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15章…まるで人間
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しおりを挟むそういえば当選して挨拶回りをした際に、私と同郷の議員秘書に対面する機会があった。
そちらの先生は和臣さんの党の大先輩にあたる方で、2人がお話をしている間に少しだけ女同士お茶をさせてもらった。
「聖美姉さま…聖良です、一時期一緒に住んでおりました、憶えておいでですか?今は城廻聖良でございます」
「もちろん憶えてますわ…嫁いだんですのね」
「はい…あの…身請けのような形で…生活は…その、聖美姉さまはお幸せ、ですか?」
不躾な質問だったろうが聞かずにはおれなかった。
だって聖美姉さんのご主人さまは還暦は過ぎているだろうというおじさまで…清潔そうで福々としてはいらっしゃるが姉さんが辛い目に遭ってはいないかと不安になったのだ。
しかし私の考えは浅はかだったようで…
「えぇ、幸せよ。私の先生、あぁ見えてドMなの。ピシピシ打ってあげると大層お悦びになるのよ…今日もスーツの下は菱縄縛りよ♡」
と充分に愉しんでおられるようだった。
「…そうですの…聖美姉さまは器用でしたものね…」
「ふふ、それに私、年上のおじさまが好きだから…まぁこれも刷り込まれた感性なんでしょうけど。もう子供は望めないから、先生が老いていくのを見守って寄り添って…先生は独身だから、政界を引退したらひっそり入籍する運びになってるわ。全てを譲り受けて、その後は悠々自適な老後になるかしらね…私、先生をお慕いしてるのよ、こんなんでもね。…悩むこともあったけど、今は幸せよ」
「なら、良かったですわ」
「えぇ…他にもね、仲間に会ったことあるわよ…」
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