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しおりを挟む「ナツ、ゆっくり降りて来て」
変わらず仲良くよろしくしている夏のこと。
俺・夏李はやはり変わらず真秋を受け入れていた。
「うん……ぉほッ♡うあ、あー…アキ、ビンビンだな」
「鰻が効いたよね…あー…んー…」
ちょっと奮発して買った国産天然物の鰻は、真秋をこれでもかと元気にする。
まぁ、30分前の昼食に食べた鰻の成分がどこまで作用するのかは俺は知らないんだけれど。
俺たちは相変わらず恋人として一緒に暮らしていて、真秋が仕事を独立して2年ほどが経っている。
共にアラサー、親からの風当たりも強くなって来た。
真秋はご両親には既にゲイであることをカムアウトしている。
幸いにも同性愛に理解のある方々で、「好きに生きなさい、その代わり人に迷惑をかけないこと」と自由にさせてもらっているそうだ。
反対に俺の親は昔気質の田舎者だから、「早く結婚しろ」と連絡が来る。
滅多に帰省もしないし黙ったまま両親がくたばるのを待つのが良いかな、なんてずっと考えていた。
「ナツ、他のこと考えてる?」
デザインパーマの髪を数筋垂らして、真秋が見上げてくる。
真秋は髪を肩まで伸ばして、最近はインテリお洒落建築家を気取っていやがるのだ。
「いや、なん、もッ…ふー…」
「ウソ、僕のことだけ考えてよ、」
「ひゃ、あ♡アキ、あ、あー…もう、」
今住んでる街には、男女の婚姻に準ずる制度が確立されてはいる。
親族しか立ち会えない場面に参加させてもらえたり、家族割が使えたり。
子供を養子として受け入れたりもしやすくなるらしい。
具体的に何も考えてはいなかったけど、親からの催促がある度に嫌でも脳裏をよぎったりする。
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