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3日目
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しおりを挟む飲食に本屋にホームセンター、複数の店舗が集まった小さなモールにあるファストファッションのチェーン店に秋花は飛び込んだ。
「いらっしゃいませー」
「……」
もう閉店の30分前、少々焦りながらレディースコーナーへ向かう。
「んー…あった、」
遥はスカートなら落ち着いた色のワンピース、それもロング丈の物を選べと言ってくれた。
店頭には秋冬のファッションが並んでいて、中でも新作だというワインレッドのキャミソールワンピースが目に留まる。
遥のアドバイスにピッタリ、姿見の前で合わせてみても丈は長いし脚も出ないしボディーラインも女性的である。
「…なんか…変」
しかし身頃をジャストサイズを合わせると丈がふくらはぎまで短くなりどうも不格好に感じて、秋花は細く見えることを捨てて一番大きなサイズを選んで脚を隠すことを優先した。
元々がスリムなデザインなので3Lでもガバガバにはなるまい、店内に蛍の光が流れ始めたので秋花は急いでレジへ向かう。
「ありがとうございます、お預かりします」
自分で買う初めてのスカートがデート用、秋花はどうにも恥ずかしくて、しかしむずむずとプラスの感情が湧き出て来る。レジのお姉さんが思わず素でキュンとなるくらいには乙女の顔をしていた。
「あ、すみません、あの…」
「はい、なんでしょう」
「ふ、服の横幅って…簡単な詰め方…ありますか?」
あまり聞かれない質問に店員はキョトンとして、しかし秋花とワンピースのサイズを比較して「うーん」と考え、畳んでいたそれをもう一度台へ広げる。
「そうですね…ミシンでここ摘んで縫っちゃうのが早いんですけど…うちは裾上げしかやってないので…」
「デスヨネ…」
サービス外の商品の改造のことを尋ねてしまって申し訳ない、閉店時間も迫っているし秋花は財布を開いて端数の小銭を探した。
「そうだ、詰めるよりも、ベルトでウエストマークしてあげるのが楽で可愛らしいですよ、」
「え、楽、」
「一旦止めますね、レジ抜けまーす!」
そこから秋花はお姉さんに誘導されて再度売り場へ、細いレザーとフェイクパールの留め具のベルトを見繕ってもらう。
「高い位置で、そう、お客様細めだから、それくらいでも、あ、可愛い♡」
「こ、これにします…」
ただの営業トークだろうが可愛いと言われればもう充分、全体の合わせ方もしっかり聞いた。
秋花が店から出てしばらくすると服屋の看板を照らしていた灯りが消えて、漏れ聞こえていたBGMも止まったようだった。
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