2 / 5
2◆ラグナロク視点
しおりを挟む
私はため息をついた。
それだけで周りの人達がビクビクと怯え、私から距離をとる。
私の何が怖いんだと言いたくなるが、怖いものは怖いらしい。
何かした覚えはないんだがな……昔からなので仕方ない。
………もう慣れた。はぁ。
そんな私は恋をしている。
あれは忘れられない出会いだった。
大切な記念日として、必ず毎年その日を祝おうと思っているほどだ。
クロスとの出会いは中等部3年の頃。
ちなみに今は高等部1年だ。
この王立魔術学園は、初等部中等部高等部とがありエスカレーター式だ。
魔術学園とあるように、魔力持ちが通う学園で、主に貴族や王族がいる。
主な魔力持ちは貴族や王族だからだ。
魔力を持っているとわかった平民も、貴族が養子にするという形で通っている。
まぁ、平民の魔力持ちはかなりのレアだが。
クロスは、中等部に途中編入でやってきた。
魔力持ちだと判明した平民だったからだ。
ジェネシス伯爵家に養子として引き取られ学園入学。
彼はいつも無気力で、身だしなみが適当だった故に皆から距離をとられていた。
ある日私が校舎裏で、学園敷地内に迷い混んだらしい猫を触ろうとしたことがあった。
威嚇された上に手を爪でざっくりやられ、挙げ句逃げられたがな………。
私が傷心していると、たまたまクロスがやってきて私の血の流れる手をみてびっくりして、急いで手当てをしてくれたんだ。
その時に私は気づいた。
クロスは、私に対して怯えていないと………。
私に対して普通に話をするし、こうして身体にも触れてくれる。
今までだったら、問答無用で怯えられていたのにも関わらず、クロスはその様子が欠片もない。
私を慕う親衛隊という子達はいるけれども、その子達にとって私は怖がる対象ではないが、崇める対象ではある。
ほとんどの人が私を怖がり、一部が私を崇めるといった具合だ。
………いつも私は寂しかった。
でも、クロスは私を怖がりも崇めもしない。
もしかしたら、何も興味がないという可能性もありはするが………。
「気をつけてね」
「あぁ、ありがとうございます。………あの、私の第一印象ってなんですか?」
「いきなりな質問だね」
わからないことは素直に聞くべきだと言うじゃないか。
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥というだろう?
クロスは私をみつめて、そして答えてくれた。
「エロイね」
「エロ………っ!?」
エロイということは、興味がないなんてことはないはずだ。
そして、私を怖がりも崇めもしない。
さらに、私の怪我を手当てしてくれた。
いろいろな理由が重なり、私はクロスに惚れてしまったのだった。
………ちなみに、クロスが手当てをしたから惚れたのであって、他の誰かが手当てをしていたら惚れなかったとは思っている。
根拠はないがな。
それだけで周りの人達がビクビクと怯え、私から距離をとる。
私の何が怖いんだと言いたくなるが、怖いものは怖いらしい。
何かした覚えはないんだがな……昔からなので仕方ない。
………もう慣れた。はぁ。
そんな私は恋をしている。
あれは忘れられない出会いだった。
大切な記念日として、必ず毎年その日を祝おうと思っているほどだ。
クロスとの出会いは中等部3年の頃。
ちなみに今は高等部1年だ。
この王立魔術学園は、初等部中等部高等部とがありエスカレーター式だ。
魔術学園とあるように、魔力持ちが通う学園で、主に貴族や王族がいる。
主な魔力持ちは貴族や王族だからだ。
魔力を持っているとわかった平民も、貴族が養子にするという形で通っている。
まぁ、平民の魔力持ちはかなりのレアだが。
クロスは、中等部に途中編入でやってきた。
魔力持ちだと判明した平民だったからだ。
ジェネシス伯爵家に養子として引き取られ学園入学。
彼はいつも無気力で、身だしなみが適当だった故に皆から距離をとられていた。
ある日私が校舎裏で、学園敷地内に迷い混んだらしい猫を触ろうとしたことがあった。
威嚇された上に手を爪でざっくりやられ、挙げ句逃げられたがな………。
私が傷心していると、たまたまクロスがやってきて私の血の流れる手をみてびっくりして、急いで手当てをしてくれたんだ。
その時に私は気づいた。
クロスは、私に対して怯えていないと………。
私に対して普通に話をするし、こうして身体にも触れてくれる。
今までだったら、問答無用で怯えられていたのにも関わらず、クロスはその様子が欠片もない。
私を慕う親衛隊という子達はいるけれども、その子達にとって私は怖がる対象ではないが、崇める対象ではある。
ほとんどの人が私を怖がり、一部が私を崇めるといった具合だ。
………いつも私は寂しかった。
でも、クロスは私を怖がりも崇めもしない。
もしかしたら、何も興味がないという可能性もありはするが………。
「気をつけてね」
「あぁ、ありがとうございます。………あの、私の第一印象ってなんですか?」
「いきなりな質問だね」
わからないことは素直に聞くべきだと言うじゃないか。
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥というだろう?
クロスは私をみつめて、そして答えてくれた。
「エロイね」
「エロ………っ!?」
エロイということは、興味がないなんてことはないはずだ。
そして、私を怖がりも崇めもしない。
さらに、私の怪我を手当てしてくれた。
いろいろな理由が重なり、私はクロスに惚れてしまったのだった。
………ちなみに、クロスが手当てをしたから惚れたのであって、他の誰かが手当てをしていたら惚れなかったとは思っている。
根拠はないがな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
71
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる