上 下
3 / 119
プロローグ

2

しおりを挟む

「あッ…たち、ば、な、」

 彼女がベビードールの裾を自分でまくり足を開けば、さも当然とばかりに俺はそこへ手を伸ばす。

「お静かにッ…ふふ…歩夢さま、あぁ、待ち侘びていらしたんですね、こんなに濡らして…お可愛らしい」

「そんなこと、ない…」

「嘘を仰いますね…ほら…ん…とろとろです…歩夢さま、1週間ぶりですから、しっかり慣らしましょうね」

「ひィ……ぁ、あ…」


 俺は31歳の見た目は上品な男だ。

 長めに揃えた髪を今風のオールバックに整えていつもそれっぽく見せている。

 その髪を振り乱して歩夢嬢を責めるのもいつものこと…我々二人は令嬢と使用人という立場ながらてしまっているのだ。


「あ、橘ァ、そこ、やらッ」

「何がです、…ん、少し腫れていますか?生理用品でれたんでしょうか、後で薬を塗りましょうね」

「ひン…あんま、嗅がないでッ」

「まだ経血の匂いがありますものね」

「ばかァ」

嫌がるのは口先ばかり、小うるさい唇が股倉またぐらに差されようとも彼女は脚を閉じたりはしない。

 もはや慣れたルーティーンだ、儀礼的なクンニリングスに体は耐性ができてしまっていた。

 けれどそれと気持ち良さとは別のことで、ひとたびスイッチが入り良い所に舌が這えば、彼女の指は俺の固めた髪を撫でては少しずつほぐしていく。

「ん、ん、」

「たちばなァ…あ、」

「…半分くらい?」

「きゅー割、もォ、イぐ、イっぢゃう、」

「フム」


 年月を経て培った二人のわざ、どれくらい感じているかなんて手指の感触でも分かるのに俺は敢えて感度を彼女へと尋ねる。

 そして自覚させるのだ、さらには時に舌を止めて焦らしたりもする。

 けれど今夜は久々のセックス、生理中断で1週間ぶりだから俺もそれなりに溜まっていた。

「ん、ん…」

「たちば、イッちゃ、う、そこ、あ、あー、あー♡♡♡」

「うン、ん、」

「やめ、橘ッ!イった、イっ、ひゃん」

「ぷはッ…はい、ん、そのまま、ん、」


 口を付けたままカチャカチャとベルトを外す、ご令嬢の腰はオーガズムの波の中で「早く、早く」と躍る。

「もォやめてェ、やらッ」

「ん、はい、はいッ…歩夢さま、欲しいですか?」

「欲しい、からッ…舐めるの、やめ、て、」

「きちんとお申し付け下さい、歩夢さま、」


 もう脚の向こうには準備がなされているのだ。

 舐めただけでギンギンに研ぎ澄まされた俺が待っている。

 初めから丸裸ですればきゅうっと締まったそこにすぐさま飛び込めるというのにいつもこの脱衣の間を取って少し冷めるらしい。

 けれど俺的には彼女を試すためにわざわざ手間を掛けているからやめられない。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

どういえろ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:291pt お気に入り:2

自己評価低めの彼女は俺の自信を爆上げしてくれる。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:42

婚約破棄と言われても・・・

BL / 完結 24h.ポイント:655pt お気に入り:1,402

私の婚約者は、いつも誰かの想い人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:69,836pt お気に入り:3,625

🔥煙崎(デカチン)センパイは禁煙できない!🔥

BL / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:67

皇妃は寵愛を求めるのを止めて離宮に引き篭ることにしました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:255pt お気に入り:6,072

ノンケなのにAV男優に一目惚れしてしまった

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:19

処理中です...