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一
8話 不可抗力
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すれ違い兼悩みが解決したからか、ど深夜に隣の部屋から聞こえてくる兄貴のゲラ笑いのうるさい中でもおれは朝までぐっすり眠れた。
あの後新山さんとはすごい今更感あるけど、L◯NE交換をした。思いの外新山さんはマメなタイプで、今家に着いたとか今何してるとか色々教えてくれるから結構安心するしこっちが聞かなくても言ってくれるからなんとなく、大事にされてんだなーって思う。
「まじで付き合ったの?お兄さんの友達と?」
「うん。その人がおれのずっと好きだった人って言うのがわかったし、向こうも今までずっと片想いしてたらしいから告白させて付き合った。」
「...なんか強制みたいな言い方だな。」
昼休みに中庭のベンチで購買に行く有馬を待ってる時、千隼が内田に話した。相手が同性と言うこともあり話そうか迷ったけれど、遅かれ早かれそのうちバレることだし先に言うことにした。
「つか、話聞く感じ相手男っぽいなとは思ってたけどまじに男だったとはな。俺は偏見とかないしどうでもいいけど、お前のこと好きな女子たちが知ったらみんな死ぬよ。」
「内田だから言ったんだよ。まぁ後で有馬にも言うつもりだけど。それに新山さんに執着してるわけじゃないけど周りがどう思おうとおれからしたらどうでもいいし。」
「お前は本当に...。そのベビーフェイスでよくもまあそんな辛辣な言葉吐くわ。」
呆れたようにそう話す内田に「なりたくてこの顔に生まれたんじゃない。」と不貞腐れたように千隼が返した。
「お待た~、購買激混み!やっぱ唐揚げ弁当の日は来る時にコンビニで買っとくべきだったよ。」
パンとおにぎり片手に二人に手を振りながら帰ってきた有馬が千隼の隣に座るとふと頬を膨らす千隼に目をやった。
「あれ、なんでちーちゃんそんなぶすくれてるの?」
「...内田に聞いて。」
嫌そうに答える千隼に内田はため息をつきながら話をした。
「え、ちーちゃん付き合ったの~!?」
いきなり大きな声を出す有馬に「うるさい。」と千隼が言った。
「ごめんごめん、驚いちゃって!...え~、本当に上手くいっちゃったんだ~。おめでと!」
「......ありがと...ってそこじゃない。」
相変わらず外方を向く千隼に有馬は機嫌を取るように、自販機で買ってきたバナナオレを飲ませた。
「それはちーちゃんの地雷踏んだうっちーが悪いわ。...ほらほら、そんな顔してたら格好良い顔が台無しだよ。ちーちゃんは格好良いし可愛い素敵な顔してると思うよ~?」
「さすが有馬...百点満点のはなまるあげちゃう。有馬とも付き合いたい。」
千隼は有馬の肩にもたれながら話した。
「俺もちーちゃんと付き合いたい~!今の子と別れたら俺に乗り換えていいよ!めっちゃ甘やかしてあげる。」
「はぁ......付き合ってらんねぇな。」
千隼と有馬のやり取りを見ていた内田は呆れたように吐き捨て立ち上がって伸びをした。そしてふと顔を上げると、教室の窓から千隼の事を見てはしゃいでいる女子たちを見つけた。
「...こんなわがまま王子のどこかいいんだか。」
そう小さな声で呟くと、まだベタベタする二人に中に割って入った。
「へ~、新山さんって居酒屋で働いてるんだ。」
家に帰った千隼が部屋でゴロゴロしてると、家に遊びにきた新山が千隼の部屋に入ってきて二人で話をしていた。
「あれ、言ってなかったっけ?ピアスもOKだし髪色も自由だから結構働きやすいよ。」
「聞いてないよ。いつもバイト行ってくるって言ってたけどどこで働いてんだろうって思ってたし。いつから働いてるの?あ、あと何曜日とか決まって......なんでおれの顔見て笑ってるの?」
顔をじっと見て微笑む新山を見て、怪訝そうに千隼が首を傾げた。そんな千隼の手を取って自分の方に引き寄せた。バランスを崩した千隼が新山の胸元に倒れ込むと驚いたように新山の顔を見上げた。
「えっ、な...なに、?」
「んーん、可愛いなって思って。敬語やめてくれたの超嬉しい。あとこれからは気になった事あったら全然聞いてくれていいよ。俺千隼くんに聞かれて嫌な事ないしむしろ興味もってくれてんのかなって嬉しくなるわ。」
サラッとそう話す新山に「...慣れてるね。」とボソッと呟いた。
「...ん?なんか言った?」
「言ってない。...じゃあ聞くけど新山さん今まで何人と付き合ってきた?」
「なかなか攻めた質問いきなりするね。三人かな。」
淡々と答える新山を見て千隼は目を逸らした。
「どうしたの?」
突然顔色を悪くする千隼を見て新山が心配そうに聞くと千隼は新山に抱きついた。
「...?千隼くん?」
「......なんか体調悪いかも、横になりたい。」
耳元でそう言った千隼のことを新山は抱き上げ、ベットに運んだ。そして布団をかけると額に手を当てながら話した。
「熱は...無さそうだけどちゃんと休んでて。コンビニ行って飲み物とかちょい買ってくる。」
千隼の頭を優しく撫でるとそそくさと出ていく新山を見届けて千隼は起き上がった。
......なんだこの気持ち。別に今までどんな人と付き合ってようがどうでもいいのに、おれにかける言葉とか仕草がいちいち恋人っぽくて今までもそうやって他の人にもしてきたんだって思うと、なんと言うか。
「......嫌だな。」
ふと自分の口から出た言葉に焦り口を閉ざした。
違う。これはきっと付き合ったからだ。自分の中で変に新山さんのこと意識しちゃってそれでこうなってるだけだ。考えてみれば新山さんは前からこんな感じだったし恋人になったからってどうこうしてくる感じでもないし...おれだけ色々考えてても馬鹿みたいだしあまり考えこむのはやめよう。
もう一度横になると急いで出ていったからか枕元に置いていった新山の携帯を見つけて千隼は手に取った。
「新山さんの携帯...?置いていっちゃったんだ。」
そう呟いてまた携帯を戻そうとした時、通知が鳴り画面が明るくなった。
「秋冬くんこの前はありがとう!また一緒にお出かけしたいな。」
画面にそう表示されたメッセージを見て千隼は言葉を失った。
「文面からして明らかに女だしなんとなく男の勘でこの感じは絶対新山さんに好意あるわ......。」
千隼はその後、何も考えないようにと布団を頭まで被るとそのまま目を閉じ新山が帰ってくるまでになんとか平常心を保った。
あの後新山さんとはすごい今更感あるけど、L◯NE交換をした。思いの外新山さんはマメなタイプで、今家に着いたとか今何してるとか色々教えてくれるから結構安心するしこっちが聞かなくても言ってくれるからなんとなく、大事にされてんだなーって思う。
「まじで付き合ったの?お兄さんの友達と?」
「うん。その人がおれのずっと好きだった人って言うのがわかったし、向こうも今までずっと片想いしてたらしいから告白させて付き合った。」
「...なんか強制みたいな言い方だな。」
昼休みに中庭のベンチで購買に行く有馬を待ってる時、千隼が内田に話した。相手が同性と言うこともあり話そうか迷ったけれど、遅かれ早かれそのうちバレることだし先に言うことにした。
「つか、話聞く感じ相手男っぽいなとは思ってたけどまじに男だったとはな。俺は偏見とかないしどうでもいいけど、お前のこと好きな女子たちが知ったらみんな死ぬよ。」
「内田だから言ったんだよ。まぁ後で有馬にも言うつもりだけど。それに新山さんに執着してるわけじゃないけど周りがどう思おうとおれからしたらどうでもいいし。」
「お前は本当に...。そのベビーフェイスでよくもまあそんな辛辣な言葉吐くわ。」
呆れたようにそう話す内田に「なりたくてこの顔に生まれたんじゃない。」と不貞腐れたように千隼が返した。
「お待た~、購買激混み!やっぱ唐揚げ弁当の日は来る時にコンビニで買っとくべきだったよ。」
パンとおにぎり片手に二人に手を振りながら帰ってきた有馬が千隼の隣に座るとふと頬を膨らす千隼に目をやった。
「あれ、なんでちーちゃんそんなぶすくれてるの?」
「...内田に聞いて。」
嫌そうに答える千隼に内田はため息をつきながら話をした。
「え、ちーちゃん付き合ったの~!?」
いきなり大きな声を出す有馬に「うるさい。」と千隼が言った。
「ごめんごめん、驚いちゃって!...え~、本当に上手くいっちゃったんだ~。おめでと!」
「......ありがと...ってそこじゃない。」
相変わらず外方を向く千隼に有馬は機嫌を取るように、自販機で買ってきたバナナオレを飲ませた。
「それはちーちゃんの地雷踏んだうっちーが悪いわ。...ほらほら、そんな顔してたら格好良い顔が台無しだよ。ちーちゃんは格好良いし可愛い素敵な顔してると思うよ~?」
「さすが有馬...百点満点のはなまるあげちゃう。有馬とも付き合いたい。」
千隼は有馬の肩にもたれながら話した。
「俺もちーちゃんと付き合いたい~!今の子と別れたら俺に乗り換えていいよ!めっちゃ甘やかしてあげる。」
「はぁ......付き合ってらんねぇな。」
千隼と有馬のやり取りを見ていた内田は呆れたように吐き捨て立ち上がって伸びをした。そしてふと顔を上げると、教室の窓から千隼の事を見てはしゃいでいる女子たちを見つけた。
「...こんなわがまま王子のどこかいいんだか。」
そう小さな声で呟くと、まだベタベタする二人に中に割って入った。
「へ~、新山さんって居酒屋で働いてるんだ。」
家に帰った千隼が部屋でゴロゴロしてると、家に遊びにきた新山が千隼の部屋に入ってきて二人で話をしていた。
「あれ、言ってなかったっけ?ピアスもOKだし髪色も自由だから結構働きやすいよ。」
「聞いてないよ。いつもバイト行ってくるって言ってたけどどこで働いてんだろうって思ってたし。いつから働いてるの?あ、あと何曜日とか決まって......なんでおれの顔見て笑ってるの?」
顔をじっと見て微笑む新山を見て、怪訝そうに千隼が首を傾げた。そんな千隼の手を取って自分の方に引き寄せた。バランスを崩した千隼が新山の胸元に倒れ込むと驚いたように新山の顔を見上げた。
「えっ、な...なに、?」
「んーん、可愛いなって思って。敬語やめてくれたの超嬉しい。あとこれからは気になった事あったら全然聞いてくれていいよ。俺千隼くんに聞かれて嫌な事ないしむしろ興味もってくれてんのかなって嬉しくなるわ。」
サラッとそう話す新山に「...慣れてるね。」とボソッと呟いた。
「...ん?なんか言った?」
「言ってない。...じゃあ聞くけど新山さん今まで何人と付き合ってきた?」
「なかなか攻めた質問いきなりするね。三人かな。」
淡々と答える新山を見て千隼は目を逸らした。
「どうしたの?」
突然顔色を悪くする千隼を見て新山が心配そうに聞くと千隼は新山に抱きついた。
「...?千隼くん?」
「......なんか体調悪いかも、横になりたい。」
耳元でそう言った千隼のことを新山は抱き上げ、ベットに運んだ。そして布団をかけると額に手を当てながら話した。
「熱は...無さそうだけどちゃんと休んでて。コンビニ行って飲み物とかちょい買ってくる。」
千隼の頭を優しく撫でるとそそくさと出ていく新山を見届けて千隼は起き上がった。
......なんだこの気持ち。別に今までどんな人と付き合ってようがどうでもいいのに、おれにかける言葉とか仕草がいちいち恋人っぽくて今までもそうやって他の人にもしてきたんだって思うと、なんと言うか。
「......嫌だな。」
ふと自分の口から出た言葉に焦り口を閉ざした。
違う。これはきっと付き合ったからだ。自分の中で変に新山さんのこと意識しちゃってそれでこうなってるだけだ。考えてみれば新山さんは前からこんな感じだったし恋人になったからってどうこうしてくる感じでもないし...おれだけ色々考えてても馬鹿みたいだしあまり考えこむのはやめよう。
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「新山さんの携帯...?置いていっちゃったんだ。」
そう呟いてまた携帯を戻そうとした時、通知が鳴り画面が明るくなった。
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画面にそう表示されたメッセージを見て千隼は言葉を失った。
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