僕たちが幸せを知るのに

茜琉ぴーたん

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Prologo…Diciott'anni

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礼央れお、もうすぐ18歳ね」
 姉にそう言われて、自分の誕生日なんてすっかり忘れていた僕は
「え、あー…そうだね」
と母お手製の誕生日ケーキを思い浮かべては気の無い返事を返す。
 そうか18歳か、もう大人だな。結婚もできるしラブホテルにも入れる、お酒や煙草はまだだけど興味が無いからそれはどうでも良いか。
 17歳だとお姉さまとセックスするにも関門が多かったから困ったんだよな、これからは堂々と誘えるな。僕はしめしめと夕食の食器をシンクへ運んでスポンジに液体洗剤を垂らした。
 父と母は仕事で出てるから土日と定休日以外の夕食は大概姉と2人きり、食器も大した量じゃないから食洗機も使わず手で洗うことが多い。

「彼女とか作らないの?」
「んー…真面目な交際ってやつ?面倒だよ」
「でもモテるでしょ?」
「同級生とかお子ちゃま過ぎるよ…I can't get erected.勃たないんだ
「下品ね」
sorryごめんね♡」
 姉はぷりぷり怒って、食べ残したおかずにラップを掛けて冷蔵庫へと仕舞っていく。
 彼女は初心うぶだから下ネタなんて話せない。それを分かっていて話題に出すのは僕が意地悪だから、そして僕が女性の困り顔が好きだからだ。
「ちゃんと…良い子見つけてさ、落ち着いて欲しい。あと家に連れ込むのはやめて欲しい」
「んー…もうhotelホテルも入れるしね、でもお金が足りないからやっぱり家かな。休憩でも数千円でしょ?月に4~5万も飛んで行くのは辛い」
「どんだけ使う気なのよ!」
「お小遣い稼ぎしようかなぁ」

 申し遅れたけど僕は小須田こすたRussellラッセル・礼央、17歳の高校3年生…好きな女性の趣味が少々偏っているだけの平凡な男子である。
 まぁ両親がアメリカ人だから見た目は完全に外国人、金髪碧眼へきがんだし身長も親譲りで188センチまで到達…まだ伸びるかもしれない。
 父・ティツィアーノはイタリア由来だから白人なんだけど母・コンシャはブラジル由来、姉は両親の中間くらいの小麦色だけど僕は父寄りの肌に生まれた。ちょっと運動すると火照って顔が赤くなる。日焼けしても真っ赤になって痛いし浮かない表情してるとすぐ「体調悪い?」なんて聞かれたりしてあまり良い思いはしてきていない。
 でも顔の作りは親に感謝してる。
 人種をまたいだ混血人は美形になるって言われてるらしいんだけど、僕のルックスは日本人の感性からするといわゆる『イケメン』らしいから日本女性にモテる。いつもつるんでる友人グループには女子もいてどうやら僕目当てらしいけど…僕は恋愛感情を抱けない、ムラムラしないし興奮しない。
 僕のストライクゾーンは広いといえば広い。
 最低でもアラフォーくらいじゃないと女性として認識できないし関心も湧かないから学内で恋愛っていうのはまず無理だ。教職員とでもなければね。
 ちなみに僕らは日本生まれ日本育ち、家庭での言語は日本語だけど両親が使う英語も日常会話程度ならもちろん話せる。
 意識的に英語を話すことはまず無いけれど、耳で覚えたから横文字や英単語を口にする時だけ妙にネイティブっぽい発音になったりするのはそのためだ。

「華の高校生でしょ、可愛い子いっぱいいるじゃない」
「…姉さんは顔で恋するの?」
「違うけど…要素のひとつでしょ」
「姉さんはブス専だもんねぇ」
「失礼ね、大輝たいきくんはカッコいいもん、礼央みたいにガリガリじゃないし」
姉・真梨亜まりあは、感性を馬鹿にされたことはともかく愛しい恋人を庇って僕をきおろす。
「あー、見た目をけなすとかいけないんだ」
「…ごめん」
「冗談だよ、僕は経験を重ねた女性の包容力とか余裕とかそういうのにゾクゾクするんだ」
「そう…」
「姉さんもあと20年くらいしたらいい女になるだろうね」
「…頑張る」

 そうさ、ガキくさい同年代の女なんて目じゃないさ。
 とびっきり上品で可憐で、男を惹き寄せるフェロモンを内に秘めて隠してるくらいのお姉さま、そんな女性がタイプなんだ。
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