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5・身分と情緒の上がり下がり
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しおりを挟むそして来たる夕食デートの夜、調べ物をしながら長居したいとのことで俺たちはラブホテルをその場所とした。
翌日は揃って休みだし、セックスまで至らないとしてもできることはあるし…お泊まりを決め込んで相乗りで向かう。
スーパーで弁当を買い明日の朝ごはんも仕入れる、ピアスや『ご主人様』のことが無ければ本当に睦まじいカップルで居られるのにな、飲み物を選ぶ彼女の横顔を眺めていると心からそう思えた。
今夜は国道から少し田舎へ走った所にあるギラギラした外観のホテル、これと言って特徴もない部屋を選んで素早く入室する。
「腹減った…先に食べようか」
「そうですね、レンジ先にどうぞ」
「いや、このままでいいわ」
俺はネギ塩カツ丼を常温のまま開封して彼女の塩焼き鯖弁当の出来上がりを待つ。
キスするのにネギは無いわと気付くものの、誘惑に勝てなかったので仕方ない。
「いただきます」
「いただきまーす……うん、美味い」
「…カツ、お好きですか?」
「好き。今日のラインナップだとこれだったけど……うん、卵のカツ丼も好き…水蓮は?和食好きなの?」
「いえ、そこまででは……あの、印象が良いかなって…打算です」
「ふは…何それ?イメージ気にしてんの?ひとりなら何食いたかった?」
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にんにくとか好きなんだね、俺たちは他愛もない話題でにこやかに夕食を片付けた。
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