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9◆ジルベルト視点

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お兄ちゃんの脱いだパンツを鼻に押し当て、お兄ちゃんの匂いをクンクン。

はぅ♡お兄ちゃん♡

僕が洗濯前のお兄ちゃんのパンツの匂いを思う存分に嗅いでいることを知らないお兄ちゃんは、今日も無防備にパンツを洗濯カゴに入れていた。

あぁ、早く大人になりたいなぁ。

大人になったら、お兄ちゃんを性的にも愛せるようになれるのに、僕はまだ幼い。

こんな未熟な身体じゃ、お兄ちゃんを満足させられないよ!

僕は、お兄ちゃんとのあはんうふんな妄想を夢みながらパンツを洗濯した。



翌日。

目が覚めたら知らない場所にいた。

「お兄ちゃん……どこ?」

何が起きたのかわからないけれど、とても綺麗で豪華な部屋の大きなベッドで、僕は寝ていたんだ。

お兄ちゃんがいない。

僕のお兄ちゃんがいない。

僕は、本能のように気配を消して近くにいる人を探しだした。

「静かにしろ。でなければ殺す。ここはどこ?」

武器なんてないけれど、殺気だけでも人って死ぬんだよ。

だから、僕は相手にそれを向ける。

怯えた相手は、向けられた殺意にガクガク震えながら答えてくれた。

「……魔王…ラーミナル様の城にございます………」

「ふーん」

なんでその魔王ラーミナルの城に、僕がいるんだろう?

「何故僕がここにいる?」

「よ…嫁にすると……おっしゃ………」

バタリ。

相手は床に倒れ、そのまま冷たくなった。

くだらないことを言ったからね?

僕を嫁にするなんて、本当にくだらない。

僕を嫁にしていいのは、お兄ちゃんだけなの。

だから、僕は………。

魔王ラーミナルを暗殺した。

だって、ふざけたこと考える愚か者なんだもん。

僕とお兄ちゃんの愛を引き裂いていいわけないでしょ?

そんなの即処刑でいいよね♡

僕は、誘拐犯(ラーミナル)を倒した後は何事もなかったように転移で帰宅した。

まだ時間は夜中だったみたいで、お兄ちゃんはすやすや眠っていた。

あぁ♡

お兄ちゃんに癒されるぅ~♡

僕は、いつも以上にお兄ちゃんの寝顔をみつめ、匂いを嗅ぎ、ペロペロをした。



「ジル、おはよう!」

「お兄ちゃん、おはよう!」

大好きなお兄ちゃん。

邪魔者が現れても安心してね!

邪魔者は僕が退治しちゃうから、誰にも僕達を引き離せないよ!

ずっとずっと一緒にいようね。



数日後、魔王の死に世界が驚いたらしいけど、僕しーらない♡







読んでくれてありがとうございました!
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みんなの感想(1件)

虎太郎
2023.11.11 虎太郎

面白かったです🎵( ´∀` )b笑ったぁ~

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