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しおりを挟むソフトですか、ダウンロードですか、もしかしてレンタルしに行ったんですか。
そこに突っ込めばまた話が脱線するだろうからやめた。
でも何系を観たのかな、それくらいは今度酒が入った時にでも聞いてみよう。
「笛田くんは心得があるかしら?あれ、棒にモザイク処理がしてあったわ」
「デショウネ」
「そしてね、モザイク越しとはいえ女優と男優の絡みに何か感じるものがあったのよ。ふつふつと胸の奥が煮えたぎるような熱い感じ、子宮がキュッと締まるような感じがしたわ」
「もうやめて…」
「インターネットで調べれば画像はすぐに出てくるわ、動画もね、でもできれば生で見てみたいのよ」
「そこまでする必要ありますかね」
「納得すれば、気が済むと思うのよ」
これが先輩でなくあざとい女子なら「誘ってるんだね、おいで、ホテルで見せてあげよう」なんてなるのだろう。
しかし心から知りたい欲求に動かされている先輩にそんなことはできない。
いや先輩が求めるのはそういうことなんだけど、チラッと見せて「ハイさよなら」とはいかないだろう。
見返りにこちらも裸を見せて貰ったりしてもバチは当たらないだろう、それどころか最後まで許してもらえたりして。
しかし残念ながら先輩が僕に好意を持っていないならそんなことはできない。
とてももったいないことだとは思うが。
「……それで、話を戻しますが、なぜ僕にあの質問を?」
「まず、私は見せてくれる相手を探そうと思ったのよ。マッチングアプリでね」
「あぶな」
「そう。さすがに最初から肉体関係を求めていると思わせるような主張をしたら相手の人にも悪いじゃない?ほら、私は棒が見たいのであってセックスをしたい訳ではないのよ」
ソレを見たいだけの人はマッチングアプリを使ってはいけませんよ、そして彼女の希望が叶うアプリは無いと思う。
「絶対勘違いされますよ…」
「えぇ、プロフィールに匂わせたら実際に勘違いされたわ。マッチング希望者から棒の写真が多量に送られてきたの」
「おえ」
「使い捨てのアドレスで偽名登録していたのが幸いね、もうアプリごと削除したわ。まぁ見た目に関してはもうお腹いっぱいよ、色んな棒を見たから…感想としては、汚いと思ったわ。お腹が出てたり毛がぼうぼうだったりね。でもいずれは私も子作りのために対面せねばならない訳でしょう?慣らしておかなきゃ…それでね、これはやはりある程度清潔に保っていそうで信頼をおける人に見せてもらうのが安全かなと思ったのよ」
「……」
この人が最低限の自衛ができる人で良かった。
もう少し頭の緩い人ならあっという間に呼び出されて食い物にされていたところだ。
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