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しおりを挟む自慰行為は好きにすれば良い。俺だって茉莉花が生理の時はこっそり処理している。
自分の「したい」気持ちと体力と時間的な余裕の兼ね合いが悪い際には、トイレでさっと抜いて就寝するようにもしている。
射精はストレス解消でデトックスだ。溜め込むと良くないし出せばスッキリして目の前が明るくなる。
さて茉莉花の自慰行為に性欲解消以外の目的があるのかね、見ているだけでは分かりそうにない。
どうせ今夜抱くんだし乱入しちまおうかな、ベルトのバックルを手で押さえて静かに解く。
「ん~♡空きゅん、きもちい、ん~」
「(いつ終わるんだろ)」
バイブの振動音で多少の物音には気付かれないみたい、俺は腰を下ろしてスラックスも脚から抜いた。
突然声を掛けると驚き過ぎて泣いてしまうだろうか。恥ずかし過ぎて息が止まってしまわないだろうか。
フィニッシュしてバイブを止めた時が良いのだろうな、俺は胸ポケットのスキンに手をかけその時を今か今かと待った。
「そら、くんッ♡しゅきぃ、しゅき、ん、ん~」
「(あー、たまんね)」
本物がここに居るというのに彼女は擬似棒に夢中で、何とも滑稽でならないが彼女の脳内に居るのもまた俺な訳で。
しかしバイブの直後に挿れるのは硬さの差があからさまで損しちゃうかも、手の中でギンギンになってはいるがその芯の鋭さは金属の骨組みには敵わないだろう。
一旦指で宥めてインターバルを置いて、それからぶち込もうとスキンを開封したその時、
「れちゃう、あ、あぁ~♡♡♡」
と茉莉花の甲高い声と共に生温かい飛沫が降ってきた。
「うわっ⁉︎」
「きゃっ⁉︎……そ、空くん⁉︎やだ、何で居るのぉ⁉︎」
「早く終わったから…落ち着け、茉莉花」
引き抜いた棒を短刀の如く携えたベビードール姿の茉莉花はふるふると震えていて、それは恥辱とか憤りとか色んな感情が入り混じっているらしかった。
隙を見て喉元を掻っ捌かん形相に驚いたのは俺の方で、とりあえず突っ込む状態ではなさそうなのでスキンを袋ごとシーツへ置く。
「空くん、ごめんなさい、濡れちゃった」
「へ?あぁ、良いよ」
「ごめんらさいぃ~…ばっちぃよね、嫌だよね、」
「落ち着け……なるほど、こんな跳ぶのか…エッチだな、茉莉花♡」
「やらぁ~」
着ていたベビードールに水分を吸い取る性質は無さそうなのに、それでも茉莉花は裾で俺の顔を拭いてくれた。
見せたいのか隠したいのか意図の不明な下着だな、だがそれ故に可愛いのか。
「茉莉花、それ可愛いな」
「あ、そぉ?えへへ…」
「乳首丸見えだけど」
「この透け感が魅力なん…あ、」
太ももに重なる裾を捲って奥をチラリ、下は穿いてないようだ。
「穿いてない…さっきまでアレ挿してたからか」
「う、うん…あの、ごめん、夕飯温める…」
「欲しくない?茉莉花」
「え、あ、あの…」
「欲しいならケツ向けて、どうする?」
ベッドの上でもたもたと膝を立てた茉莉花は、シーツに敷いていた薄い紙のシートを丸めて端に寄せる。ペットシーツというやつだろう、茉莉花の潮はほとんどがあれに吸収されているようだ。
そして茉莉花は犬みたいにくるくる旋回して、俺に白い尻を向けた。
「欲しい…空くん、」
「うん…ははっ、犬みたいだな」
「むぅ…」
スキンを着ける間の妙な時間は恥ずかしいものだ。
でも振り向かず表情を隠す彼女の口元は笑っているのが分かる。紅い頬が上がって唇を舐めているか、舌舐めずりでもしていたかもしれない。
「茉莉花、おねだりは?」
「…そ、空くん…ここ、に、挿れて下さい…」
肩をシーツに付けて尻を高く上げ両手で恥部をご開帳。ここまで下品なことをしなくても良いのだが、これが茉莉花が考える隷属スタイルなのだろう。
俺は茉莉花より上に立ちたいけどSMをしたい訳ではなくて、虐げるようなプレイは望んでいない。
尻肌をペチペチとモノで叩いて
「もっと可愛いらしくおねだりしてみて」
なんて言えば、茉莉花は尻を下ろしてお座りスタイルになる。
そして両手をグーにして胸の前で構えて、
「わ、わん………空くんの、お、おちんちん…茉莉花の、ここに…下さいな」
と振り返って見せた。
「かわい」
「きゃっ」
背中の窪みから尻の割れ目までの余白が可愛い。物欲しそうに涎を垂らす茂みだって可愛い。俺の形を覚えているはずなのに毎度新鮮に驚いてくれる気配りが可愛い。悦んでいるくせに無理矢理されているみたいな雰囲気を出すのも可愛い。
「桃太郎のお供みたいだな、ん、美味いか?」
「あふッ♡おいひい、れすッ♡空くんッ♡」
「ギチギチだな、エロ茉莉花」
「ごめん、らさいッ♡」
「わん、だろッ」
「わんン♡」
腰をがっちり掴んで交尾みたいに奥までしっかりと挿して、既にイッている茉莉花は意識が飛びそうなほどに蕩けては乱れた。
5分ほどで昇天、疼きつつ責めるのをやめずに続けて絶えず天国を見て、愛液でスキンが緩んでしまったところで一旦退いた。
「…大丈夫か?茉莉花」
「らい、じょおぶ…」
「ごめん、責め過ぎた」
「んーん、私が欲しがったから…ありがとぉ、空くん♡気持ち良かった♡」
くたっとベッドに倒れ込む茉莉花の体は全身ピンクに染まっていて、ベビードールが汗で張り付いてそれもまた色っぽい。
しかし茉莉花はくるりと身を返して仰向けになり、
「空くんイってないよね」
と申し訳なさそうにまたワンコの手になる。
「良いよ、また後で」
「ううん、ここ…お腹に掛けて良いよ?」
「……そう?」
茉莉花の可愛いランジェリーに掛かると悪いのだが、それごと汚すなんてのもオツなもんだと思わんでもない。
まだ猛りを帯びたモノを構えて膝立ちで茉莉花を跨いで、大きなモーションでスキンを外し見せつけるようにしこしこと扱いた。
「わぁ、あ、」
「ち◯ぽ見上げんの、どんな気分?」
「覗きしてるみたい…」
「へへっ……茉莉花、無防備だなぁ…あー…腹?顔はダメか?」
先っぽをクイと顔の方に向けると茉莉花は分かりやすく怯えて、「クゥン」と飼い主の機嫌を取る犬みたいに寂しい眉毛になる。
その眉間から口に渡りぶっ掛けてやりたいなぁ、でも泣かれると困るからしないでおくが。強引が好きでもセックスに限るだろう。男性器は汚いと感じるかもしれないしそこから出る精液なんて排泄物と同じに捉えられて仕方ない。
口淫はしてもらったことはあるが茉莉花からお願いされてだった。それも酒が入って良い調子になったから出来たことだ。茉莉花は酔いが覚めたら入念にうがいをしていたし、新しいステージに昇ったことを喜びつつも神妙な顔で唇を撫でていた。
しかも今茉莉花はイった後の賢者タイムで頭は冷静だろう…この可愛い顔が嫌悪で歪むところは見たくない。
「あの」
「良い、ヘソに出そうな、ん、ん、」
「おっぱいの上なら…良い、よ…」
「マジか」
しこしこしながらベビードールを捲る、すると何故だろう茉莉花の胸や腹に黒く墨のような汚れが広く付着しているのが分かった。軽く擦っても落ちない、ボディーペイントみたいに茉莉花の白い肌が染められている。
「…茉莉花、なんか汚れてる、色が付いてる」
「え?…あ、本当だ…染色剤かな」
「落ちる?」
「お湯ならたぶん」
輸入品の安価なものはたまにこういうことがあるらしい。汗で染料が溶け出して、体に付いてしまうのだという。
はて潮で濡れた俺の顔をさっきそれで拭かれたのだが、茉莉花が何も言わないところを見るとセーフなのだろう。
「茉莉花の肌が…可哀想に」
「大丈夫だよぉ…洗えば大丈夫」
「…ん…もうこんなの脱げよ…おっぱいに掛ける…んですぐ風呂入ろうぜ」
「うん、分かったぁ」
茉莉花はもぞもぞと濡れたベビードールを捲り上げて腕と頭を抜いて、シーツの心配なんかしつつ床に落とした。
そして改めて仰向けになり、犬で言うところの絶対服従なるポーズで俺を待つ。脇を締めて胸を寄せて、完全に承服は致しかねるといった面持ちで、それでも視線はしっかり俺を捉えて離さない。
「…茉莉花、ここどうなってる?」
「……スジがいっぱい…硬そう」
動く指の間をおずおず覗く上目遣いは、お誘いのサインみたいでゾクゾクする。
事故に見せかけてその顔に引っ掛けたい…いや、泣かせたくない。気心知れた仲でもNG行動をすれば信用は失墜し、ギスギスして最悪別れたりするかもしれない。
でもどうだろう、俺のことをこんなに好いている茉莉花なら許してくれるんじゃないの。視線に念を込めて彼女を見下ろす。
「……茉莉花、」
我ながら情けない苦悶の表情で構える角度を決めあぐねていると、茉莉花は悟ったような顔をして
「………良いよぉ」
と目を閉じた。
驚いた、茉莉花はエスパーなのかな。いやそれならお楽しみタイムを俺に覗かれるなんてヘマはしないか。
良いんだろう、良いんだよな、ダメなら額に穴が開くくらい土下座して詫びてどんな罵倒の言葉だって受け止める。
「(茉莉花、)」
じりじり膝を動かせばマットレスが沈んで標的が揺れる。きちんと構えて髪には掛からないようにしてあげたい、でも洗うんなら一緒かな。保身と労わりと時々投げやりな気持ちが交錯した。
「(ええい、ままよ、)」
ちゃんと覚悟をさせてあげたかったが拒まれるのが恐くて号令が掛けられなかった…
「茉莉花、出るッ……あ、あ、」
彼女の顔よりもっと白い塊が、右頬から唇を縦断して顎先まで伸びた。
「……ふあ…」
口を開けずもごもご言う茉莉花の姿をモノ越しに見下ろせば、「やっちまった」と自責の念が膨れ上がる。
「あ、口開けなくて良い、すぐ拭くから!」
「ゔん…」
「ごめん、顔に……ごめんな、ごめん」
ティッシュで口をまず拭いて取り替えて、これ以上精液の面積が拡がらないよう丹念に掃除する。
飲ませたいなんて味合わせたいなんて思ってないんだ。茉莉花の可愛い顔が苦痛に歪むなんて…恥じらいを除いた単純な苦痛の顔なんて見たくないんだ。
「……ゔー」
「すぐ風呂入ろうな」
気持ち良いのは一瞬だけで、飛び出した子種が茉莉花の顔に着地するまでにもう俺は後悔していた。
いざとなれば謝るなんて思っていても、「茉莉花は何でも許してくれるだろう」という驕りがあった。でも「本気で冷めた顔で怒られたら?即刻別れを告げられたら?」とコンマ数秒で想像して興奮は掻き消えて、角度を変えるも当然発射したものの軌道は変わらなかった。
「…もう喋っても良い?」
「うん、ごめんな、茉莉花…調子乗った」
賢者タイムの悲壮感に背中を押されて、俺は茉莉花の目を見ることもできやしない。
のそのそと茉莉花を跨いでいた脚を退けて、ベッドへ正座で直った。
「空くん…何か反省してるの?」
「…顔に、掛けちまったから」
「謝るならしないでよぉ」
「だからごめん、お詫びなら何でもするから…あ、」
茉莉花はよいしょと起き上がり、覗き込むように俺の視界に入り込み
「…私が怒ってると思ってるの?」
といかにもなぷんぷん顔を作って見せる。
「あの、胸に掛けるって約束だったのに顔に行ったから」
「ふーん?それは別に良いんだけどぉ」
そりゃ直前に許可らしきものはもらってるもんな、でも踏み間違えたら大爆発しそうで恐い。茉莉花のこの顔は冗談のノリの怒り顔なのだ。それは分かってるけどよくよく考えたら本気の怒り顔を見たことが無かった。
ケンカでは茉莉花はまず悲しい顔になって時には泣き顔になり、俺はそこまでしか経験が無い。俺が冗談だと思ってた今のこのぷんぷん顔にも本気の怒りが篭ってるとしたら…俺はすぐさま頭をシーツに擦り付けて懺悔しなければならない。
「茉莉花、あの、」
「何で、すぐ拭いちゃったの?」
「へ?……き、汚いし」
「私、おちんちんも舐めたことあるし、今さら汚いなんて思わないんだけど」
「うん?うん…」
何に対して怒っているんだ。拭かずに放置しておけば良かったのだろうか。
俺が珍妙な表情で怒れる茉莉花を見つめていると、彼女は
「掛けたことに対して、感想とか、私の気持ちとか、やり取りがあっても良かったんじゃないのかなぁ⁉︎」
と俺の謝意を明後日の方向に飛ばしてしまった。
「……は?」
「せっかく顔に、女の子の顔に掛けたんだよ⁉︎支配感とか、Sっぽい気持ちとか、空くんがどんなこと思ってるのか教えてくれなきゃダメじゃん!『ごめん』じゃなくて『ありがとう』でしょ!」
「はぁ」
「私にも、『ぶっかけられてどんな気分だよ』とか聞いてよ、塗り広げたり舐めさせたりしても良いんだから‼︎」
「茉莉花、そういうAV観てんだな」
しらっと薄目で窺えば、彼女はちょいぷんぷん顔で意地悪そうに「えへ」と笑った。
「良かった…怒らせたかと思った…胸に掛けるつもりだったのに、イきそうになったら顔に掛けたくなって…」
「だから『良いよ』って言ったじゃん」
「そうなんだけど…勘違いなら酷いだろ、苦いだろうし…あ、風呂入ろう」
「うん…あ、空くん、」
「なに」と視線を合わせるより先に茉莉花の唇が俺のそれを覆って、今しがた拭いたばかりのさらさら感に慣れた匂いが混じる。
「ゔあ」
「あム」
「まリかッ…」
「ゔム…ちゃんと、空くんの味だよ、分かった?」
「うえっ」
しっかり拭いたつもりなのに奥にまで入り込んでいたのか。
おそらくだが茉莉花は拭かせている間に唇を内側に噛み込んでいたのだろう。だから接合部だけに精液が残ってそれを口移しで俺に返してくれたという訳だが…改めて、俺は嫌なものを大切な恋人に掛けてしまったなとより後悔してしまった。
「ちょっと苦い?しょっぱいかな」
「おえ」
「自分のでしょ、さ、お風呂しよー」
「ゔん…」
俺が思っているより茉莉花はずっとタフで度胸があってエッチなんだな、浴室でそんな話をすれば彼女は照れていた。
その後は茉莉花お手製の夕食をいただき、就寝前には仕切り直しのセックスをもう一発お手合わせしてもらえた。
「あー、茉莉花、あ、たまんね、この小せぇケツ、あー」
「開か、ないれぇッ♡あふッ」
「出ちまう、なぁ、茉莉花ッ」
「空くん、中で、ん、私のおま◯こで、イってぇ」
「エッロ、茉莉花、あ、イくわ、茉莉花、ん、んー……ん、」
とろとろの茉莉花のおかげで無事昇天、たぷたぷのスキンを腹に置けば彼女はうっとりとした眼差しでそれを眺める。
もしかして飲みたい願望とかあるのかな、それは今度口でしてもらった時にでも聞いてみよう。
「いっぱい出たねぇ、空くん」
「ん…茉莉花が可愛いから…頑張っちまった」
「ふふ♡これ…ねぇ、もっと、掛けたりして良いんだからね」
「茉莉花の中でイく方が気持ち良いからたまにで良いや」
「ふふ~」
ランジェリーが好きでエッチなことが好きな茉莉花は可愛い。でもこれ以上変態的な方向には走らないで欲しいな…せめて俺よりもエロくなるのは勘弁して欲しい。
スキンを持ち上げぷらぷら揺らす茉莉花を横目に、もう打ち止めだろうと俺はパンツを穿いた。
「…私、空くんとエッチしてからどんどんエッチになってる」
「俺のせいか?」
「そうだよ、だってそれまでひとりエッチなんてしたことなかったもん」
「そうか…開眼しちゃったんだな」
別に処女信仰なんてありゃしないけど、茉莉花が純潔のまま俺と出逢ってくれたことにひっそり安堵する。
俺としてることを他の男として、熟れきった後で俺と付き合っていたら多分ここまで続かなかったと思う。熱い夜に悦びながらも「他の男に馴らされたのか」と嫉妬してしまうんだ。俺は茉莉花が初めてじゃないのに自身を棚に上げて内心責めてしまうんだろう。
「…茉莉花、出逢えて良かった」
「え、何、どこか悪いの?」
「何のフラグでもないよ……おやすみ」
その夜、茉莉花の腕の中でふわふわとした気持ちの良い夢を見た。
寝る時は俺が抱いていたはずなのに、起きたら茉莉花に抱かれていて可笑しみを感じる。
「(俺が初彼氏じゃなくても、案外続いてたかもな)」
彼女の人柄が好きだからどんな形でも離さずにいられたりして。
意味の無いないもしも話は瞬きして忘れてしまって、
「まりかぁ♡」
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