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しおりを挟む考えられるのは外部の人間か他の従業員…「奥様は婿殿以外の男性と関係を持っている?」、そしてその後すぐに妊娠が判明したために「奥様は婿殿以外の男性の子を孕んだのでは?」と屋敷内で噂が立ったのだ。
その夏に寮に残っていたのは垣内や和久をはじめ男性社員が5人ほど、垣内・和久は未成年者にも関わらず厳しい疑いの目を向けられた。
だが当事者である冴子と婿殿は意に介さず噂を一蹴。
貴治氏も外聞が悪いからと緘口令を敷き追求もさせなかったため、それ以降は表立って話題に上ることも無かった。
貴治氏にとって社員は皆家族、なので監視カメラも置かせなかったのだが、もしかしたら娘の子ならその種が誰の物でも気にしていなかったのかもしれない。
しかして水面下では疑惑は続いており、名付けられた「雅」の字が冴子の「冴」と垣内の下の名・隼人の「隼」を組み合わせたものなのでは?などとこじつけにも思える推理も飛び出した。
そのため、いまだに垣内が不倫相手だと信じている者も居るのだという。
なので実は生まれた雅の世話役に垣内が選ばれたのは偶然ではなく、本宅使用人の「責任を取れ」という助言があっての当て付け人事なのである。
ちなみに和久は「垣内だけでは心配だから」と自ら立候補し、その体格を買われて受理された。
合縁奇縁、どちらにしても垣内に雅はよく懐いた。
それが血の繋がりによるのかどうかは調べてみないと分からない。
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