転生したら、ラスボス様が俺の婚約者だった！！

6◆シルビア視点

「なぁ、俺って勉強とか仕事とかしなくていいのか？」

「ジオルドは、ずっと僕の側にいてくれたらいいの！勉強も仕事も、僕を愛する時間を削っちゃうからしなくていいんだよ！」

勉強に仕事………そんな余計なことより、もっと僕のことだけを考えてよ！

そうだ！

勉強なら、僕のことをいっぱい学ぶといいんだよ！

僕のことをいっぱい知って、もっともっと愛してよ。

あぁ、素敵だよね！


ねぇ、君は僕の仕事を知ったら………どう思うのかな？

君に言うつもりはないけれど、知ったら僕のために泣いてくれるかな？

僕のために泣く君は、きっと綺麗だろうけれど………僕は君を悲しませたくないから、教えないままずっと生きよう。

二人で、永遠に、婚約者のまま………ずっと。



僕を倒した主人公達が、またハッピーエンドを迎えた。

血を流して倒れる僕は、主人公達が去ると起き上がる。

何度も繰り返された僕の仕事………ラスボスは、孤独な仕事だった。

けれど、今は君がいる。

「ふふ。早く部屋に戻らないと、ジオルドが寂しがるよね！待っていてね。すぐに行くよ」



君がいる。

ただそれだけで、ラスボスは幸せになれる。