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21◆ベルモット視点
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例の男性用下着専門店がある町について、僕達は宿に泊まった。
その宿で、僕はとても困った状態に陥っている。
何故かと言うと、ベッドが二つある部屋を頼んだはずなのに、何故かそこにあるベッドはちょっと大きいベッドが一つあるだけなんだ。
おかしい!頼んだ内容と違う!
「マリアベル様、部屋を間違えたようです。出ましょう!」
「あら、間違えていないわよ?この部屋を頼んだのよ」
「え……?」
妖しく微笑むマリアベル様。
彼が僕に近づいてきて、僕はつい後ろに後退る。
「可愛いわね。そろそろ私のことを、ルチルと呼んでくれてもいいんじゃないかしら。そうでしょ?ベルモット」
「っ!!」
この旅が始まってから、少しおかしいと思うところは何度かあった。
マリアベル様は、とてもスキンシップが多いのだ。
でも、そういう人なんだと思っていつも特に何も思わなかった。
名前呼びにしようと何度も言われたけれど、相手が畏れ多くて僕は名前呼びを何度も断っていた。
しかしこの状況で、おそらく僕は断ることができないだろう。
そもそも、逃げることができないだろう。
相手は副団長で、僕はただの魔術師。
魔術は得意でも、素晴らしいと言えるほど優秀ではなく、肉体派ではあるけれど副団長ほど強いわけでもない。
僕は、一般の騎士ぐらいの強さしかないんだ。
マリアベル様に僕はベットに押し倒され、かなり僕の心の中ではパニック状態になっている。
まさかとは思うけれど、そんなはずはないと思うけれど、マリアベル様は……僕を襲うつもりなのだろうか!?
こんな美人がそんなことあるはずないけれど、もしそうなのだとしたらどうやってそのピンチを切り抜ければいいのだろうか!?
冷や汗をダラダラとかく僕に対して、マリアベル様は余裕の微笑みで僕の唇を指で撫でた。
「ねぇ、私の事をルチルと呼んでみて?」
「し…しかし………」
「呼ばないなら、このままキスをするけれど………いいのかしら」
マリアベル様の顔が近づいてきて、吐息を口元に感じた僕は、咄嗟にマリアベル様の名前を呼んだ。
「ルチル様!!」
「ふふ、本当に可愛い子ね。ベルモット」
チュッ!
名前を呼んだのに、ルチル様は僕にキスをして優しく微笑んだ。
そして、僕はキャパオーバーでそのまま気絶してしまったのだった。
その宿で、僕はとても困った状態に陥っている。
何故かと言うと、ベッドが二つある部屋を頼んだはずなのに、何故かそこにあるベッドはちょっと大きいベッドが一つあるだけなんだ。
おかしい!頼んだ内容と違う!
「マリアベル様、部屋を間違えたようです。出ましょう!」
「あら、間違えていないわよ?この部屋を頼んだのよ」
「え……?」
妖しく微笑むマリアベル様。
彼が僕に近づいてきて、僕はつい後ろに後退る。
「可愛いわね。そろそろ私のことを、ルチルと呼んでくれてもいいんじゃないかしら。そうでしょ?ベルモット」
「っ!!」
この旅が始まってから、少しおかしいと思うところは何度かあった。
マリアベル様は、とてもスキンシップが多いのだ。
でも、そういう人なんだと思っていつも特に何も思わなかった。
名前呼びにしようと何度も言われたけれど、相手が畏れ多くて僕は名前呼びを何度も断っていた。
しかしこの状況で、おそらく僕は断ることができないだろう。
そもそも、逃げることができないだろう。
相手は副団長で、僕はただの魔術師。
魔術は得意でも、素晴らしいと言えるほど優秀ではなく、肉体派ではあるけれど副団長ほど強いわけでもない。
僕は、一般の騎士ぐらいの強さしかないんだ。
マリアベル様に僕はベットに押し倒され、かなり僕の心の中ではパニック状態になっている。
まさかとは思うけれど、そんなはずはないと思うけれど、マリアベル様は……僕を襲うつもりなのだろうか!?
こんな美人がそんなことあるはずないけれど、もしそうなのだとしたらどうやってそのピンチを切り抜ければいいのだろうか!?
冷や汗をダラダラとかく僕に対して、マリアベル様は余裕の微笑みで僕の唇を指で撫でた。
「ねぇ、私の事をルチルと呼んでみて?」
「し…しかし………」
「呼ばないなら、このままキスをするけれど………いいのかしら」
マリアベル様の顔が近づいてきて、吐息を口元に感じた僕は、咄嗟にマリアベル様の名前を呼んだ。
「ルチル様!!」
「ふふ、本当に可愛い子ね。ベルモット」
チュッ!
名前を呼んだのに、ルチル様は僕にキスをして優しく微笑んだ。
そして、僕はキャパオーバーでそのまま気絶してしまったのだった。
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