恋を知らないセクレタリー・ドール…心が無くても雇っていただけますか?

茜琉ぴーたん

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6章…心が生まれて

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「…聖良きよら、聖良…好きだ、愛しい…」
「ん、くすぐったいですわ、和臣かずおみさま」
 事後の賢者タイムは和臣さんには無かったようで、素っ気ないどころか幼子のように添い寝して私の胸や唇へもぐれ付き愛を伝えてくれた。
 これで計画も半分はこなせただろうか、ここからもっと深い仲になり彼の愛人兼秘書として体力の続く限りお相手をしていかねばならない。
「僕は幸せだ、君みたいな人と出逢えて、しかも今後仕事でも支えてもらえるかもしれない、父さんに感謝だな」
「えぇ」
 感謝なら私を購入して下さったご隠居にすべきなんですけどね。言えないことは考えなければ良いのだがついつい頭の中で内なる自分が喋ってしまう。
 そして今後も支えるかどうかは和臣さんが国会議員になれるかどうかで決まってくるんですけどね、これも言えないので脳内だけで消化した。

 さてさて私の仕事は夜伽よとぎだが、和臣さんが一晩で何回致せるのか、それも事前リサーチ済みである。自慰行為だとだいたい多い時で3発、休みの前日などはそれくらいお盛んらしい。しかし分からないのはそのスパン、1発抜いてから次までの時間だ。
 一応私は今し方破瓜はかを成したことになっているので続けざまは厳しいだろう。和臣さんもその辺りは気遣ってくれるかもしれない。
 けれど私としては今晩もう1回くらい抱かれたい、初めてのソレの感触はおかわりしたいくらいには美味だった。
「その…痛かったろう、よく頑張ってくれた」
「いえ、そこまでではありませんでしたわ。和臣さまが労って下さったから…乗り越えられました」
「聖良…」
「私たち、体も相性が良いのでしょうね」
「嬉しいよ、聖良」
 嘘ですわ、比較対象が張り型だから一度のセックスでは良し悪しは測れない。だからもう1回、うずうずして私の太ももへ擦り付けているソレを挿れて欲しい。
 貞淑な女をご希望でしょうが誘導させて頂きますわ、
「和臣さま、あの…当たって、ますわ…」
と恥ずかしそうに告げればソコがギンと張ってくる。
「あ……聖良、何が?」
「え、あの、えっと」
「ふふ…何だ?」
 淫語属性もあったんですのね、知りませんでしたわ。
 おずおずと上目遣いで「おちんちん」と囁けば、和臣さんは目をくわと開いて私へ覆い被さった。
「きゃあ」
「聖良…すまない、もう1回…良いか?」
「あッ…はい、何度でも…お気の済むまで…」
「可愛い……ん…すまない、着けるから待ってくれ……聖良…ココ、で合ってるか?」
ビギナー和臣さんはコンドームを着けて自身の先端を持って、私の入り口を探して違う方にピタとあてがう。
「いいえ、こっち…ですわ、そう、そのまま…和臣さま、来て、」
「……!」
 ちゅぷっと先端を挿れてお出迎え、両手を広げて待ち構えれば和臣さんは感極まったのかダイブするように勢い良くこちらへ倒れて一気に奥までズドンと挿した。
「きゃアっ」
「聖、良ッ…きよらッ、あ、気持ち良いッ、あー、最高だ、聖良、僕の、ものだッ」
「あッ、かず、オみざまッ、激しッ、あ、」
 重ね重ね生身の比較対象はしたことが無いのだけれど、おそらく和臣さんのイチモツは日本人男性の中ではご立派な部類なのではないかと思う。
 長いと言うより太い、そして硬い…足りない所が充填じゅうてんされて満ちていくような感じ、はらいっぱいに和臣さんの肉が満ちていく。
 艶っぽい演技をしようと思っていたのに押されて下品な声が漏れ出る、仕切り直そうと手で口を押さえたら彼はその手を掴んでベッドへと貼り付けた。
「聖良、声を、聞かせてくれ、隠すな、」
「いや、ですわッ、アっ、和臣さまッ、あ、ひゃんッ」
「可愛らしい、本当に、聖良、何度も、夢見たッ、僕の、運命の人だッ」
 運命だなんて大袈裟だこと。仕組まれた出逢いで、しかも私が選定されたのだってその時期に適齢の女児が私だったという理由だけ。私たちが結ばれたのは偶然でしかない。
 だからこんなに胸が熱くなるのも膣が子宮がきゅんと締め付けられるのも作為的な偶然の賜物たまもの、私が和臣さんに特別な感情を抱いているからではない。
 ひぃ様の教えによって体が順応しているだけ、防衛本能で濡れているだけ…それしか考えられない。
 和臣さんが和臣さんでなくたって同じ仕事をして同じだけ上手に出来ているはず。ヨボヨボのジジイでも油ぎったキモオタでも同じこと、金で買われれば誰にだって同じ仕事をするだけだ。

 なのにどうして、
「聖良、はァ、好きだ、気持ち良いッ…あ、聖良、」
この人が私の名を呼ぶ度に胸がきゅうと狭くなる。
 そうかきっと罪悪感ね、騙してごめんなさいという僅かながら存在する罪の意識…まぁ私はただの商品だから責任は無いのだけれど。
「和臣さまァ、あ、」
「聖良は、気持ち良いか?」
「ッはい、とても、あ、とろけそう、れすッ」
「あは、あー、堪らない…クセになってしまう、すまない、嫌わないでくれ」
「大丈夫ですわ、私も、クセになってしまいそうです」
「聖良ッ…あ、もっと、奥に入りたいッ、あ、あ、」
 燃え上がるテンションと冷静でいなければと働く自制心の葛藤、絡める手脚はリアルな愛しさではなくて演出のため、それしか知らない。
「(なに、むずむず、あったかい、ぞわぞわ、あ、あ、)」
 触れ合う面積が広がれば広がるほどに感度も上がって声も体液もこぼれてしまう。
 でも目的に反している訳では無いから抑える必要も無い…
「和臣さまぁ、それッ、気持ち良いッ、れすわッ♡」
と告げたが最後、膣がヒクヒクと痙攣を始めた。
「わ、ア、聖良ッ♡」
「あ、すみま、ぜ、あ♡あ♡」
「あぁ、すごい、聖良、」
「きゃア、あ、らめ、ぇ、」
 白々しい予定調和はアドリブだ、望んですべきが職務なのについ拒否を示してしまった。
 自分が壊れてしまう、人形に自己なんてものは無いけれどこれ以上は素で悦んでしまいそうで彼を突き放そうとする。けれど膣が和臣さんをがっぷり呑み込んで放したがらず、釣られて痺れる手も脚も逃げる仕草を微塵も見せない。
 逃げたいのは理性だけ、体はとうに和臣さんと一体となりゆさゆさ揺れては「もっと、もっと」と刺激を強請ねだる。
「あ、気持ち良イ、ッあ、聖良、良いッ♡」
「和臣ざまもッ、良い、れすッ」
「あ、たない、一旦、出すよ、良いか?」
「はイっ♡」
「中で、ん、イく、聖良、きよ、らッ♡♡♡あー、あー…」
「あ…和臣、さまァ…」
 イき疲れた私は汗だくの彼の顔を引き寄せて口付けをせがんで、「鍛えておいて良かった」と実感するほどに体にしがみ付いて離れなかった。

「聖良、ん、あ、すごいな…まだぴくぴくしてる…無茶したかな、すまない」
「いいえ…とっても…精悍せいかんで…素敵で…興奮、してしまいましたわ…」
「クールな聖良がこんなに乱れるのが…堪らなく可愛かった…ん、そろそろ抜こう」
「和臣さま、まだぁ」
「おっと」
 殿方の汗には女を駄目にする媚薬びやくでも入っているのかしら、そう思うくらいに頭も体も感覚も馬鹿になって和臣さんを求める。
 ぐりくり押し付けて若干小ぶりになったモノがまた大きく膨らんでくる。ちょこちょこと動けばギンと鞘の中で名刀の如く鋭さを取り戻す。
「待ちなさい、ゴムを…着け替えるから」
「和臣さま、早く♡」
「聖良、おねだりが上手だな」
「はいぃ…和臣さま、おちんちん、もっと、聖良に、下さいませ♡」
「エッチな秘書さんだな」
「やらぁ……あ、あッ♡♡♡」

 結局2発分の子種を発射して更にもう1発、その夜は計3回のセックスを楽しんだ。
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