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14…美羽ちゃんは別腹よ
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しおりを挟む「ただいま……あ、ご馳走だね」
「はい、昇進祝いです」
雅樹さんが帰宅したのは夜の22時。夕飯というよりは夜食だが致し方ない。
食卓には出来合いの揚げ物とお好み焼きと海鮮巻き寿司、自作のコールスローと昨日の残り物のおかずが数点並べてある。
時間が時間なのでスーパーのお惣菜も見切りシールが貼ってあった。けれど今日中に食べるならよしと大量買いをしてしまった。
「やった…見るだけでお腹いっぱいだね」
「私が食べますから。生もの優先で食べていきましょう」
「うん…いただきます」
「いただきまーす!」
高らかに発声すればお疲れ顔の雅樹さんは「ぷふっ」と笑う。
それを聞けば私もサーモン巻きを詰め込んだ口で笑う。
「可愛いなぁ、美羽ちゃん。見てるだけで本当にお腹いっぱい」
「食べて下さいよ、明日の朝ごはんにしても良いですけど」
「うん……美味しいね」
「はい!」
結局は卓上のご飯のほとんどは私のお腹に収まってしまったのだが、ぽんぽんになった腹を撫でて愛でる雅樹さんは食事中よりも数段至福そうで満たされた表情を見せる。
「さて、あとはベッドでね」
なんてのも慣れたしご愛嬌だ。
「もうお腹いっぱいでしょう?」
と返せば雅樹さんは数秒考え込んでネクタイを緩める。
そして固めた髪をくしゃくしゃと崩して
「美羽ちゃんは別腹よ」
と、ちっとも膨れてない腹を叩いて風呂場へと向かうのだった。
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