいの

 私の上には真っ青な空
 私の前にはまっすぐな白い道
 太陽は常に私のそばにある
 今私は新しい物の見方を探してる
 空に昇る七色の虹の様に
 希望の象徴となる物を探している
 さよならは言わない
 なぜならいつかどこかで
 きっとまたあなたに会えると信じているから
 いつかどこかできっとまた
 あなたの笑顔を見る事が出来る日が来ると信じているから

 

 

 時が過ぎて全てが遠い過去になったなら
 きっとあなたも私も懐かしく思い出すだろう
 あの麗しく美しい秋の日々
 1978年の秋─────




                          ( 完 )

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