清純派彼女には秘密なんて無い、よね?

茜琉ぴーたん

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 さて勤務中、昼休憩にスマートフォンを確認すると
『心臓がぴこぴこ動いてたよ!
 母子手帳も交付してもらった!
 あと婚姻届も持って帰るね!』
と元気なメッセージが届いていた。
 親にはまだ報告していないのだが、茉莉花は親受けも良いし問題は無かろうかと思う。茉莉花の親御さんも同様で、同棲=婚約と捉えていた節があるから反対されないと踏んでいる。



 帰宅後。
「ただいま」
「お帰り♡これ見て、エコー、こんな小っちゃいんだけどね、胃と心臓のピコピコが見えたんだよ」
「おー、凄いな…こっちは母子手帳か…交付、旧姓になっちゃって悪いな」
「気にしないから良いよ」
 何でもない会話が有り難い、当たり前の幸せが身に染みる。
 夕食を摂ったら二人で気を付けながら婚姻届を記入して、それぞれの親に電話で報告をした。

「怒られなかったね」
「俺らの親世代は、同棲の時点で結婚の意志ありと見做すとこあるからな…ともあれ良かったわ。また改めて挨拶には行くけども」
「証人欄は同僚に書いてもらったし、あとは提出だけー」
「助かったわ」
 ちなみにだが、茉莉花は出産まではこれまでと同じカウンター業務を続けるらしい。体調など様子を見ながら事務作業に移行して行き、産後は仕入れや買付けの方に回ることになるそうだ。
 テナントで入っている店とは違い茉莉花はニカイドーの雇用だから、いずれはフロアーの管理や運営に力を入れねばならないようだ。
「じゃ、明日届けるか。俺、明日休みだし」
「うん、お願い」
 住む所も変わらない、働く場所も変わらない。生活様式は大きく変わるだろうが俺たちの絆にも変わりはないだろう。



 翌日。
 俺は茉莉花を見送ってから役所へ出向き、婚姻届を提出した。
 呆気ないものだ、俺たちは簡単に夫婦になれた。もちろん嬉しいが率直な感想はそれだった。
 もし妊娠の話が無かったとしたらどのタイミングでプロポーズをしていたんだろう。考えても答えなんて無いが想像もつかない。
 キッカケとしては良かったのかな、授かり婚の後ろめたさをこうして正当化する俺だった。
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