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1・負けず嫌いのめぐとめぐ
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しおりを挟む「萌、おあッ」
「ひッ…なに、ッあ♡イっ…周、イ、げたぁ♡すごい、めぐ、すっごぉい♡」
「萌がすげぇの、あ、おわッ…あ、さすがに、ちっとしか出ないわ…」
周はすぐに引き抜いて、ダレたスキンを外す。
そしてペタッと私に貼り付き直し、
「萌、愛してる…ありがとう」
とキスをくれた。
「…なん、の、お礼…」
「新しい経験させてもらった礼、かな…平気?どこも痛くない?」
「ん…お尻が冷たい」
「タオル敷いて寝よう、持って来る……いやぁ、充足感がすごいわ…中イキするとあんななるのな」
「私も、知らなかった…」
放心状態の私をよそに、周はテキパキ動いて寝る準備を済ませる。
思ったほど水分は染みてないらしく、ベッドのマットレスは乾燥させればどうにかなりそうだった。
「(心拍数、なかなか下がらないな…すごい世界、見ちゃった…)」
ふわふわして夢のよう、介護のように身体を回されてバスタオルを敷かれる。
「明日…日付変わってるから今日か、朝から洗濯だね」
「…うん……ねぇ、私で満足できた?」
「もちろん。これからも鍛錬はするけど、萌がセックスに前向きだってことが分かったのも収穫だし、初めてイかせてあげられたから嬉しい。欲を言えば、イった状態を長く続けさせてあげたかったな。泣いて『イってるってばぁ!』って言わせたかった」
「…んー…まぁ、また、今度…」
さらなる願望はさておき、私の悦びを喜んでくれるこの人がより愛しく感じた。私だって本気で抱いてくれて嬉しい、余計な気遣いをさせずに済んで安堵している。
「(これからの力関係、変わるのかな…)」
私たちは同い年で対等、体格と学歴に差はあるがことセックスでは彼を優位にしてしまった。それは私の弱みになるのだろうか、当たり前のことなのだろうか。
「おやすみ」と挨拶を交わし、眠りにつく。
寄り添ってはいるが腕枕も無し、仲良く天井を向いての就寝だ。
「(いつも通りだ…)」
周も私も横寝が出来ないので、抱き合って眠れない。なので並んで仰向けになるだけだ。
けれど今夜は違う、布団の中で触れ合った指を絡めて眠った。
朝までには解けているかも、しかし薄れる意識の中に温かい周の手が気持ち良くて…愛情を感じた。
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