不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21

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1◆ラウロ視点

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やぁ、皆さん!

僕はラウロという名前です。

今日15歳になった大人です。

この世界は、成人年齢が15歳なんですよ。

僕はこの日を、ずっとずっとずっとずっとずっと………待っていたんです。

だって、成人したら、この国から逃げやすいですから!

ふふふ、皆さん。

ちょっと僕の話を聞いてください。

僕は、前世の記憶があります。

日本という平和な国で、幸せに暮らしていたんですよ。

しかし、気づけば僕はラウロとして生きていました。

ラウロとしての年齢が9歳の頃の話です。

ラウロは、7歳から聖女として無理矢理労働させられていました。

この世界は、男しかいない世界です。

そして、人間は『自分たち人間こそが、もっとも素晴らしい種族』と思って、他種族を差別していました。

そのウジ虫……害虫……ゴミ……ゴミでいいですかね?

ゴミたちにとっての、生け贄にされてきたのは聖女と呼ばれる奴隷たちでした。

聖女と言えば、罪悪感が減るんですかね?

魔力の高い子供を強制的に働かせ、自分たちに逆らえないように恐怖を植え付けるんです。

その者の魔力がなくなっても、死ぬまで労働を強いられる。

そんなの、奴隷としか言い様はありませんよね?

ラウロも、その聖女だったんですよ。

ラウロは………恐らくですが、心が死んだのでしょう。

僕はそう思っていますよ。

こんな、子供には過酷としか言い様のない場所で、幼い心でよく耐えました。

後は任せてください。

他の聖女たちも、ついでに助けますよ。

皆で、人間にざまぁをしませんか?

きっと楽しいことでしょう。

さぁ、皆さん。

「一緒に闇落ちしませんか?」

僕の手を取る皆は、僕にすがる眼差しを向けていました。

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