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初体験編
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しおりを挟む「ゔ、あ、あッ…あ、はァ……あ、あ、」
「んッ…お、はぁ…気持ちええわ…チィ、」
「んン…は…」
大きな手で腰を掴み男性を誇示される、千鶴はまるで自分が器のようだと揺れながら考える。
渉が危惧していたことは半分は当たっていて、千鶴は前回の2回分のセックスにそう満足はしていなかったし賢者タイムは仕組みとして仕方ないにしても寂しかったし今も抱かれながら虚無感を拭いきれないのだ。
「(はー、よく分かんないなぁ、これ、どうすれば良いんだろう?)」
身体を合わせて出入りしているだけ、不感症という訳でもなさそうだがどうにも虚しく喘ぎ声も自分で聴いていて白々しくってしょうがない。
とはいえどうすれば改善するのかも分からない。
言えば失礼だろうし、でも言わなければ経験を積むことにはならなくて…だんだんと良くなってきたかな、そんなことを考えていると渉のピストン運動がぴたと止まった。
「……?」
「チィ、チィは気持ちええか?」
「ッ、あ、うん、」
「本音か?」
「……あの、」
顔は見えないがその声は真面目で真っ直ぐ耳に届いていて、これはいつぞやの防波堤に腰掛けた時と同じだなぁなんて思えばきゅんとノスタルジーに胎が反応する。
「ほんまのことを言えよ、チィ」
「あっ…あの、怒らない、で、」
「怒らん、言うてくれ」
「わ、渉くん、独りよがりというか…私の反応とか…見てくれないなって…思って」
自分本位な動きではなかなか快感は得られない。そして今日は愛撫も無しに即挿入で…気持ちと心臓はドキドキしているのだけれど、体の感度が追いつかない。
「独りよがり」はだいぶん攻めた言い方だったが怒っていないか、自信を折ってしまってないか、千鶴は淡い桃色のシーツを見つめながら拳を握りしめた。
「…あの、気持ちいいとか、よく分かんなくて…伝え方が下手でごめんなさい、」
言いながら「渉くんひとりの責任だろうか」と気になり謝罪で終わらせるも、セックスを貶された彼は
「痛くはない?」
とまだビギナーな千鶴の体を労うので彼女としても恐縮してしまう。
「う、うん、それは大丈夫…」
「ほうか…時間が限られとるけぇ急いてしもうて…すまんかった…そうじゃの、共同作業じゃもんな……うん…ほんなら、聞きゃあ答えてくれるか?」
「え、」
ピストンを再開したら衝撃に脳がぐわんと揺さぶられて、じわじわ高まってきていた快感のボルテージが一気に盛り上がる。接合部から愛液がつぅと垂れて太ももを伝い、耳元にふぅと荒い吐息が掛かれば"抱かれている自分"のエロティックさに身震いがした。
「答えて、どんな、感じ?」
「ふッ…あ、あったかく、て、あ♡っフ…お腹ぁッ、押され、テっ…声、出ちゃウ、」
それは快感じゃなくて物理的というか反射みたいなもので、勉強家な渉はAVで観た喘ぎ声とはまた異なるなと思案する。
「気持ち良くはない、か、」
「分かんな、いッ…あ、むずむず、して…恥ずかし、くてェ、は…あァ♡」
しかし次第に舌足らずになって裏返ったり甘く蕩けるようになってきて、渉は斜めから顔を覗き込み
「チィ、気持ちいい?ん?」
と挑発してみた。
「わがんな、いッ」
「ぼれぇ締まりよるけどなぁ…ははぁ、良うなるまで時間が掛かるんかの、女子は、ん?」
「ふぅッ…あ、あ♡」
「チィ、ま◯こギュウギュウじゃ♡」
「ひン♡」
「んん♡チィ、さてはMなんか?」
「知らない、よぉッ…あ、アふ♡ッあぁ♡」
スパンスパンと肌が打ち合えば痛くもないのに音だけ大袈裟で、四つ脚をつく千鶴は自分が獣になった様な恥ずかしく惨めな気分で鳴き声を漏らす。
ナカは渉がぱんぱんにハマっていて隙間も無く、ごりごりと肉襞を削ってはまた愛液を穴の外へと掻き出してを繰り返す。トイレで嗅いだ覚えのある下着の中の匂いがむあっと鼻まで届いて、千鶴は「あぁコレって普段から漏れてたんだ」とそれも恥ずかしく感じた。
「エッチは、こうして磨いていくしかないのぅ、したらあれは、メールとかが素っ気ないのは、あれなんでじゃ、あ?」
「ひッ♡あ、ごめんなさ、イっ、冷たくした訳じゃ、なく、て、エっ♡」
「ん?なに、賢者タイムの仕返しかァ?あ?」
「ヒぐッ♡っふ、それも、ちょっと、あるけど、さ、寂しくて、」
「はぁ?」
「駅、で、別れる時から、寂しくて、素っ気なく、しちゃった、の、」
去り際に機嫌を損ねるなんて小学生か、渉は親戚の子にそのような対応をされたことを思い出しては眉を歪ませる。
分からないではない、楽しく遊んだ後は友達といえども別れるのが辛いものである。しかもそれが遠距離で易々と会えない関係となれば、彼女の寂しさの裏返しもまぁ分からんでもない。
「ほんならメールは、そっちも、素っ気なかったわい、」
「あ、あの夜ね、じっくりね、昼間のこと…思い出したら、すっごく…エッチな気分になっちゃったの」
「うん?」
「だって私、ノーパンで帰ったんだよ⁉︎」
「そういやそうか」
「渉くんのこと変態とかエッチだって言ったのに、私も同類で…それで…その…な、なんて言うの、女の子の…あの、」
ベッドについた手の指をもじもじくねくね、男性のそれのジェスチャーは分かるのだが女性のそれが千鶴には浮かばず、ついその時の実演を無意識にしてしまっていた。
「チィ…ちゃんと言え、ん?」
「ふア……あの、ひ、ひとりエッチ、しちゃって…なんか罪悪感、で…申し訳なくって、」
「そりゃ、ワシがオカズってことか」
「そ、そう、なの、ごめんなさい、」
微動の中でしゅんと項垂れて、自慰行為に肖像権が適用されるとでも思っているのか千鶴は渉の名誉を傷付けたとばかりに切ない声で謝罪をする。
「ええがの、どんどんせぇや♡ふーん、へーえ、チィがワシをズリネタにオナったんかぁ、へぇー…スケベじゃの♡」
「ム、」
「エッチ」は良いけど「スケベ」は何だか嫌な感じがする。千鶴は端ない己の姿に堪えきれず肘を折り頭を抱えた。
「そ、そういうこと言うからッ…嫌なの、あの、後ろめたくって、でもね、どんどん…渉くんと…もっとシたいって、思っちゃって…お、おかしいじゃない、女の子がこんな…欲しがるって…」
「そうかの、ゔんッ♡」
要は欲求が高まってもっと欲しくなったのだろう、気を良くした渉は下がりかけた尻を持ち上げて子宮目掛けて打ち付ける。
「あッ♡あ、わだッる、ぐ、」
「欲しがってくれえの、チィ♡なぁ、ワシのちんちん、欲しかったんか、可愛いのぅ、お?」
「きゃ、ア、あ、」
「チィ、ちんちんはどうなら、気持ちええか、」
「う、んッ…きもち、い、」
遂に崩れた、籠もった声に
「本音かぁ?あ?」
と聞き返せば
「ほん、とうッ…あッ♡渉ぐんッ♡気持ちい、っアふ、ゔ、あ、あ、」
千鶴はもう一度肘を立てて顎を天井へ向け汗を散らした。
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