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 清楚でセックスに積極性の無い茉莉花がスキンを何に使うってんだ。

 あれは男性器に被せる以外に使い道は無いだろうが。

 興味本位で開けてしまって埋め合わせをしたのか?だったらそう言ってくれれば良いのに。


 茉莉花はしばらく黙り込んで、俺の興奮もどこへやらですっかり醒めてしまった。

 せっかく下着セックスなんて新境地を開拓できたのに、つまらない誤解で駄目になるなんて馬鹿げている。

 俺が納得できる理由を無理矢理にでもり出して安心させてくれ…口を拭ってため息を吐けば、背中に柔らかい接触を感じた。


「空くん……あの、本気で、引かないで欲しいんだけど…」

 自供はか細い声で、澄ませなければ聞き取れないほどの囁きだった。

「うん、聞くだけ聞くよ」

「あの、お、お、おもちゃに、使ったの…」

「は?ゴムで遊んだの?」

 風船にでもしたのか。

 素っ頓狂な声で振り返れば茉莉花は首から鎖骨から全身をピンクに染めて、

「違、う……あの、オトナの、おも、ちゃ…」

項垂うなだれる。


「は……はぁ?」

「おもちゃ、し、知ってるでしょ」

「…バイブとかディルドとかか?」

「そ、う……空くんのスキン借りて、使ったの…」

 しおしおと萎える茉莉花はまた泣きそうで、俺は話を止めてなるものかと彼女を抱き締めてポンポン肩を叩き調子を取った。

「…あのさ、俺、茉莉花っててっきり、その…エッチとか好きじゃなくて、俺に付き合ってくれてるもんだと思ってたんだけど」

「…ごめんなさい」

「いや、俺こそ…あれか?ほら、俺に慣れる為に練習したのか?」


 そこまで苦痛だったか、慣らさなければ乗り切れないほどに苦行だったか。

 しかし次なるショックを受け止めるために息を呑んでいると、茉莉花は「違うの」と断ってもじもじ膝を擦り合わせる。

「わ、私、その…け、結構、エッチ、好きなの…」

「え、そうなのか?」

「うん…でもその、空くんは私のこと、純だとか大人しいとか褒めてくれるから、もっと、シたいとかって、私からは言えなくて…足りなくて…ストレスなのか肌荒れしちゃって会社でも注意されるし、スッキリした方が良いのかなって、む、ムズムズしちゃって、お、おもちゃ、買ったの、」

「なーるほどー…」


 何だよ早く言えよ、俺が勝手に貞淑だの清楚だの言っていただけで茉莉花はいけるタイプだったのか。

 それなのに月に数回しかお誘いが無いもんだから辛抱堪らなかった訳だ。

 いじらしい答え合わせに股間がほんのり熱くなる。
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