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第三話
第五十七節 怒りを鎮める
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白い化け物たちの死を確認したヴァダースは、ようやく術を解く。
地面に放り出された死骸を見下ろしながら、彼は心の中で何処か安堵していた。何年もかかったが、ようやく仲間を惨殺した憎い相手を殺せた。仇を打てた、と。
「私も、成長しましたよ……シューラ……」
一度遠くを見上げ、肺に溜まった空気の濁りを吐き出す。しかしそれもつかの間。ヴァダースは表情を切り替え、周囲の状況を確認する。
周囲に渦巻く炎の勢いは、まだ衰えを見せない。もう少し状況を調べようかと足を進めようとして──自分に向けられた殺気に気付いた。
「"産声上げる大地の前奏曲"!」
牽制のために黄色のダガーを投擲し、直後に一つ指を鳴らす。
瞬間、ダガーに内包させていたマナが爆発を起こし、それ自体が弾ける。飛び散ったダガーの破片が一斉に殺気のいる場所へ向かった。
無数のダガーの破片の直撃を受ける──かと思われたが。
遠くからの襲撃は無理だと判断したのか、殺気の正体は物陰からヴァダースへと飛び出す。外套で身を包みながらも、前かがみの体勢でヴァダースに向かって駆ける。
一度大きく踏み込み、飛躍した。その様は鳥のよう。ヴァダースが放ったダガーの群衆よりも上に飛び上がり、直撃を回避した。
着地後、その人物は地面を強く踏み込み、それを利用して一気にヴァダースとの間を詰める。短剣を手に、それをヴァダースの身体に突き立てるかのように。
しかしその攻撃を素直に受けるヴァダースではない。忍ばせていた別のダガーを取り出し、迫ってきた人物の短剣を寸でのところで受け止める。
鍔迫り合いになる両者。目深に被っているフードで相手の表情は見えないが、この動きには覚えがありすぎる。
──嗚呼、本当に。これが夢ならばどんなに良かったか。
心の中で呟いてから、しかし思考を切り替える。このまま殺されるわけにはいかない。それにこの動きの対処法など、最初から分かっている。
突きつけられていた短剣を弾く。
衝撃で相手は体勢のバランスを崩す。
体が開かれる。
その一瞬を見逃さず拳を握り、相手の鳩尾を狙う。
ヴァダースの動きにその人物はすかさず反応。彼の拳を受け止め、握り返すとそのまま己の方へとヴァダースの腕を引く。
その行動でバランスを崩したヴァダースの一瞬を狙い、蹴りを繰り出そうとした。
頭部に強い衝撃を受ける──はずもなく。
ヴァダースは腕を掴まれた状態のまま下に屈み、その蹴りを回避。これが成功。
相手の繰り出された足の位置が、己の背後になるように。
滑り込ませるように体を動かし、ダガーを持っていた手でそのまま相手の太ももを一閃。ナイフを持つ手には確かな手ごたえ。息を呑むような彼の悲鳴が耳に届く。
そして改めて手にマナを収束させ、今度こそと相手の空いた体に一撃。
「"空気砲"!!」
空気の塊を浴びせれば、相手は息を詰まらせたあと、後方へと吹っ飛ぶ。
術の勢いでそのまま瓦礫の壁に衝突した相手に、ヴァダースは追撃を加える。
「"悲劇を奏でる白い旋律"ッ!」
光のマナを内包した、白く光る無数のダガー。そのダガーは刃の鋭さで言えば、ヴァダースの所有するダガーの中で群を抜いたもの。そんな、触れるだけでも肌を一閃させてしまうダガーたちが、相手の外套を切り刻んだ。
はらり、と抵抗もできないままただの布切れと化した外套を一瞥しながら、正体が明るみになった人物はそれでも何処か達観したような表情で呟く。
「やっぱり……強いですね、ヴァダースさんは。さすが、俺が尊敬している人だ」
「……どうして、なんですか。どうして、こんなことに……ッ。答えなさい、メルダー!」
殺気を纏わせヴァダースを襲ってきた人物──メルダーに対して、ヴァダースは掴みかからんばかりの勢いで叫んだ。メルダーは何処か達観したような、それでいて寂しいような笑顔を浮かべてヴァダースに向き合う。
それから、懺悔するかのように彼は真実を語り始めた。
「……見ての通りです。俺は、カーサに遣わされたスパイなんですよ。ずっと貴方たちを裏切っていた、最低なクズ野郎です」
「ッ……」
「俺の本当の姿は、ズゥニの呪医結社の構成員です。ヴァダースさんは、もう知っているんでしょう?その結社が、どういう組織なのか」
「……ええ。ですが、知りたくなかった。貴方が結社の構成員だということも、スパイだったということも……!」
殺人とは誰でも己の生命を救うためであり、生命を奪われる危険から逃れる唯一つの方法。そんな、ひどく歪な理念をもとに構成されているズゥニの呪医結社。
メルダーいわく"流血の螺旋の先にこそ我らの救いはあり"という言葉は、その理念を基に囁かれるようになった祝詞であるらしい。
「……俺の先祖、滅びたはずのズゥニの一族は、実は本当の意味で滅んでなんかいなかったんです」
「どういうことですか……」
「数は減っていたけど、ズゥニの一族は備わっている生命力と出生率の高さから、膨大な血縁関係者がいたんです」
結社が作られる前より、ズゥニの一族は数えきれないほどの人物たちが、世界各地にいたらしい。平穏に暮らせるはずだった彼らだが、当時は人間による多種族迫害が横行していた。その被害を恐れ、自身の正体を隠したまま地上で生を遂げたズゥニの一族もいたとのこと。
ズゥニの一族とは違う血が混ざり合って生まれた子供だとしても、隔世遺伝が起きる場合は十分にある。その血に少しでも一族の血が紛れているのなら、細々とした血の繋がりだとしても、可能性はゼロではない。
ズゥニの呪医結社が生まれたそもそものきっかけは、彼らの能力を知った人間たちによる迫害からだった。人間以外の多種族狩りが行われていた時代。ただそこで生きているだけで殺されるかもしれないという恐怖から逃げるために必死だった。
その結果、一族の生き残りとも呼べるズゥニの一族の血縁関係者たちは結社を設立。最終的に地下に身をひそめながら生きていくことになった、と。
「俺たちズゥニの呪医結社は、400年前から光のない闇の世界で生きてきた。そんな世界でも必死に生き残るため、俺たちの能力に関与しようとしてくる人物やそれを奪おうとする組織を殺しながら、ずっと」
「ズゥニの一族の記憶する能力や治癒能力のせいで、そんなことに……」
「はい。俺も、そんな隔世遺伝を持って生まれた子供だった」
結社は基本的に、ズゥニの一族だから結社に所属しなければならないと強制することはなかった。身分を隠したままなら、光溢れる地上の世界で自由に生きていいと一族の血縁関係者に通達していた。
しかし一族の隔世遺伝が見つかった場合は話が別だと、メルダーは語る。
隔世遺伝が見つかった子供は親兄弟から隔離して、ズゥニの呪医結社に強制的に所属させなければならないという掟があるらしい。理由は、子供では能力を制御することはできないからだそうだ。
隔世遺伝で開花したズゥニの一族の血縁関係者は、子供といえど優れた治癒能力や記憶する能力が備わることになる。それら秘伝の業が外部の人間に知られたら、悪用されてしまうかもしれない。そんな恐れから、子供は隔離され結社の構成員として働かせるために育てられる、とのことだ。
「なんとも馬鹿げた掟だと思うでしょう?俺もそう思いますよ。それでも、結社には育ててもらった恩がある。だからどうしても、裏切れなかった……」
「メルダー……」
「……成長した俺は、結社の執行人として、生きてきました。俺と同じように隔世遺伝が見つかった子供であるにもかかわらず、結社に所属させなかった一族の裏切者を、殺すこと。それが、俺の仕事だった。そう……あの子の両親でさえも」
「それが、嫌われていた一番の理由ですか……」
「元々あの子の親たちは、まともに育児をしていなかった!ただ産んだだけで、放置されていた。住んでいた場所がスラム街でしたからね、無理もありませんが……」
親を殺したメルダーはそのまま"その子"を保護して、結社に連れて行ったのだそうだ。その子は当時八歳で、意味も分からず両親を殺したメルダーを恨んでいた。それでもメルダーは贖罪として、彼の世話を見た。どうかこんな血に塗れた結社の中にいても、幸せに暮らせるようにと。
そんな生活をしていたある日のこと、自分たちが世界保護施設に狙われているかもしれないという事実を結社は掴んだ。そして彼らの動向を探るため、結社はメルダーを世界保護施設にスパイとして潜入するよう指示した。
指示を受けたメルダーは指示通り、まず世界保護施設にスパイとして彼らの中に潜り込んだ。人体実験の実態などの情報を盗み、折りを見て手にした情報を結社に流していた。しかし彼は、そのスパイ活動中にある衝撃的な事実を知ってしまった。そう話したメルダーはまるで、泣いているように見えた。
地面に放り出された死骸を見下ろしながら、彼は心の中で何処か安堵していた。何年もかかったが、ようやく仲間を惨殺した憎い相手を殺せた。仇を打てた、と。
「私も、成長しましたよ……シューラ……」
一度遠くを見上げ、肺に溜まった空気の濁りを吐き出す。しかしそれもつかの間。ヴァダースは表情を切り替え、周囲の状況を確認する。
周囲に渦巻く炎の勢いは、まだ衰えを見せない。もう少し状況を調べようかと足を進めようとして──自分に向けられた殺気に気付いた。
「"産声上げる大地の前奏曲"!」
牽制のために黄色のダガーを投擲し、直後に一つ指を鳴らす。
瞬間、ダガーに内包させていたマナが爆発を起こし、それ自体が弾ける。飛び散ったダガーの破片が一斉に殺気のいる場所へ向かった。
無数のダガーの破片の直撃を受ける──かと思われたが。
遠くからの襲撃は無理だと判断したのか、殺気の正体は物陰からヴァダースへと飛び出す。外套で身を包みながらも、前かがみの体勢でヴァダースに向かって駆ける。
一度大きく踏み込み、飛躍した。その様は鳥のよう。ヴァダースが放ったダガーの群衆よりも上に飛び上がり、直撃を回避した。
着地後、その人物は地面を強く踏み込み、それを利用して一気にヴァダースとの間を詰める。短剣を手に、それをヴァダースの身体に突き立てるかのように。
しかしその攻撃を素直に受けるヴァダースではない。忍ばせていた別のダガーを取り出し、迫ってきた人物の短剣を寸でのところで受け止める。
鍔迫り合いになる両者。目深に被っているフードで相手の表情は見えないが、この動きには覚えがありすぎる。
──嗚呼、本当に。これが夢ならばどんなに良かったか。
心の中で呟いてから、しかし思考を切り替える。このまま殺されるわけにはいかない。それにこの動きの対処法など、最初から分かっている。
突きつけられていた短剣を弾く。
衝撃で相手は体勢のバランスを崩す。
体が開かれる。
その一瞬を見逃さず拳を握り、相手の鳩尾を狙う。
ヴァダースの動きにその人物はすかさず反応。彼の拳を受け止め、握り返すとそのまま己の方へとヴァダースの腕を引く。
その行動でバランスを崩したヴァダースの一瞬を狙い、蹴りを繰り出そうとした。
頭部に強い衝撃を受ける──はずもなく。
ヴァダースは腕を掴まれた状態のまま下に屈み、その蹴りを回避。これが成功。
相手の繰り出された足の位置が、己の背後になるように。
滑り込ませるように体を動かし、ダガーを持っていた手でそのまま相手の太ももを一閃。ナイフを持つ手には確かな手ごたえ。息を呑むような彼の悲鳴が耳に届く。
そして改めて手にマナを収束させ、今度こそと相手の空いた体に一撃。
「"空気砲"!!」
空気の塊を浴びせれば、相手は息を詰まらせたあと、後方へと吹っ飛ぶ。
術の勢いでそのまま瓦礫の壁に衝突した相手に、ヴァダースは追撃を加える。
「"悲劇を奏でる白い旋律"ッ!」
光のマナを内包した、白く光る無数のダガー。そのダガーは刃の鋭さで言えば、ヴァダースの所有するダガーの中で群を抜いたもの。そんな、触れるだけでも肌を一閃させてしまうダガーたちが、相手の外套を切り刻んだ。
はらり、と抵抗もできないままただの布切れと化した外套を一瞥しながら、正体が明るみになった人物はそれでも何処か達観したような表情で呟く。
「やっぱり……強いですね、ヴァダースさんは。さすが、俺が尊敬している人だ」
「……どうして、なんですか。どうして、こんなことに……ッ。答えなさい、メルダー!」
殺気を纏わせヴァダースを襲ってきた人物──メルダーに対して、ヴァダースは掴みかからんばかりの勢いで叫んだ。メルダーは何処か達観したような、それでいて寂しいような笑顔を浮かべてヴァダースに向き合う。
それから、懺悔するかのように彼は真実を語り始めた。
「……見ての通りです。俺は、カーサに遣わされたスパイなんですよ。ずっと貴方たちを裏切っていた、最低なクズ野郎です」
「ッ……」
「俺の本当の姿は、ズゥニの呪医結社の構成員です。ヴァダースさんは、もう知っているんでしょう?その結社が、どういう組織なのか」
「……ええ。ですが、知りたくなかった。貴方が結社の構成員だということも、スパイだったということも……!」
殺人とは誰でも己の生命を救うためであり、生命を奪われる危険から逃れる唯一つの方法。そんな、ひどく歪な理念をもとに構成されているズゥニの呪医結社。
メルダーいわく"流血の螺旋の先にこそ我らの救いはあり"という言葉は、その理念を基に囁かれるようになった祝詞であるらしい。
「……俺の先祖、滅びたはずのズゥニの一族は、実は本当の意味で滅んでなんかいなかったんです」
「どういうことですか……」
「数は減っていたけど、ズゥニの一族は備わっている生命力と出生率の高さから、膨大な血縁関係者がいたんです」
結社が作られる前より、ズゥニの一族は数えきれないほどの人物たちが、世界各地にいたらしい。平穏に暮らせるはずだった彼らだが、当時は人間による多種族迫害が横行していた。その被害を恐れ、自身の正体を隠したまま地上で生を遂げたズゥニの一族もいたとのこと。
ズゥニの一族とは違う血が混ざり合って生まれた子供だとしても、隔世遺伝が起きる場合は十分にある。その血に少しでも一族の血が紛れているのなら、細々とした血の繋がりだとしても、可能性はゼロではない。
ズゥニの呪医結社が生まれたそもそものきっかけは、彼らの能力を知った人間たちによる迫害からだった。人間以外の多種族狩りが行われていた時代。ただそこで生きているだけで殺されるかもしれないという恐怖から逃げるために必死だった。
その結果、一族の生き残りとも呼べるズゥニの一族の血縁関係者たちは結社を設立。最終的に地下に身をひそめながら生きていくことになった、と。
「俺たちズゥニの呪医結社は、400年前から光のない闇の世界で生きてきた。そんな世界でも必死に生き残るため、俺たちの能力に関与しようとしてくる人物やそれを奪おうとする組織を殺しながら、ずっと」
「ズゥニの一族の記憶する能力や治癒能力のせいで、そんなことに……」
「はい。俺も、そんな隔世遺伝を持って生まれた子供だった」
結社は基本的に、ズゥニの一族だから結社に所属しなければならないと強制することはなかった。身分を隠したままなら、光溢れる地上の世界で自由に生きていいと一族の血縁関係者に通達していた。
しかし一族の隔世遺伝が見つかった場合は話が別だと、メルダーは語る。
隔世遺伝が見つかった子供は親兄弟から隔離して、ズゥニの呪医結社に強制的に所属させなければならないという掟があるらしい。理由は、子供では能力を制御することはできないからだそうだ。
隔世遺伝で開花したズゥニの一族の血縁関係者は、子供といえど優れた治癒能力や記憶する能力が備わることになる。それら秘伝の業が外部の人間に知られたら、悪用されてしまうかもしれない。そんな恐れから、子供は隔離され結社の構成員として働かせるために育てられる、とのことだ。
「なんとも馬鹿げた掟だと思うでしょう?俺もそう思いますよ。それでも、結社には育ててもらった恩がある。だからどうしても、裏切れなかった……」
「メルダー……」
「……成長した俺は、結社の執行人として、生きてきました。俺と同じように隔世遺伝が見つかった子供であるにもかかわらず、結社に所属させなかった一族の裏切者を、殺すこと。それが、俺の仕事だった。そう……あの子の両親でさえも」
「それが、嫌われていた一番の理由ですか……」
「元々あの子の親たちは、まともに育児をしていなかった!ただ産んだだけで、放置されていた。住んでいた場所がスラム街でしたからね、無理もありませんが……」
親を殺したメルダーはそのまま"その子"を保護して、結社に連れて行ったのだそうだ。その子は当時八歳で、意味も分からず両親を殺したメルダーを恨んでいた。それでもメルダーは贖罪として、彼の世話を見た。どうかこんな血に塗れた結社の中にいても、幸せに暮らせるようにと。
そんな生活をしていたある日のこと、自分たちが世界保護施設に狙われているかもしれないという事実を結社は掴んだ。そして彼らの動向を探るため、結社はメルダーを世界保護施設にスパイとして潜入するよう指示した。
指示を受けたメルダーは指示通り、まず世界保護施設にスパイとして彼らの中に潜り込んだ。人体実験の実態などの情報を盗み、折りを見て手にした情報を結社に流していた。しかし彼は、そのスパイ活動中にある衝撃的な事実を知ってしまった。そう話したメルダーはまるで、泣いているように見えた。
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