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俺の名は萬尾亜門
昼は高専でCAD図面を引き、課題に追われる18歳。
昨秋、中国・武漢で開かれた国際Eゲーム大会で優勝した夜、すべてが狂い始めた。
裏通りの薬膳料理店。半茹でのコウモリ、酒に酔った巨大なサソリ。
震える手で噛み砕いた瞬間、背筋に冷たい悪寒が走った。
帰国後、熱にうなされ三日間の昏睡。心肺停止と蘇生を繰り返し、目覚めた時、身体はもう別物だった。
無駄な脂肪は消え、筋肉は鋼のように締まり、反応速度と視力は人間離れ。
壁の向こうにいる人間の気配、年齢、感情まで鮮明に“視える”能力を手に入れていた。
噂では、武漢には秘密のウイルス研究所があり、コウモリやサソリを使った兵器研究が密かに行われているらしい。
あの店の皿に並んでいたものの正体は、今も闇の中だ。
夜な夜な見る夢。無機質な実験室。
俺は巨大なサソリとなり、感情を切り捨て、淡々と虫を喰らう。
世界は悪意で満ちている。
その悪意は、もう俺の血となり肉となった。
文字数 8,082
最終更新日 2025.11.08
登録日 2025.11.08
俺の名は白 乾(ツクモ ケン)
東北沿岸部にある高専に通っている。
俺は生まれつき脳神経に奇形がある為か他人と関係を作る事が苦手な所謂「コミュ障」のオタクなのだが、転勤の多い公務員である親父について各地を転々として来た事、対人関係を除く大抵の事は器用にこなせる事から、これまでに不自由を感じたことは余りない。
そんなある日、中国で行われたゲーム大会に出場した事を境に俺は何か別の何者かになっていた。
文字数 11,081
最終更新日 2023.08.20
登録日 2023.08.19
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