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5・欲と二人連れ
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しおりを挟む「そうなったら、面倒みてくれる?」
「みます、けど、多香子さんの、あッ…あ、あ、」
「ふー…」
じりじり、内側を歯ブラシで擦られているような痛みが続く。でもこの痛みを与えているのは眼下で悶えている男なんだ、私の大好きな男だ。
「多香子、さ…いけません、れちゃ、います…」
「我慢して、翔……相当だね…翔、おちんちん大っきいから」
「そ、んなことッ…あの、多香子さん、目を、開けたいれす、」
「だーめ、私、今不細工だから…見て欲しくない」
痛みに気を遣りそう、そして立派過ぎるモノに胎を押されて気絶しそう。奥歯を食い縛って紛らわせて、眉間はシワだらけだ。苦しむ姿は見なくて良い、瞼の中では翔が好きな私でいてあげたい。
「多香子さんは、どんな時でも、お綺麗、でッ…あ、あッ…」
「ふー…目、開けても良いよ…全部、入った…」
見えないだろうに、翔は目を開けたら細めて私の表情を知ろうとする。
「起き上がっても、良いですか?お顔が見えなくて、」
「平気なら、どうぞ」
「よっ…と、」
翔は腹筋で起き上がり、串刺しになった私を再度抱き締めた。
「多香子さん、こんな…無茶をして…」
「翔くん、射精しないね、気持ち良くない?」
「気持ちは良いです、過去イチですよ、それより多香子さんの身体が心配なんです」
「ありがと」
脂汗の浮いた頬を寄せて、口付ける。
痛みは段々と癒えて、代わりに翔が馴染んで来た。やはり大きい、比べる術は無いが子宮近くまで詰まっている感じがする。
「はァ…多香子さんの中…最高ですよ…」
「案外、静かなんだね…手コキの時の喘ぎ声はヤバいのに」
「せめぎ合いですよ、多香子さんの犠牲の上にあると思うと、単純に快感に没頭できないんです」
「それは可哀想だね…動こうか?」
「いえ、」
翔は脚を整えて胡座をかき、ダルマのように私を担いだ。
そして改めて抱き締めて、ため息とも喘ぎ声ともとれる甘い鳴き声を交えて話し出す。
「解釈云々は、すみません…勝手に理想の多香子さん像を押し付けてしまって…こんな暴挙に出るまでに追い詰めてしまって…」
「いや、急な思い付きで…暴走しちゃって…卒業した時の翔くんみたいな感じかな、ワガママ言って…なんだかんだ理屈捏ねて、結局はセックスしたかっただけなんだ…翔くんのポリシー、叶えてあげなくてごめんなさい」
殊勝に謝れば、翔は背中を曲げて私の鎖骨に唇を添えた。
「良いですよ…前にもお伝えした通り、私が不甲斐ないから多香子さんが動いたんです。私が抱かないから多香子さんが抱いて下さった、全部私のせいにすれば良いんですよ…これが私の包容力というやつです」
「…私の体調不良は、翔くんのせいじゃないよ?」
「いえ、私が管理しなかったから…多香子さん、明日、耳鼻科に行きませんか?私のかかりつけ医は土曜もしてますので」
「耳鼻科?」
聞けば、目の重さと怠さに頭痛・熱っ気は副鼻腔炎の症状に似ているのだとか。
そこで解決しなかったら診療科を変えて受診しよう、とても繋がりながらの会話として相応しくないが、ゆらゆら揺れながらそんなやり取りをした。
そして、嫉妬の件も。
「あの理学部の受付の事務の人、茂木さん、言っちゃ悪いけど対応は最悪だったよ?デスクに私の名刺は置きっぱなしで退勤してるし、人のこと"すっぴんオバ"って呼んでたし」
「それは…学園の事務代表としてお詫び申し上げます」
「ん、それで、降りて来たら翔くんとあの子が話してて…立ち聞きしちゃった」
翔も会話の記憶はあるのだろう、本当に痛み入るといった面持ちで私の背中をポンポンする。
「すみません、一応区分としては私の部下にあたるんですが…懲罰ほどの悪さはしてないと思っていたのですが、怪しいですね」
「うん…まぁ、翔くんが相手にしてないってのは感じ取れたから良いの。私が嫉妬したのは、その後の…総務のカウンターの中の人で」
「中の…」
翔は目玉を天井に向けて、記憶を遡る。
ただでさえ女性の事務員が多いので、どの方だろうかと可能性を考えているようだ。
「割と背が高めでさ、キリッとした…女の人」
「あー、はい、きっと荒牧さんでしょうか」
「たぶん…その人への接し方が、理学部受付の子とは違ってさ、こう…フランクというか、和んでる感じがして…」
「…まぁ、確かに…はい、心当たりはあります」
同期なのだろうか、職員歴が長いのだろうか。
私がタイプなのだとしても、私に似たタイプの女性になら靡いてしまうのではないか。だって凛として美しい人だった、スパンと厳しいことを言えば翔もメロメロになってしまうのでは。
果たしてどんな仲なのだろう、繋がった部分のチリチリとした痛みに顔を歪ませていると、翔がカプっと私の唇を深く喰んだ。
「んッ…」
「ふふっ、かぁいらしいでふね、多香子はん…」
「ム…かけ、る、」
「ぷはっ…ふふ、」
なんでそんなに笑うの、浮気がバレた罪滅ぼしなの。
滅多に見られない翔の顔に見惚れていると、彼はニッコリ笑い
「荒牧さんは弟の恋人です、きっと後の義妹になります」
と答えてくれた。
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