どうも、ネヤガワラです。

ナリ編・そうです俺は変態です

4（最終話）

　そうしていると玄関が解錠され開いて、
「ただいまー」
と相方・ウズと恋人・志保しほの帰宅した声が聞こえた。
「あ、帰ってきよった」
「え、え、やだ、」
「おかえりー」
「なんで応えんの、嫌や、」
一緒に住んでいるとはいえ情事を見せ合うような仲ではない、鳴美はナマケモノのように俺にしがみ付いて体を隠そうとする。
　共同生活なのだから就寝後を除いて在宅中にセックスをしないなんていうのは暗黙の了解以前にモラルの問題であって、ただ厳密に取り決めをしていないのでルール違反ともいえない。
　ウズが気配のある鳴美の部屋の前で
「陽二ー、マネージャーから聞いた？レギュラー決まってんて、頑張ろなぁ」
と声を掛ければ、俺は
「おう、頑張ろ♡ん、」
と腰を振って決意を新たにした。
「なに、もしかしてエッチしてた？」
「そらお祝いセックスよ、お前らもスれば？」
「そらええなぁ」
　「はいはい」と志保の声が微かに聞こえてそれきり相方も静かになって、ここから一番離れたウズの部屋に二人とも入ったらしかった。
「あっちも始めたんかな」
「阿呆ッ、きちんと、してたの、に、」
「せやな、セックスは悟らせんのがマナーよな♡ん、そろそろ、ごめんね、生理中は気持ち良過ぎて、ん♡早漏そうろうやで、ん、ん♡♡♡」
「ふァ」
　本日２回目の膣内射精に寝室内はどうにも生臭い空気が充満して、服や髪にも染み付いてぷんぷんと匂っている気がしてならない。

「鳴ちゃん、先に続き食うておいで」
「ん…あ、あんたウズくんのエッチ盗み聞きする気やろ」
「うん、相方のセックスに興味ある」
　ふらりと向こうへ行こうとする俺を引っ剥がして台所へ連れて行き、
「阿呆、他の女の喘ぎ声なんか聞かんでええ、変態」
と鳴美が口を尖らせれば
「ん、そうか、ひひっ♡」
と俺はまた無邪気に笑った。

・

　翌日相方に聞いてみたところ、志保ちゃんは「ローカルではまだダメ」と結婚は渋ったそうで、必然的に俺の結婚も先延ばしとなる。
「ぶー」
「約束やからなぁ、俺らだらしないから彼女との約束くらいは厳守せんと信用してもらわれへん」
「しやけどもさぁ…」
「始まるでー」

　ちなみにこの時決まった番組が以降10年ほど続く名物番組になったり、後続番組のメインMCをネヤガワラが担になったり…これから数ヶ月のうちに全国放送の帯番組の月イチのレギュラーを勝ち取ったりするのだが…今この時の俺らは知る由もない。



おしまい