暗殺者を極めたら職業が【死神】になってた件について

斎宮蓮太郎

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01 ここはどこだ?

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――――生きてる。


「あれ、何で生きてんの?」


ん?声に違和感を感じる。


「あーあーあー」


・・・声が幼い。


ていうか、ここどこだ?


・・・森だ。だが俺はそんなことを知りたいんじゃない。ここがどこの森で何故居るのか。



そして俺は死んだはずなのに何故か生きている。全身を見ても出血している様子はない。むしろ視点が低く、身長が縮んだというより若返ったと言う感じだ。


いや、ありえないんだが・・・
死んだのは夢か?ならここはどこだ?


まあいい。進むか。
俺は考えても仕方ないと踏ん切りをつけて歩き出した。


「む、狼?」


しばらく進むと狂ったように敵意をむき出しにしている狼らしき生き物がいた。


「ここは日本ではないのか?」


ますます意味がわからない。日本でないのだとしたらここはいったい何処だというのか。


ああ、そうか。
娘を助けて死にかけたのが夢だとしたら俺はまだドイツということになるのか?


もう拉致が明かない。考えることを放棄することにした。


「ガルルル・・・ガウッ!」


「おおっと」



考え事をしていると狼が襲ってきた。狂犬病みたいだ。噛まれるのはまずい。
かと言って武器らしきものもない上に何故だかこの体は力が弱い。

これでは頭蓋骨を握りつぶすことも出来ない。


「仕方ないか」


とりあえず隙をついて目を抉り視界を奪う。しかし、嗅覚は厄介だ。


とりあえず悶えている間に首に膝蹴りを食らわす。


「おっ、いい感じに入ったな」


あとはその辺に落ちてた木の棒を首に突き立て、確実に絶命させる。


「ん?なんだこれ?うわっ、本格的に病気か?」


絶命した狼の胸に石がぽこりと出てきた。
宝石のようだ。それにしても何の病気だろう。この辺の人に聞いてみようと、直接触らずに葉っぱに包んで持っていくことにした。


しかし、こんなやつがいるのか。
早いとこ森を出ないとな。


しばらく歩くと街らしき所が見えてきた。外壁に守られており、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。


近づいてみると何故か門番が近づいてきた。


うおっ、でか・・・って俺が小さくなったのか。体感で165くらいだから門番は190くらいだ。


「どうしたんだ、君。大丈夫か?」
「え?・・・はい、大丈夫ですけど。何かあったんですか?」


いやまて、俺今何語を話している!?あらゆる言葉を習得した俺が聞いたこともない言葉。にもかかわらず母国語のように話すという現象。
いよいよ本格的に理解が追いつかない。いや、追いついてはいるか。これまでの常識がこの現実を受け入れられていないんだ。


「何かあったんですかって・・・その血だらけの服、何かあったとしか思えないだろう」
「え?服?」


あー、失念していた。俺の服は白いシャツで返り血が目立っていた。明らかに危険人物だ。


「いや、これは狼に襲われて・・・」
「大変だ!ちょっと医務室まで来なさい」
「え、いやあの・・・わっ」


どうこう言う前に大柄な男に強引に連れていかれる。流石に善意の行動に警戒して避けたりはしない。ここは黙ってついていく。が、やり方は拉致と変わらない。俺でなかったら逃げているくらいだ。
おそらく、なにやら国章のようなものがついた鎧を着ていることから、国に属する兵のようなものか。



医務室・・・というよりただの小さな小部屋に連れてこられた。常に番が警戒している門を潜り、すぐそこにある建物だ。


「ふむ。怪我はしていませんね」


俺を診た医者がそう告げた。


「何?ならこの血は何だ?」

「だから返り血ですよ、おかしな狼の。あ、そうだ。死んだ後に胸に石が浮かんできたんですけど何か知りませんか?」


俺はそう言って石を取り出した。


「な!?これは魔石ではないか!本当に倒したと言うのか!子供にしては大した実力だ・・・」

「だから倒したと何度も言っているでしょう」

「うーむ。大した装備もしていないのに成人していない子供が倒すとは・・・」


話を聞かないおっさんだ。それにしてもか。なんとなく察しはついていたがこうもはっきりと他人の口から言われるとな・・・俺は別に童顔ではなかったし、二十後半の年齢相当の顔立ちだったと思う。少なくとも子供に間違えられることなどなかった。


つまり、俺はよくわからない場所に若返って飛ばされたということだ。
本当に、ファンタジーみたいだなと苦笑いする。すると必然的にすることは決まってくる。


「お兄さん、ここってどこかわかる?」


とりあえず情報収集といこう。


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