愛の議論は長々と—あなたには理屈じゃ敵わない—

茜琉ぴーたん

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5・欲と二人連れ

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「え、弟さんの、ん?どの?」
「すぐ下の弟のめぐるです。2つ年下なんですが、周は熊学園の中等部で社会科を教えています。これは言いましたよね?」
「うん、剣道部の顧問してるって」
確かに聞いたな、困惑しつつもコクコク頷く。
 翔は4人兄弟の次男で、お兄さんは小説家だと聞いている。かつて三男・周くんと翔は東京でルームシェアをしており、その彼も卒業後は熊学園に就職したところまでは聞いていた。私が大学院生をしている間に、2つ下の周くんが先に社会人になったという訳だ。
 それは知識としては頭の片隅にあった、けれどその恋人さんの存在までは知らなかった。
「その幼馴染みで同級生の荒牧さんも、ツテで働いてまして。私と同じ大学の総務です。熊学園のOGでもあります」
「あ、そうなんだ…昔から面識があるってこと?」
「いえ、2人は隣町の剣道場で出逢っているので、学区は別で。紹介はされましたけど、周もなかなかの嫉妬深い奴なので、あまり顔を合わせたことは無かったんです。荒牧さんとは職場で久しぶりに会って、挨拶されて思い出したくらいの仲です。まぁその、弟のお嫁さんになる方ですので多少の愛想はしているつもりです。荒牧さんは高等部の剣道部の講師もしてくれているんですが、今日は遠征に関わる経費の処理のことで話をしまして、周の話題になって…談笑していたかもしれません」
「早とちり、超恥ずかしい…でも、嫉妬は変わらないかも」
私より古い仲だなんて羨ましくて妬んでしまう、開き直って口を曲げる。
 翔は私のコミカルな動きに目尻を下げ、また背中を叩いた。
「荒牧さんは剣道がお強い方で、性格もサラッとした女性です。周もそうしたところが好きなんだろうと思います。多香子さんとは…大きくジャンルを分けたら同じカテゴリかもしれませんね。けれど何とも、本当に多香子さんに感じるようなキュンとする感情は湧かないですよ。仕事しているだけですし。私もタイプだけで人を見ている訳ではないので」
「竹刀で叩かれたいとか思わない?」
「無いです、私は武力の強さに惹かれることは…多香子さんになら良いかもしれませんが」
 跨られても逃げなかったもんね、単純な強さに屈するのではないようだ。
「私にしか見せない表情、柔らかくて、とろんとした表情、他の子に見せて欲しくなくて…ヤキモチ、妬いちゃって…」
「分かります。私だって、卒論の発表会でゼミ生を詰めていた多香子さんの姿を見てから『私にしか見せて欲しくない』と複雑な気持ちになった経験がありますから」
「…見に来てたの?」
「はい、理系学科の方の質疑応答における『素人質問で恐縮ですが』という枕詞を生で聞いてみたくて…というのは冗談ですが、講堂で参加自由だったので半休を取って拝聴しに行きましたよ」
「そか…いや、詰めたくて詰めたんじゃないんだけどね、うん…」
 とてもセックス中に差し込む話ではなかったが、普段から会話の多い私たちなりのコミュニケーションだなと飲み込める。
 私は知りたいことを深掘りしただけ、そこには純粋な知識欲があるだけで悪意は無い。
 嫉妬を反省する私の謝罪を聞きたくないのだろう、翔はお互いさまの姿勢で私の暴挙の罪を軽くしてくれた。

「…さて、多香子さん…さすがに膣内射精は早いので、そろそろ抜きませんか」
「うん、ごめ…よく我慢したね、」
「それで、その…せっかくなので、じっくり見たいのですが」
「何を?」
「お体ならびに女性器、を」
 好奇心は尊いもので、私はその知りたい欲求を跳ね除けることは出来なかった。
 何にしても出来立てホヤホヤの前科があるため、私は迷いつつも合意した。
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