僕たちが幸せを知るのに

茜琉ぴーたん

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Capitolo2…Avventura

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「……触りたいとか思わない?」
「やぁね、モデルさんに触っちゃダメよ。信用に関わるわ」
「若い男のチンコだよ?珍しくないの?」
「珍しいからこうして描かせてもらってるんじゃない…横向いて、立体感が良いわね…うん、そうなってんのね…」

 この空間では彼女が正しくてムラムラしていた僕の方が異常らしい。それはまぁひとり素っ裸でポージングしているんだから知らない人が見てもそうだろう。
 こんなんでも僕が襲ったら犯罪になるのか?そりゃ自分の意思で脱いでるから捕まるのは当然か。よくよく考えればナンパ未遂でここまでやらされるなんて僕は明らかに損している。
「僕に利益はあるのかな」
「んー…見られて興奮するとかならご褒美じゃない?」
「そんな趣味無い…シラトリさん、いつも学生にこんなことさせてるの?」
「やぁね、してないわよ。…私、創作自体はほんと趣味みたいなものだから。でもレオくんの骨格見てると、つい形にしてみたいって思っちゃったの。看病ついでよ…丸裸にしたのは悪質なナンパへのお灸よ、でも描けてラッキー♪」
「ふーん」
「…レオくんは、どうして熟女が好きなの?」
「んー…体質だよ、お姉さまにしか…興奮しない…」
「フェチ?」
「うん…そんな感じ…」
 本当はちょっと違うんだけど説明するのが面倒で、僕は簡単にそれで済ませた。きっかけや原因が何だろうと、今の僕が熟女好きということに変わりはないし。
「へぇ…」
「ご無沙汰だと誘いに乗ってくれやすいし、チヤホヤされて気分良いでしょ?…それにさ、閉経してると…避妊しなくて済むじゃない?ナマで出来て気持ち良いし、お互い余計なこと考えずに割り切って遊べるし」
「………余計、ねぇ…」
 彼女の眉間が一瞬険しくなったような気がしたけど横を向いていたので不明瞭だった。「深く考えずに遊ぼうよ」と言いたかったのだがあまり良い風には伝わってないようだ。
 それともまだ上がってないから望まぬ妊娠を危惧しているのかな。もちろん現役な人とはしっかりコンドームを使うから安心して欲しかったけど…もう信用は挽回出来なさそうだし敢えて言及はしないでおいた。

「年齢的にもsex lessセックスレスな人が多いから激しく求めてくれるし…可愛くて好きなんだ……シラトリさんは…既婚者?」
「ううん…バツイチ。若い頃に1回してみたんだけどね、共同生活が合わないっていうのか…色々と無理だったわ」
「そっか」
 詳しい身元なんて聞きやしないよ、僕はこの大学に来るかどうかも決めてないし後になって強請ゆすったりもしない。まぁナンパする時点で誠実な男とは思われてないから挽回は無理かな。
 とんだ無駄骨だったが無理矢理にして通報されるよりは馬鹿なガキの戯言たわごとで済ませた方が良い…僕は被写体に徹することにした。
 

 その後もポーズを変えてパンツは穿いて顔のデッサンも少し、何枚か写真も撮ってオープンキャンパスの閉会時間の少し前に乾いたシャツを返してもらった。
「ありがとね、レオくん」
「いいえ…どういたしまして」
「…オバサンに裸にされたのに平気なのね、さすが裸になるのが慣れてるのね」
「脱いだのは自分の意思だし…すごい恥ずかしくはあったよ。キツいお灸だった」
「ねぇ…本気で私のこと抱こうと思ってた?」
 ニコニコ微笑むその顔は魔性だ。作画中の真剣な表情も今崩したそれも僕には可愛らしく美しい。
「うん…最初はね。でも気分が悪いのも本当だったから…声掛けてくれて助かった」
「良いわよ、ナンパもほどほどにね。…レオくんモデルの作品が出来たらまた見に来てね」
「うん…気が向けば…」
「あら、じゃあまたおいでなさいな、ふふっ」
 連絡先も教えずに「見に来て」なんて上手くあしらわれたな、ここまで僕に欲を出してこないお姉さまは初めてだ。最初は嫌がっても若い体に求められると押されるがままに体を開いてしまう人がほとんどなのに…よほど性欲が薄いのか、僕がタイプじゃないかだろう。
「じゃあね、レオくん」
「…またね」

 事務棟の1階まで送ってもらい、僕は校舎伝いに正門へと歩いた。
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