48 / 218
第六節 えっ?アタシそろそろ疲れたんだけど?
第48話 終結と戦略的撤退と雷神の鎚と土星 中編
しおりを挟む
蛇は城に対して巻き付いて顕現しており、その赤い目は開かれている。だが何かをする事なくただ固まっているだけにも窺えていた。
…………ドクンッ………ドクンッ………ドクンッ……ドクンッ
蛇から脈打つ音が領内全域に響き渡っていく。その不気味な音色は、これから始まる激しい戦闘を予感させるものでありながらも、今ならば好機と言い換える事が出来た。しかし一番近くにいたベルフェゴールはアヴァルティア達同様に、蛙になっており腰を抜かしたままだった。
拠って、千載一遇の好機をモノには出来なかった。
だが腰を抜かしていても気合いと根性で必死に城の外まで逃げ延びる事には成功していた。更には城に向かって来ていた、アヴァルティアとインヴィディアの2人と無事に合流を果たしたのだった。
合流した3名は突如として現れた蛇のあまりの大きさに、どうやって対処をすればいいか分からず途方に暮れて右往左往していた。
だが蛇の脈動が早まるに連れて、上空から一斉に攻撃が始まった事をきっかけに、自分達も便乗して攻撃を行う踏ん切りがついたのだった。
ルシフェルは回り込んで蛇の後ろ側から…。
イーラは蛇の左側面から…。
リヴィエは蛇の右側面から…。
それぞれ思い思いの攻撃を行っていた。拠って指揮系統などはなく、統率が取れていないのは明白だった。
だがそれでもそれ以外の方法は無かった。元々魔族とはそういう種族だから仕方ないと言えば仕方ない。
地上では3名がそれぞれ動き回り、蛇の身体のあちらこちらを縦横無尽にこちらもまた思い思いに攻撃していた。
魔術による爆発が至る所で起きる。
剣による斬撃が蛇の硬い鱗とぶつかり火花を散らす。
槍による突きが硬い鱗に弾かれ甲高い音を響かせる。
「「「「「「硬いッ!!」」」」」」
それをこの場にいる全員が実感させられていた。魔術も斬撃も槍撃も…この場にいる全員の、ありとあらゆる攻撃手段のその全てが、蛇の硬く大きな鱗に拠って阻まれて傷1つ付ける事が叶わなかったのだった。
一方で少女はディグラスから聞いた策を皆に伝えるべく空を駆けていた。
蛇の脈動は時間を追うごとに更に活発になっていた。
そして、その時は遂に来たのである。
蛇は擡げた頭で空を仰ぐ。そして蛇の尻尾の先から徐々に頭に向かって、禍々しい光が収束していく。
口元に収斂したその禍々しい光は、その口の中で弾けて漏れ出していった。そしてそれは、大きく開かれた口から天空に向かって放たれていった。
蛇の口から放たれたその禍々しい光は、上空で数多の光に極小に細分化された。細分化された光はその後、重力に引き戻されていく。
拠ってそれら全てが放射状に地面に降り注いだのだ。
それはまるで禍々しい光の雨だった。
雨は蛇を中心点として半径200m程度に対して局地的に降り注いでいく。拠って雨は蛇に対して攻撃している貴族達の元へと降り注いだのだ。その局地的豪雨を全て躱し切る事など不可能だった。
よって貴族達はその雨に因って否応なしに射抜かれる結果となる。
結果として雨に射抜かれた者達は為す術無く一様にその場で気絶した。空から攻撃を行っていた者達は墜落し地面や建物へと叩き付けられ、地上から攻撃を行っていた者達はその場に倒れ込んでいった。
少女が魔王ディグラスの作戦を伝えるべく、皆の元へと向かっている最中に起きた出来事だった。
「あれは、生命搾取?!なんて事ッ!!」
「あんな規模で生命搾取を使えるなんて……」
「やっぱり、ヨルムンガンドも神族なのね。だからアレがアイツの概念能力ってトコかしら?」
少女はまだ距離があったので雨に射抜かれずに事無きを得ていた。だが、雨に射抜かれた者達がどうなったのかは、その目に焼き付いていた。
そしてその事象は同時に、魔王ディグラスが立てた作戦の失敗を意味する事になったのだった。
魔王ディグラスは驚愕していた。ディグラスの位置からでは配下の者達の様子の詳細は見て取る事は出来ない。
だが次々に配下の者達の力が弱まっていくのだけは感じ取れた。
しかし、彼の者らの協力がなければ蛇を封じる事は不可能なのだ。
因って作戦を大幅に変更し、魔王ディグラスは持てる限りの力で巨大な魔術生物を創造する事にしたのだった。
ごごごごごごごごごごごごごごごご
大地を震わせながら、第二の策が実行されていく。それは魔王ディグラスの魔力に拠って、巨大な魔術生物が創造されていく音だった。
魔術生物の全高は頭を擡げている蛇に優るとも劣らない大きさだ。それ程までの大きさの魔術生物を、魔王ディグラスは作戦の変更に拠って魔術で創造していった。
ただし、その造形などは一切の考慮をしていないのが明白だが、それは余談である。
創造が終わった魔術生物は、蛇と対峙すると攻撃を開始していった。
魔術生物は蛇を殴り付け、殴り倒し、ひたすら殴る。急造の為に殴るしか取り柄がないのだが、魔術生物はその大質量に任せてこれでもかと言わんばかりに蛇を殴り続けていった。
魔術生物の速度は、その大質量故に決して速くはない。しかし蛇自体の動きもまだ目覚め切っていないからか緩慢だった。
その結果として魔術生物の拳は確実に蛇を捉えていた。魔術生物の拳は幾度となく蛇に直撃し、大きな衝撃音が領内に響き渡っていく。
蛇は魔術生物から拳を浴びせられ続けている。その反動に因って、その巨体を領内にある城に建物に、そして地面など至る所に打ち付けていく。
その度に城や建物は破壊され崩れ落ち、大地は揺れたのだった。
少女は魔王ディグラスから聞いた作戦があの「雨」で失敗に終わった事を直感していた。そこで貴族達へ「伝言」を伝える事を取り止めると、貴族達の「回収及び保護」に回った。
何故なら、あのまま貴族達が気絶した場所で寝ていたら、蛇と魔術生物の闘いの巻き添えになるから気を回したのである。
そして少女はサークルを駆使して、貴族達を無事に全員回収する事に成功した。安全と思われる場所(先の光の雨が降り注いだ半径外)に全員を置いてきた後で、魔王ディグラスの元に舞い戻っていった。
「伝言は伝えられなかったけど、全員保護したからこれ以上戦域が拡大しなければ平気なハズよ」
「助かる」
「辛そうね、父様…。大丈夫?」
少女が魔王ディグラスに報告に戻ると、その表情には焦りが浮かんでいた。
何故ならば先程から魔術生物の調子が思わしくない。否、逆だ。
蛇の調子が上がってきているのだ。
最初は魔術生物の攻撃を為すがままに受けていただけの蛇だったが、徐々に魔術生物に対して反撃を始めた。
蛇は魔術生物の攻撃に合わせて頭を加速させた。そして自身の胴体に攻撃を入れていた魔術生物の腕に噛み付いたのだ。
蛇はそのまま器用に魔術生物の腕をねじ切った。腕をねじ切られた魔術生物は、バランスを崩し大きな音を立てて盛大に街を破壊しながら倒れる事になる。
造形美のカケラもないが故の事態だった。それは「大質量による重量バランスを考えないとこうなる」という事を如実に示していた。
倒れた魔術生物はそのまま蛇に因って蹂躙されていく。
蛇は「先程までの借りを返してもらう」と言わんばかりにこれでもかと破壊の限りを尽くし、魔術生物は核と呼ばれる魔力の結晶を砕かれた事で「魔術生物だったモノ」へと変貌していった。
…………ドクンッ………ドクンッ………ドクンッ……ドクンッ
蛇から脈打つ音が領内全域に響き渡っていく。その不気味な音色は、これから始まる激しい戦闘を予感させるものでありながらも、今ならば好機と言い換える事が出来た。しかし一番近くにいたベルフェゴールはアヴァルティア達同様に、蛙になっており腰を抜かしたままだった。
拠って、千載一遇の好機をモノには出来なかった。
だが腰を抜かしていても気合いと根性で必死に城の外まで逃げ延びる事には成功していた。更には城に向かって来ていた、アヴァルティアとインヴィディアの2人と無事に合流を果たしたのだった。
合流した3名は突如として現れた蛇のあまりの大きさに、どうやって対処をすればいいか分からず途方に暮れて右往左往していた。
だが蛇の脈動が早まるに連れて、上空から一斉に攻撃が始まった事をきっかけに、自分達も便乗して攻撃を行う踏ん切りがついたのだった。
ルシフェルは回り込んで蛇の後ろ側から…。
イーラは蛇の左側面から…。
リヴィエは蛇の右側面から…。
それぞれ思い思いの攻撃を行っていた。拠って指揮系統などはなく、統率が取れていないのは明白だった。
だがそれでもそれ以外の方法は無かった。元々魔族とはそういう種族だから仕方ないと言えば仕方ない。
地上では3名がそれぞれ動き回り、蛇の身体のあちらこちらを縦横無尽にこちらもまた思い思いに攻撃していた。
魔術による爆発が至る所で起きる。
剣による斬撃が蛇の硬い鱗とぶつかり火花を散らす。
槍による突きが硬い鱗に弾かれ甲高い音を響かせる。
「「「「「「硬いッ!!」」」」」」
それをこの場にいる全員が実感させられていた。魔術も斬撃も槍撃も…この場にいる全員の、ありとあらゆる攻撃手段のその全てが、蛇の硬く大きな鱗に拠って阻まれて傷1つ付ける事が叶わなかったのだった。
一方で少女はディグラスから聞いた策を皆に伝えるべく空を駆けていた。
蛇の脈動は時間を追うごとに更に活発になっていた。
そして、その時は遂に来たのである。
蛇は擡げた頭で空を仰ぐ。そして蛇の尻尾の先から徐々に頭に向かって、禍々しい光が収束していく。
口元に収斂したその禍々しい光は、その口の中で弾けて漏れ出していった。そしてそれは、大きく開かれた口から天空に向かって放たれていった。
蛇の口から放たれたその禍々しい光は、上空で数多の光に極小に細分化された。細分化された光はその後、重力に引き戻されていく。
拠ってそれら全てが放射状に地面に降り注いだのだ。
それはまるで禍々しい光の雨だった。
雨は蛇を中心点として半径200m程度に対して局地的に降り注いでいく。拠って雨は蛇に対して攻撃している貴族達の元へと降り注いだのだ。その局地的豪雨を全て躱し切る事など不可能だった。
よって貴族達はその雨に因って否応なしに射抜かれる結果となる。
結果として雨に射抜かれた者達は為す術無く一様にその場で気絶した。空から攻撃を行っていた者達は墜落し地面や建物へと叩き付けられ、地上から攻撃を行っていた者達はその場に倒れ込んでいった。
少女が魔王ディグラスの作戦を伝えるべく、皆の元へと向かっている最中に起きた出来事だった。
「あれは、生命搾取?!なんて事ッ!!」
「あんな規模で生命搾取を使えるなんて……」
「やっぱり、ヨルムンガンドも神族なのね。だからアレがアイツの概念能力ってトコかしら?」
少女はまだ距離があったので雨に射抜かれずに事無きを得ていた。だが、雨に射抜かれた者達がどうなったのかは、その目に焼き付いていた。
そしてその事象は同時に、魔王ディグラスが立てた作戦の失敗を意味する事になったのだった。
魔王ディグラスは驚愕していた。ディグラスの位置からでは配下の者達の様子の詳細は見て取る事は出来ない。
だが次々に配下の者達の力が弱まっていくのだけは感じ取れた。
しかし、彼の者らの協力がなければ蛇を封じる事は不可能なのだ。
因って作戦を大幅に変更し、魔王ディグラスは持てる限りの力で巨大な魔術生物を創造する事にしたのだった。
ごごごごごごごごごごごごごごごご
大地を震わせながら、第二の策が実行されていく。それは魔王ディグラスの魔力に拠って、巨大な魔術生物が創造されていく音だった。
魔術生物の全高は頭を擡げている蛇に優るとも劣らない大きさだ。それ程までの大きさの魔術生物を、魔王ディグラスは作戦の変更に拠って魔術で創造していった。
ただし、その造形などは一切の考慮をしていないのが明白だが、それは余談である。
創造が終わった魔術生物は、蛇と対峙すると攻撃を開始していった。
魔術生物は蛇を殴り付け、殴り倒し、ひたすら殴る。急造の為に殴るしか取り柄がないのだが、魔術生物はその大質量に任せてこれでもかと言わんばかりに蛇を殴り続けていった。
魔術生物の速度は、その大質量故に決して速くはない。しかし蛇自体の動きもまだ目覚め切っていないからか緩慢だった。
その結果として魔術生物の拳は確実に蛇を捉えていた。魔術生物の拳は幾度となく蛇に直撃し、大きな衝撃音が領内に響き渡っていく。
蛇は魔術生物から拳を浴びせられ続けている。その反動に因って、その巨体を領内にある城に建物に、そして地面など至る所に打ち付けていく。
その度に城や建物は破壊され崩れ落ち、大地は揺れたのだった。
少女は魔王ディグラスから聞いた作戦があの「雨」で失敗に終わった事を直感していた。そこで貴族達へ「伝言」を伝える事を取り止めると、貴族達の「回収及び保護」に回った。
何故なら、あのまま貴族達が気絶した場所で寝ていたら、蛇と魔術生物の闘いの巻き添えになるから気を回したのである。
そして少女はサークルを駆使して、貴族達を無事に全員回収する事に成功した。安全と思われる場所(先の光の雨が降り注いだ半径外)に全員を置いてきた後で、魔王ディグラスの元に舞い戻っていった。
「伝言は伝えられなかったけど、全員保護したからこれ以上戦域が拡大しなければ平気なハズよ」
「助かる」
「辛そうね、父様…。大丈夫?」
少女が魔王ディグラスに報告に戻ると、その表情には焦りが浮かんでいた。
何故ならば先程から魔術生物の調子が思わしくない。否、逆だ。
蛇の調子が上がってきているのだ。
最初は魔術生物の攻撃を為すがままに受けていただけの蛇だったが、徐々に魔術生物に対して反撃を始めた。
蛇は魔術生物の攻撃に合わせて頭を加速させた。そして自身の胴体に攻撃を入れていた魔術生物の腕に噛み付いたのだ。
蛇はそのまま器用に魔術生物の腕をねじ切った。腕をねじ切られた魔術生物は、バランスを崩し大きな音を立てて盛大に街を破壊しながら倒れる事になる。
造形美のカケラもないが故の事態だった。それは「大質量による重量バランスを考えないとこうなる」という事を如実に示していた。
倒れた魔術生物はそのまま蛇に因って蹂躙されていく。
蛇は「先程までの借りを返してもらう」と言わんばかりにこれでもかと破壊の限りを尽くし、魔術生物は核と呼ばれる魔力の結晶を砕かれた事で「魔術生物だったモノ」へと変貌していった。
0
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
氷弾の魔術師
カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語――
平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。
しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を――
※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。
リーマンショックで社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる