65 / 142
第三話
第五十四節 一滴のシミ
しおりを挟む
レイは部屋に入り荷物をまとめると、大きくため息を吐いた。なんだか、色々な出来事が一気に自分の目の前に現れては、一気に過ぎ去っていくような感覚だ。
自分の大切なものまでも掻っ攫っていくような、そんな一抹の不安を煽られているようで。思った以上に、精神的にダメージが来ているようだ。今日はこの街で休もうと提案してくれたエイリークに、感謝しかない。
ベッドに腰かけ片膝を抱える。そこに顔をうずめ縮こまる。そうでもしないと、大切な何かが零れ落ちていくような気がしてならない。
憧れでもあり、自分の恩人のヤクやスグリが行方不明で、生きているのかさえ分からない。二人がそんな状況に陥るなんて、考えたことがなかった。
自分の女神の巫女の力でもある予知夢では、そのような夢は視ていない。レイが夢を視た段階で、その未来は約束されたものとなる。どれだけ横道に逸れようとも、確定した、選択されるその未来へと夢が現実は進んでいく。
ここ最近は、夢を視ない。視ていないということは、今のこの状態は不測のもの。つまりその場その場で一つ一つ、決められた選択肢から選ばなければならない。しかもその選択が正しいのか正しくないのか、わからない。
こんなにも不安なものなのか。事前に選択の猶予も与えられないことが、こんなにも重大なのに、怖いことだなんて。
「大丈夫か?」
いつの間にかラントが隣に座り、レイの様子を窺っていた。少しだけ顔を上げ、小さくふるふると首を横に振る。いつも思うが、何故かラントの前ではエイリークたちには見せない顔を見せることができる。
それは彼が自分と同じ人間だからか、はたして。
「ちょっと、いろんなこと起きすぎて、頭こんがらがる……」
「……そうか」
「師匠とスグリ、きっと大丈夫だよな?消息不明っていってたけど、絶対に、生きてるよな……?」
「レイ……」
「二人は強くて、軍の部隊長で、俺の自慢の二人で……。なのに、不安で怖くてどうしようもなくて。もし二人が死んじゃってたら、どうしよう……!」
頭をよぎるのは二人の笑顔や、今までの楽しかった記憶だ。それが思い出になってしまうかもしれない。そのことがとてつもなく、怖い。共有することもできなくなってしまったらと、負の感情に引っ張られてしまう。カタカタと身体が震える。
そんな自分の肩に手を置いて、ラントが己の方へと、レイを抱き寄せてきた。それいやに安心できるから、だからつい弱音ばかりを吐く。素直に寄りかかり、ラントの温度を感じていたい。今は強くそう思う。
「俺、女神の巫女になったことは、後悔してない。この力で世界を導く手伝いがしたいってのが、俺の夢だから。でもそのために、この力のせいで犠牲になっていく人がいるのが、俺……」
「……ああ」
「俺一人の命で世界を救えるなら、怖いけど死んだっていい……。でもそうじゃないだろ?」
「……そうだな」
「何の目的でどういう理由で、女神の巫女ばかり狙われるんだ?どうして、いつもいつも俺の目の前にある世界はこんなにも、理不尽なことばかり……!」
「……世界は理不尽だらけなのさ。それを、どう折り合いをつけて生きていくか。それを考えられるのが大人で、それが理解できないうちは、まだ子供なんだ」
でも、とラントが諭してくる。頭を撫でてくれるその手が、痛いくらいに優しい。
「俺もお前もまだ、ガキだ。だから理不尽なこと怖いことに対して、怒っていいし泣いてもいいんだ。たとえ世界を導き救う女神の巫女であってもな」
「ラント……」
「そこまで無理して、巫女しなくてもいいんじゃないか?」
今までも女神の巫女はいても、レイ・アルマという人物は今目の前の一人しかいないのだから。
なんな言葉を投げかけられて、レイはせき止めていた感情を爆発させるかのように、ラントに縋って泣く。ラントはそんなレイの頭を撫でながら、何を言うでもなく、そこにいた。
******
しばらくして、泣き腫らしたレイは落ち着きを取り戻した。目元を拭いながら、ラントに礼を述べる。気にするなと言ってくれる彼に、つい甘えてしまう。
「ありがとな、スッキリした」
「本当か?」
「何も問題は解決してないけど……。でも、少し余裕が出てきたのは本当。色々ありすぎて頭パンクしそうだったけど、聞いてもらったから整理もつけそう」
「そっか……ならよかった」
ラントは笑うと、ふとポケットの中からある物を取り出す。淡い黄色が美しい石が使われたイヤリングだ。急にこんなものを取り出して、何かあるのだろうか。
視線でそう訴えかける。イヤリングをレイに見せた彼は、話し始めた。
「以前たまたま見つけたものなんだけどな、これ見た瞬間にレイのこと思い出してよ。よかったら一緒につけようぜ?」
「つけるって、これ一セットしかないんじゃ、つけるも何も」
「だから、俺たち二人で片方ずつってことさ。俺が左耳で、お前が右耳。簡単だけど、形に見える俺たちの親友の証ってコトで」
「なんで急に?」
「まぁ変なタイミングだけど、今までこうして落ち着いて話す機会って、あんまなかっただろ?だから個人的にはこのタイミングってなったし、言ったろ?これ見た瞬間レイのこと思い出したって」
そう言いながら、ラントは台紙からイヤリングを外す。右耳用のイヤリングを外すと、レイに渡してきた。言われるががまま渡されて、ラントを見る。
屈託のない笑顔を見せられては、無碍にすることもできない。それにこのような目に見えるものも、悪くないと感じる自分もいた。同じように笑ってから返事をする。
「そこまで言うのなら、仕方ないなぁ」
「やりぃ」
そう言ってレイは言われたとおり、右耳にイヤリングをつける。ラントは左耳に同じようにイヤリングをつけた。
使われている石は何かと尋ねれば、それはシトリンだと教えられる。石言葉は確か、友情だったか。友情の証にシトリンのイヤリングだなんて、ラントからは想像もつかないようなロマンチスト思考だ。おかしくて思わず笑えば、いつぞやのように髪をわしゃわしゃと弄られる。
他愛もない会話をしているうちに、いつの間にかリラックスできていた。
「夜も更けてきたし、明日も早いだろうから寝ようぜ」
「もうそんな時間か。って、俺たちメシ食ってない!!」
「……ば、売店!外の売店行こう!そんでもって食べてシャワー浴びて寝る!」
「だな!?まだ間に合うよな!?」
その後、慌てて夕食を調達したり急かされるようにシャワーを浴びたりと、慌ただしく行動していく。そのなかで、自然とこの街に来た時に抱いていた不安が小さくなっていったことに、レイはベッドに入ってから気付く。
今も首からかけているペンダントを握りつつ、空いている手で右耳を触る。確かにそこにあるイヤリングの感触に、思わず笑みが零れる。
だって、初めてだ、こんなこと。学生時代にも友達は多くいたけれど、こんな風に何か一つのものを共有するなんてなかった。だから嬉しい。しかもこうして、目に見える形で残すだなんて。
もうラントは寝ただろうか。寝返りを打った振りをして彼を見る。すやすやと寝息を立てるラントを見ながら、レイは心の中にある感情が芽生えることを覚えた。同性同士でなのに、いや、だからこそだろうか。
もしこの感情を、ラントにぶつけることができたなら。もしそれに、彼が答えてくれたなら。淡い希望を持って、いつかしっかりと、自覚したときに告げよう。心の中にその想いを、そっとしまい込む。
目の前にある問題が片付いたら、言ってみたい。頭でいろいろなセリフを考えながら、微睡みに意識を預けるレイであった。
翌日、多少目が腫れてはいたが構わずにエイリークたちと合流する。昨日別れた時には、心配してくれた彼らを気遣えるほどの心の余裕はなかった。精神が摩耗しきっていて、憔悴した姿を見せてしまったと気付いたのは、起きてからのことだった。
そんな自分の姿を見ていたからだろうか。打って変わった今日のレイの様子に、多少戸惑った様子のエイリークたちに出迎えられる。自棄になってないかと尋ねられた。
「大丈夫。心配かけてごめんな、みんな」
「ううん、レイが大丈夫ならよかったよ」
「ありがとな」
笑って返事をすると、ケルスは何かに気付いたのか質問してくる。
「その、何かいいことがありました?」
「えっ?」
その質問に思わず声が裏返り、一瞬だがラントに視線を移す。なんとなくそのことはまだ秘密にしたくて、何でもないと誤魔化す。
「そう、ですか?」
「そう!早くミズガルーズに行こうぜ!?」
ケルスに答え、その場から逃げるように宿屋を後にするレイであった。
自分の大切なものまでも掻っ攫っていくような、そんな一抹の不安を煽られているようで。思った以上に、精神的にダメージが来ているようだ。今日はこの街で休もうと提案してくれたエイリークに、感謝しかない。
ベッドに腰かけ片膝を抱える。そこに顔をうずめ縮こまる。そうでもしないと、大切な何かが零れ落ちていくような気がしてならない。
憧れでもあり、自分の恩人のヤクやスグリが行方不明で、生きているのかさえ分からない。二人がそんな状況に陥るなんて、考えたことがなかった。
自分の女神の巫女の力でもある予知夢では、そのような夢は視ていない。レイが夢を視た段階で、その未来は約束されたものとなる。どれだけ横道に逸れようとも、確定した、選択されるその未来へと夢が現実は進んでいく。
ここ最近は、夢を視ない。視ていないということは、今のこの状態は不測のもの。つまりその場その場で一つ一つ、決められた選択肢から選ばなければならない。しかもその選択が正しいのか正しくないのか、わからない。
こんなにも不安なものなのか。事前に選択の猶予も与えられないことが、こんなにも重大なのに、怖いことだなんて。
「大丈夫か?」
いつの間にかラントが隣に座り、レイの様子を窺っていた。少しだけ顔を上げ、小さくふるふると首を横に振る。いつも思うが、何故かラントの前ではエイリークたちには見せない顔を見せることができる。
それは彼が自分と同じ人間だからか、はたして。
「ちょっと、いろんなこと起きすぎて、頭こんがらがる……」
「……そうか」
「師匠とスグリ、きっと大丈夫だよな?消息不明っていってたけど、絶対に、生きてるよな……?」
「レイ……」
「二人は強くて、軍の部隊長で、俺の自慢の二人で……。なのに、不安で怖くてどうしようもなくて。もし二人が死んじゃってたら、どうしよう……!」
頭をよぎるのは二人の笑顔や、今までの楽しかった記憶だ。それが思い出になってしまうかもしれない。そのことがとてつもなく、怖い。共有することもできなくなってしまったらと、負の感情に引っ張られてしまう。カタカタと身体が震える。
そんな自分の肩に手を置いて、ラントが己の方へと、レイを抱き寄せてきた。それいやに安心できるから、だからつい弱音ばかりを吐く。素直に寄りかかり、ラントの温度を感じていたい。今は強くそう思う。
「俺、女神の巫女になったことは、後悔してない。この力で世界を導く手伝いがしたいってのが、俺の夢だから。でもそのために、この力のせいで犠牲になっていく人がいるのが、俺……」
「……ああ」
「俺一人の命で世界を救えるなら、怖いけど死んだっていい……。でもそうじゃないだろ?」
「……そうだな」
「何の目的でどういう理由で、女神の巫女ばかり狙われるんだ?どうして、いつもいつも俺の目の前にある世界はこんなにも、理不尽なことばかり……!」
「……世界は理不尽だらけなのさ。それを、どう折り合いをつけて生きていくか。それを考えられるのが大人で、それが理解できないうちは、まだ子供なんだ」
でも、とラントが諭してくる。頭を撫でてくれるその手が、痛いくらいに優しい。
「俺もお前もまだ、ガキだ。だから理不尽なこと怖いことに対して、怒っていいし泣いてもいいんだ。たとえ世界を導き救う女神の巫女であってもな」
「ラント……」
「そこまで無理して、巫女しなくてもいいんじゃないか?」
今までも女神の巫女はいても、レイ・アルマという人物は今目の前の一人しかいないのだから。
なんな言葉を投げかけられて、レイはせき止めていた感情を爆発させるかのように、ラントに縋って泣く。ラントはそんなレイの頭を撫でながら、何を言うでもなく、そこにいた。
******
しばらくして、泣き腫らしたレイは落ち着きを取り戻した。目元を拭いながら、ラントに礼を述べる。気にするなと言ってくれる彼に、つい甘えてしまう。
「ありがとな、スッキリした」
「本当か?」
「何も問題は解決してないけど……。でも、少し余裕が出てきたのは本当。色々ありすぎて頭パンクしそうだったけど、聞いてもらったから整理もつけそう」
「そっか……ならよかった」
ラントは笑うと、ふとポケットの中からある物を取り出す。淡い黄色が美しい石が使われたイヤリングだ。急にこんなものを取り出して、何かあるのだろうか。
視線でそう訴えかける。イヤリングをレイに見せた彼は、話し始めた。
「以前たまたま見つけたものなんだけどな、これ見た瞬間にレイのこと思い出してよ。よかったら一緒につけようぜ?」
「つけるって、これ一セットしかないんじゃ、つけるも何も」
「だから、俺たち二人で片方ずつってことさ。俺が左耳で、お前が右耳。簡単だけど、形に見える俺たちの親友の証ってコトで」
「なんで急に?」
「まぁ変なタイミングだけど、今までこうして落ち着いて話す機会って、あんまなかっただろ?だから個人的にはこのタイミングってなったし、言ったろ?これ見た瞬間レイのこと思い出したって」
そう言いながら、ラントは台紙からイヤリングを外す。右耳用のイヤリングを外すと、レイに渡してきた。言われるががまま渡されて、ラントを見る。
屈託のない笑顔を見せられては、無碍にすることもできない。それにこのような目に見えるものも、悪くないと感じる自分もいた。同じように笑ってから返事をする。
「そこまで言うのなら、仕方ないなぁ」
「やりぃ」
そう言ってレイは言われたとおり、右耳にイヤリングをつける。ラントは左耳に同じようにイヤリングをつけた。
使われている石は何かと尋ねれば、それはシトリンだと教えられる。石言葉は確か、友情だったか。友情の証にシトリンのイヤリングだなんて、ラントからは想像もつかないようなロマンチスト思考だ。おかしくて思わず笑えば、いつぞやのように髪をわしゃわしゃと弄られる。
他愛もない会話をしているうちに、いつの間にかリラックスできていた。
「夜も更けてきたし、明日も早いだろうから寝ようぜ」
「もうそんな時間か。って、俺たちメシ食ってない!!」
「……ば、売店!外の売店行こう!そんでもって食べてシャワー浴びて寝る!」
「だな!?まだ間に合うよな!?」
その後、慌てて夕食を調達したり急かされるようにシャワーを浴びたりと、慌ただしく行動していく。そのなかで、自然とこの街に来た時に抱いていた不安が小さくなっていったことに、レイはベッドに入ってから気付く。
今も首からかけているペンダントを握りつつ、空いている手で右耳を触る。確かにそこにあるイヤリングの感触に、思わず笑みが零れる。
だって、初めてだ、こんなこと。学生時代にも友達は多くいたけれど、こんな風に何か一つのものを共有するなんてなかった。だから嬉しい。しかもこうして、目に見える形で残すだなんて。
もうラントは寝ただろうか。寝返りを打った振りをして彼を見る。すやすやと寝息を立てるラントを見ながら、レイは心の中にある感情が芽生えることを覚えた。同性同士でなのに、いや、だからこそだろうか。
もしこの感情を、ラントにぶつけることができたなら。もしそれに、彼が答えてくれたなら。淡い希望を持って、いつかしっかりと、自覚したときに告げよう。心の中にその想いを、そっとしまい込む。
目の前にある問題が片付いたら、言ってみたい。頭でいろいろなセリフを考えながら、微睡みに意識を預けるレイであった。
翌日、多少目が腫れてはいたが構わずにエイリークたちと合流する。昨日別れた時には、心配してくれた彼らを気遣えるほどの心の余裕はなかった。精神が摩耗しきっていて、憔悴した姿を見せてしまったと気付いたのは、起きてからのことだった。
そんな自分の姿を見ていたからだろうか。打って変わった今日のレイの様子に、多少戸惑った様子のエイリークたちに出迎えられる。自棄になってないかと尋ねられた。
「大丈夫。心配かけてごめんな、みんな」
「ううん、レイが大丈夫ならよかったよ」
「ありがとな」
笑って返事をすると、ケルスは何かに気付いたのか質問してくる。
「その、何かいいことがありました?」
「えっ?」
その質問に思わず声が裏返り、一瞬だがラントに視線を移す。なんとなくそのことはまだ秘密にしたくて、何でもないと誤魔化す。
「そう、ですか?」
「そう!早くミズガルーズに行こうぜ!?」
ケルスに答え、その場から逃げるように宿屋を後にするレイであった。
0
あなたにおすすめの小説
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
「無能な妻」と蔑まれた令嬢は、離婚後に隣国の王子に溺愛されました。
腐ったバナナ
恋愛
公爵令嬢アリアンナは、魔力を持たないという理由で、夫である侯爵エドガーから無能な妻と蔑まれる日々を送っていた。
魔力至上主義の貴族社会で価値を見いだされないことに絶望したアリアンナは、ついに離婚を決断。
多額の慰謝料と引き換えに、無能な妻という足枷を捨て、自由な平民として辺境へと旅立つ。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!
つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。
冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。
全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。
巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる