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10月・勇者はあどけない
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しおりを挟む翌朝。
嘉島は陽菜子の抱き枕となって目を覚ました。
樹木の枝分かれの様に、仰向けの嘉島の腰を蟹挟みにして陽菜子が斜めに生える。
夜中に蹴られた様な衝撃を感じたから、その時からだったのだろう。
「寝相が悪いって、こういうのか…動けん…ヒナちゃん、脚動かすよー…」
尋ねても寝息しか聞こえないし、心地良い太ももの圧が脇腹にかかる。
そのすぐ下には男性の朝の生理現象が陽菜子に触れたそうに待ち構えていた。
「あァ…ヒナちゃん…ヤバいィ…ごめん!」
嘉島は滾る自身を隠すべく力任せに陽菜子の脚を引き剥がす。
ベッドから降りて床にへたり込むと、突発的な運動にゼェゼェと息が乱れた。
「危なかった…この歳で暴発とか…」
陽菜子はまだ起きる気配がなく、無邪気な寝顔が可愛い。
嘉島はもう一度静かにベッドへ上がり、彼女から離れてうつ伏せで二度寝に入る。
この1時間後、大きく振りかぶった陽菜子の踵に腰を強打されることを、嘉島はまだ知らない。
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