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Capitolo5…Miniere
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しおりを挟む「……!」
「いわゆる不妊ってやつ。体質よ、排卵異常とか複合的な問題…調べてみて分かったの…だから離婚されたの。バツイチだって言ったでしょう?相手は跡取りが欲しかったから」
「そう、なの」
「当時で最先端の治療もしたわ、痛い思いも沢山した。知らないでしょう?…男は射精するだけだってのに……仕事も制限されて辛かったわ、そして…出来ないと分かって離婚された。もう20年近く前の話よ…子供が作れる体ならそんな思いせずに済んだのに…ただのセックスで簡単に出来るんならね…何歳になっても何度だって挑戦したかった、でも無理だった。レオくん、普通にセックスで子供が出来るって私にとって奇跡なのよ、羨ましいことよ……それをあなたは『面倒』って言った。私の地雷を踏んだのよ…せめて愛とか恋とか上手く言ってくれれば考えたかもしれないけど…ただの馬鹿なガキにしか見えなくなったわ…ううん、それ以下かも。脳みそまで海綿体なチャラ男、きっと女が妊娠しちゃったら逃げちゃうんでしょうね、あなたみたいな人って」
そう言って、シラトリさんはまた困惑する僕の顔のデッサンを再開する。
僕が軽々しく求めたセックスは彼女にとっては崇高な生殖行為であり太古の昔から多くの皆が成していること、けれど彼女は成せなかったこと。
能力がありながら遊興のために精を消費してあまつさえ懐妊を「面倒」「余計」と表した僕はシラトリさんにとっての敵だ。馬鹿な僕だってそれくらい分かる。
「ごめんなさい、そんな…知らなくて」
「知らなくて当然よ、言わないもの。だからこそあの信条は君の本音でしょう?遊びのために体を貪られるなんて御免よ、汚されたくない…分かるわよ、カップルのコミュニケーション、イチャイチャするのが楽しいって…それは双方の気持ちが揃っていればの話。私、本当セックスに良い思い出が無いの、最初から子作りの事務的なものしかしてもらえなかったから…今さら価値観が変わらないの。想像もできないしスるつもりも無いわ…あと数年で生理も上がっちゃう、そうしたら私、やっと呪縛から解放されるのかも」
「あの」
「ごめんなさいね、お子ちゃまなレオくんには難しい話だったかしら」
馬鹿にするなと言い返したいけど馬鹿なのは僕だ。
こんな時に丸裸な自分が情けないし心の奥底ではまだチャンスがあるんじゃないかと思ってさえいた。
黙りこくったまま僕は彫像みたいにじっとして、けれどシラトリさんの顔を見られず目線は天井だったり自分の鼻先だったりと終始落ち着かない。
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