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《同棲3日目》
今日はついに高校の卒業式だ。
数年前からこの日に公平に好きだって伝えることを目標に生きてきた。
が。
昨夜の同盟結成によりその目標は波にさらわれる砂の城のごとく、儚く散ったのだった。
「はああああ」
通学して生徒会室に入るや否や私ーー白井律は大きなため息をついてしまう。
「どうされたのですか会長」
「あ、世良さん。おはようございます」
「おはようございます。朝からため息だなんて珍しいですね、さすがの会長も今日は緊張なさっておいでなのですね」
「すみません、お祝いの日に」
この女子生徒さんは生徒会副会長を務めている世良さんだ。
小柄でとても可愛らしいお顔の方だ。
そして唯一私の好きな人が誰か知っていた方でもある。
窓の外の桜はほぼ満開。
その桜を横目に見ながら世良さんはボブの髪を風に揺らし、眼鏡の奥のきらきらした目を青空に向けていた。
「式が終わるまで晴れ間が続くといいんですけど、午後から雨らしいですね。会長の本番では雨かもしれません」
「世良さん……それが、告白は延期になりました」
「はい!? どうしてですか!?」
「それが……」
同棲からの同盟結成まで説明すると世良さんは両目を丸くして頬を赤らめた。
「そんな、美味しい展開ありますか!?」
「美味しい……?」
「だって男四人ひとつ屋根の下で、三人攻めの一人受けとか。なにが起きるかわからないですよ!」
「世良さん?」
「しかも兄弟だなんて! 幼馴染ってだけで美味しいのに。海鮮丼並みにわたし好きです。会長と幼馴染さんで一冊描けるくらいだったのにこれはもう一冊じゃおさまりません! ああでも大丈夫、最後は会長しか勝ちません、4Pより純愛からの結婚待ったなしですので」
「世良さーん! 帰ってきて!」
「はうっ」
美少女らしからぬ様子で口の端のよだれを拭きはあはあと世良さんは肩で息をする。
「す、すみませんわたしまた暴走しちゃいました」
「はい……大丈夫です、いつも通りなにを言ってるかさっぱりでした」
「それなら良かった。ああでもそれはほんとに大変なことになりましたね、ため息をつくのもわかります」
「はい。なのでこれからどう動くべきなのかわからなくて……世良さんに相談しようと思っていました」
高校の生徒会長に就任し副会長の世良さんと出会ってたったの数日で、世良さんは世間話から私が同性の幼馴染を好きでいることを看破した。
「それは光栄です、わたしの人間観察という趣味が役立つといいのですが。あと新刊のネタにさせていただきますどうもありがとうございます」
「しんかん……?」
「いえこちらの話です」
眼鏡の位置を直しきらりと光らせて世良さんはいつものようになにやらノートを取り出した。
私と会話する時に高確率で出現するそのノートにいったいなにを書き込んでいるのか、私は教えてもらえない。
「でも会長、告白を止めてもらったと考えればよいのでは?」
「止めてもらった、ですか。そうですね、兄上が言う通り今の時点では玉砕する確率のほうが高いですよね」
「それもあるんですけど。会長の目的はその幼馴染さんとお付き合いすることよりも、幼馴染さんに幸せになってもらうことでしょう?」
「まあ、はい」
「だったら同盟は的確かと。仲良し四人組を維持することは幼馴染さんの幸せな日々に不可欠。あとはその中でいかに会長の地位を高めていくかってことですね。最終的には幼馴染さんのほうから会長を選んでもらえばいいのです!」
「そ、それはどうすれば……!」
「ずばり、会長のそのイケメン顔で押して押して押しまくる! 抜け駆けにならない程度に自分の存在をアピールするのです!」
「おお! 具体的には!?」
「夜、二人きりで寝るのです! 今は四人で川の字なのでしょう? なにそれ最高可愛い! でもここはどうにかこうにかして別々で寝ることにしましょう、そして会長と幼馴染さんは二人で寝るのです! 寝る前の少しだけど特別な時間を作るのです!」
「それって抜け駆けでは?」
「……そうですね」
世良さんは一瞬で沈静化する。熱しやすく冷めやすい方なのだ、多分。
「待ってください、良い案を考えておきます。幸いわたしと会長は同じ大学に進学します、最良な作戦を立案し必ずや会長のハッピーライフを叶えてごらんにいれます!」
「あ、ありがとうございます」
予想以上の熱を感じながら私は時計を見る。
「そろそろ講堂に行きましょうか、リハーサルもありますし」
「はい会長、まずは卒業式ですね」
講堂で式の流れを確認し終わった頃には在校生と保護者も講堂に入ってくる。
特別な日のそわそわしたようなさざめきに少しずつ卒業を実感しながら、私は世良さんと廊下へ出た。
卒業生は廊下に並んで入場を控えるからだ。
だがそこで一部の生徒たちがざわついているのを感じて、
「あ、いたいた! おーい律!」
ここにはいないはずの人物の声が私に届く。
学校の玄関口のほうで女子生徒たちの黄色い声が上がる。
廊下の奥で手を振っている、ひときわ背の高いスーツ姿の男性がいた。
「え、修十さん!?」
「答辞とちるなよー!」
生徒たちがひしめくこちらへ修十さんは声を上げてくれる。
きゃあ、と声が謎にあがり一気に皆の視線が私に集中する中隣の世良さんが声を震わせた。
「会長まさか、あれが例のみなさんですか!?」
「そうですね」
私も驚いていると、注目されまくっている修十さんの腕を引っ張っていく公平が見える。それに続いて多分修十さんを叱っている兄上の姿も確認できた。皆スーツ姿だ。
「なにあの三人かっこいい~!」
そんなような感想があちこちで飛び交っている。
多忙だから、父上も母上も当然式には参列できない。
「だからってまさか、三人で来てくれるなんて……」
呆れつつも嬉しくて胸が熱くなった。
そして式はつつがなく終わり、桜吹雪の下で私たちは学友との別れを行っていく。
たくさんの涙とか笑顔に囲まれることができた。
皆生徒会長である私に声をかけてくれる。
感謝ばかりの卒業だ、素敵な終わりを迎えられて安堵していると兄上たちが遠くからこちらを見守ってくれていた。
皆の輪の中から出てそちらへ向かうと兄上が「卒業おめでとう」と真っ先に声をかけてくれた。
「答辞完璧だったな、流石律!」
「ありがとうございます。あの、びっくりしました」
「だろー? ちょうど俺ら休みだったし、行っちゃおうぜって。な?」
「迷惑ではなかったか?」
「まさか! 嬉しかったです」
素直に言うと、兄上が微笑んでくれる。
私はちらりと公平を見た。
三人のスーツ姿なんて新鮮だ。公平は二人に比べると正直、
「あんまり似合いませんね」
「うるせえな」
本人も自覚があるのかぼそりと言うにとどめる。
私は世良さんの助言を思い出して息を吸い込んだ。押す、んだ。
「でも、かっこいいですよ」
言うと公平はちょっと目を見開いたあと、仕方ないなあというふうに口端を少しだけ持ち上げた。
「今日はお前が一番かっこいい日だよ」
「……ありがとう、ございます」
やばい、顔が熱くなるのがわかる。
押したいのに、押されてしまったのではないか。
修十さんがにやにやしている。兄上はうんうんと頷いている。
空はまだ晴れてくれていた。
告白は叶わなかったけれども、別にいいか、くらいには思えてしまっているのだから。自分の現金さには呆れてしまう。
今日はついに高校の卒業式だ。
数年前からこの日に公平に好きだって伝えることを目標に生きてきた。
が。
昨夜の同盟結成によりその目標は波にさらわれる砂の城のごとく、儚く散ったのだった。
「はああああ」
通学して生徒会室に入るや否や私ーー白井律は大きなため息をついてしまう。
「どうされたのですか会長」
「あ、世良さん。おはようございます」
「おはようございます。朝からため息だなんて珍しいですね、さすがの会長も今日は緊張なさっておいでなのですね」
「すみません、お祝いの日に」
この女子生徒さんは生徒会副会長を務めている世良さんだ。
小柄でとても可愛らしいお顔の方だ。
そして唯一私の好きな人が誰か知っていた方でもある。
窓の外の桜はほぼ満開。
その桜を横目に見ながら世良さんはボブの髪を風に揺らし、眼鏡の奥のきらきらした目を青空に向けていた。
「式が終わるまで晴れ間が続くといいんですけど、午後から雨らしいですね。会長の本番では雨かもしれません」
「世良さん……それが、告白は延期になりました」
「はい!? どうしてですか!?」
「それが……」
同棲からの同盟結成まで説明すると世良さんは両目を丸くして頬を赤らめた。
「そんな、美味しい展開ありますか!?」
「美味しい……?」
「だって男四人ひとつ屋根の下で、三人攻めの一人受けとか。なにが起きるかわからないですよ!」
「世良さん?」
「しかも兄弟だなんて! 幼馴染ってだけで美味しいのに。海鮮丼並みにわたし好きです。会長と幼馴染さんで一冊描けるくらいだったのにこれはもう一冊じゃおさまりません! ああでも大丈夫、最後は会長しか勝ちません、4Pより純愛からの結婚待ったなしですので」
「世良さーん! 帰ってきて!」
「はうっ」
美少女らしからぬ様子で口の端のよだれを拭きはあはあと世良さんは肩で息をする。
「す、すみませんわたしまた暴走しちゃいました」
「はい……大丈夫です、いつも通りなにを言ってるかさっぱりでした」
「それなら良かった。ああでもそれはほんとに大変なことになりましたね、ため息をつくのもわかります」
「はい。なのでこれからどう動くべきなのかわからなくて……世良さんに相談しようと思っていました」
高校の生徒会長に就任し副会長の世良さんと出会ってたったの数日で、世良さんは世間話から私が同性の幼馴染を好きでいることを看破した。
「それは光栄です、わたしの人間観察という趣味が役立つといいのですが。あと新刊のネタにさせていただきますどうもありがとうございます」
「しんかん……?」
「いえこちらの話です」
眼鏡の位置を直しきらりと光らせて世良さんはいつものようになにやらノートを取り出した。
私と会話する時に高確率で出現するそのノートにいったいなにを書き込んでいるのか、私は教えてもらえない。
「でも会長、告白を止めてもらったと考えればよいのでは?」
「止めてもらった、ですか。そうですね、兄上が言う通り今の時点では玉砕する確率のほうが高いですよね」
「それもあるんですけど。会長の目的はその幼馴染さんとお付き合いすることよりも、幼馴染さんに幸せになってもらうことでしょう?」
「まあ、はい」
「だったら同盟は的確かと。仲良し四人組を維持することは幼馴染さんの幸せな日々に不可欠。あとはその中でいかに会長の地位を高めていくかってことですね。最終的には幼馴染さんのほうから会長を選んでもらえばいいのです!」
「そ、それはどうすれば……!」
「ずばり、会長のそのイケメン顔で押して押して押しまくる! 抜け駆けにならない程度に自分の存在をアピールするのです!」
「おお! 具体的には!?」
「夜、二人きりで寝るのです! 今は四人で川の字なのでしょう? なにそれ最高可愛い! でもここはどうにかこうにかして別々で寝ることにしましょう、そして会長と幼馴染さんは二人で寝るのです! 寝る前の少しだけど特別な時間を作るのです!」
「それって抜け駆けでは?」
「……そうですね」
世良さんは一瞬で沈静化する。熱しやすく冷めやすい方なのだ、多分。
「待ってください、良い案を考えておきます。幸いわたしと会長は同じ大学に進学します、最良な作戦を立案し必ずや会長のハッピーライフを叶えてごらんにいれます!」
「あ、ありがとうございます」
予想以上の熱を感じながら私は時計を見る。
「そろそろ講堂に行きましょうか、リハーサルもありますし」
「はい会長、まずは卒業式ですね」
講堂で式の流れを確認し終わった頃には在校生と保護者も講堂に入ってくる。
特別な日のそわそわしたようなさざめきに少しずつ卒業を実感しながら、私は世良さんと廊下へ出た。
卒業生は廊下に並んで入場を控えるからだ。
だがそこで一部の生徒たちがざわついているのを感じて、
「あ、いたいた! おーい律!」
ここにはいないはずの人物の声が私に届く。
学校の玄関口のほうで女子生徒たちの黄色い声が上がる。
廊下の奥で手を振っている、ひときわ背の高いスーツ姿の男性がいた。
「え、修十さん!?」
「答辞とちるなよー!」
生徒たちがひしめくこちらへ修十さんは声を上げてくれる。
きゃあ、と声が謎にあがり一気に皆の視線が私に集中する中隣の世良さんが声を震わせた。
「会長まさか、あれが例のみなさんですか!?」
「そうですね」
私も驚いていると、注目されまくっている修十さんの腕を引っ張っていく公平が見える。それに続いて多分修十さんを叱っている兄上の姿も確認できた。皆スーツ姿だ。
「なにあの三人かっこいい~!」
そんなような感想があちこちで飛び交っている。
多忙だから、父上も母上も当然式には参列できない。
「だからってまさか、三人で来てくれるなんて……」
呆れつつも嬉しくて胸が熱くなった。
そして式はつつがなく終わり、桜吹雪の下で私たちは学友との別れを行っていく。
たくさんの涙とか笑顔に囲まれることができた。
皆生徒会長である私に声をかけてくれる。
感謝ばかりの卒業だ、素敵な終わりを迎えられて安堵していると兄上たちが遠くからこちらを見守ってくれていた。
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「答辞完璧だったな、流石律!」
「ありがとうございます。あの、びっくりしました」
「だろー? ちょうど俺ら休みだったし、行っちゃおうぜって。な?」
「迷惑ではなかったか?」
「まさか! 嬉しかったです」
素直に言うと、兄上が微笑んでくれる。
私はちらりと公平を見た。
三人のスーツ姿なんて新鮮だ。公平は二人に比べると正直、
「あんまり似合いませんね」
「うるせえな」
本人も自覚があるのかぼそりと言うにとどめる。
私は世良さんの助言を思い出して息を吸い込んだ。押す、んだ。
「でも、かっこいいですよ」
言うと公平はちょっと目を見開いたあと、仕方ないなあというふうに口端を少しだけ持ち上げた。
「今日はお前が一番かっこいい日だよ」
「……ありがとう、ございます」
やばい、顔が熱くなるのがわかる。
押したいのに、押されてしまったのではないか。
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