69 / 218
第二節 The Primery Take
第68話 Penetrate Hunter Ⅲ
しおりを挟む
少女の腹から下は真っ赤に染まり、大量の血液が滴っていく。更にその小さな口からは、大量の血が吹き出されていく。
その無慈悲な爪撃は少女の肉を裂き、内臓を穿ち骨を砕いた。それは生物であれば「死」を意味する「致命傷」である事は、見間違えようが無かった。
だが一方で致命傷を負いながらも少女は、生命の炎を消す事を決して「善し」としてはいなかった。
魔犬種達のリーダーは自身の爪を少女から抜いた。
獲物としてこのヒト種が詰まらなかったのは事実だ。然しながらこのヒト種に対して、少なくとも敬意を評したのも事実だ。
故に既に冷たくなってきている少女の身体を、その脚で振り払う事はせず、自身が殺めた者を辱める事無く、ただゆっくりと優しくその身から爪を抜いていった。
ドサッ
少女は自分の腹に刺さっていた爪という支えを失い、お腹から2つに泣き別れかけたその小さな身体は、その場に力無く崩れ落ちていった。
「アタシ、死んだの…かな?」 / 少女は浮かんでいる
「身体の感覚が…無い」 / 少女は真っ黒い世界にいる
「手も、脚も、首も、身体も、アタシの身体の何1つ動かせない」 / 辺り一面の暗闇である
そこには一筋の光も無く、自身の身体も身体のパーツ1つに至るまで何1つとして見えない。
見る事は叶わない。
だからこそ、自分の身体は「もう既に無いのではないか?」と思えた程だった。
そんな自分と世界との境界がない世界。
自分の身体が無いのであれば…。
既に死んでしまったのであれば…。
「この思考は何だ?」
身体は無いのに…。
生命は燃え尽きたのに…。
「思考は出来るのか?」
そんな疑問が降って湧いて来ていた。
魔犬種達のリーダーはやはり「詰まらなかった」以外の感想を持ち得なかった。本来ならば配下の群れだけで事足りる。
故に自分と闘う事が出来たモノへの敬意はあるが、それだけだ。
だから詰まらないモノという評価は変わらない。
そしてそんな評価である以上、呆気無く死んだヒト種に対して一瞥もせず群れの方に向かって歩いていく。
その足取りは重かった。恐らくは落胆したからだろう。
「楽しめる」と思い軽快であったその足取りは、「詰まらなく」なった途端に急に重くなっていた。
だが、話しはここで終わらない。
魔犬種達のリーダーが群れの元に辿り着く直前に、先程屠ったハズのヒト種がいる辺りに気配が疾走ったのを感じ取ったからだ。
その気配は次第に大きくなっていく。そこには生きているモノは既にいないハズだ。
だから本来であれば感じるハズが無い気配を、不審に思った魔犬種達のリーダーは、その気配を確認するべく身体ごと視線を向けていく。
グルッ?!
少しばかり気怠そうに振り向いた魔犬種達のリーダーのその表情には、驚愕の2文字が表れていた。
何故ならば自分が屠ったハズのヒト種が、そこに立っていたからだった。
立ち上がった少女のその小さな身体から溢れる清浄で禍々しく、禍々しく清浄な力の波動を魔犬種達のリーダーは感じ取っていた。
そしてその2つの相反する力は大気を震わせ、周囲のマナを凍らせていく。
大地は悲鳴を上げ森はザワ付いた。
2つの相反する力の波動が臨界に達した時、少女は咆えた。
「う…うあ…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあ!!!!」
グルァ?!
声にならない声の叫び。喉が張り裂けんばかりの絶叫。無理やり振動させられる鼓膜を抑えたくなるほどの叫喚。
それは生きとし生けるモノの恐怖を呼び起こすが如くの雄叫びだった。
その声はその場にいる魔犬種達の心と身体を速やかに凍て付かせていった。
それに因って魔犬種達は四肢が震え、立っているのがやっとの状態に陥り恐慌していく。
魔犬種達のリーダーはそこに至り初めて、「このヒト種を相手にしてはいけなかった」と悟り激しく後悔したと言える。
そうなった時、もう既に歯応えに対する「期待」は失くなっており、あるのは後悔に対する「絶望」のみだった
少女は光を見たような気がした。いや、やっぱり気のせいだったかも知れない。
何も見えない世界だから願望や幻想や妄想の類だったのかも知れない。
だけど、少女は光を見た気がしたのだ。
「アタシにしては往生際が悪いなぁ…まったく。思い返してみればあの時、アタシの腹にはアイツの爪がちゃあんと刺さってたじゃないか。…ふぅ」
「あの状態で生きていられる確証なんて無いのよ?あれで生きていられたら、アタシは一体何者なの?自分が自分の事を信じられなくなるよ?」
「それともアタシは殺されても死なないリビングデッドか何かなの?もしそうだったらお天道様に顔向け出来ないわね?ふふふ」
話し相手なんぞ誰もいないただの独り言。この黒い世界に於ける気晴らし程度の独り言。
上には更に上がいる事を知らしめられた自分への自虐。
そして呆気なく殺された自分への皮肉。
グルルルォル!
魔犬種達のリーダーは震える四肢に鞭を打ちながら、群れに向かって声を投げていた。
だが、その声は恐慌状態にある群れの仲間には届いていない様子だった。
「奇声を発した得体の知れないこのヒト種の元に、得体の知れない何かが集まろうとしている」
「どうすれば良い?一体何が出来る?」
「群れを守る為に何をすれば良い?」
魔犬種達のリーダーは必死に考えていた。だが模範的な解答など見付かるハズもなかった。
「こうなってしまってはもはや逃げる事も叶うまい。こんな状況を作り出したのは全て、浅はかだった自分のせいだ」
「だがッ!力のケタが違い過ぎて勝てはしまいが、我が爪で再び!」
それが出した解答だった。解決策は無策で、導いた解答は特攻しかなかった。
少女は左右の手のそれぞれに1本ずつ剣を持っていた。ソレは「剣」と形容するのも憚られる程の、力の波動で編まれた「剣」のようなナニカ。
左手には黒よりも尚黒く禍々しい雰囲気を発している、漆黒の「剣」が在った。
右手には神々しく慈愛に満ちて尚美しい光を放つ、白金色の「剣」が有った。
少女は到底相容れないであろう2つの「剣」とは形容し難い得体の知れないエネルギーの集合体を、左右のその手の中にある禍々しさと、神々しさの力の波動を両手を握り締めるように徐々に引き寄せていく。
2つのエネルギー体は当然の事ながら反発し、その反発したエネルギーは鋭利な刃となって少女の身体を引き裂いていった。
だが、少女の身体からは血の1滴すら流れ出す事はなかった。それ以前に爪に因って引き裂かれた肉も内臓も砕かれた骨すらも、「まるでそんな事が無かった」かの様に完全に元通りになっていた。
然しながら破れた服や壊れた装備はそのままの状態であり、付着した血液もそのままで元に戻っているなんて事はない。
相反する力をその両方の掌に抱えた少女の掌が1つに重なった時、相反する2つの力は虚理の原則を破り1つの力を生成していく。
「ううう、ががががぐうぅぅぅ、ぐうわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
2つの力が混じりあったその時に、少女は再び奇声を発していた。
2本の「剣」は1つに混ざり合い、言葉では決して形容出来ない色と形を形成して「そこ」に存在している。
理論では語る事が出来ない存在。言葉では表現出来ない存在。矛盾を許容しながらも正論を否定するような存在。
原理原則全ての法則に反する混沌。
少女は両膝を曲げ体勢を低く取り肩の高さまで「剣」を上げていった。その瞳は閉じられたままで、姿形は少女の姿のままで、混沌をその手に持っている。
少女がその手に持つ混沌の「剣」は大地に対して水平に構え、その切っ先を敵に向けている。
その勝負は一瞬だった。少女はその場にいる全てのモノ達の視界から消えたのだ。
それに対して敵は無駄に足掻こうと必死だった。だが身体はまるで、氷になってしまったかのように微動だにしない。
声を上げる事も出来ず、吼える事も雄叫びを上げる事もままならないまま、ただ目の前で起きている「現象」を見せ付けられていた。
もう既にそこには絶望は無い。かと言って希望も無かった。
そこに在るのはただの本能から来る、死への恐怖と、生への執着のみだった。
「死にたくない。死にたくない。死にたくない」
たったそれだけがその脳裏にこびり付いていた。
少女は光を超えた速度で、切っ先を向けたそのままの体勢で、ただ突進しただけだった。
少女の姿が消えたその刹那に、少女は魔犬種達の群れの前に現れていた。
その群れのリーダーを通り越して。
魔犬種達のリーダーは自分の身に一体何が起きたのか、知る由も無かった。
だからそのまま痛みすら感じる間もなく、その身体は中心から2つに、左右へとただ泣き別れ崩れていった。
残された群れの魔犬種達は、絶対的なリーダーの死と共に更に錯乱し恐慌した。その結果、まるで狂ったように少女に対して次々に襲い掛かっていった。
その後の魔犬種達に待っていたのは、一方的な無慈悲の虐殺でしかなかった。
「誰か呼んだ?」 / アタシを呼ぶ声が聞こえた
「ねぇ、誰なの?」 / アタシはここにいるよ?
意味も分からないままの少女は自身の周囲に漂う3つの光球を見た。
「アナタ達が、アタシを呼んだの?」
その光球は少女の問いに対して何かを語る事はなかった。
そして何も音を発する事なく、少女の身体の内側にふわふわと吸い込まれるように入っていった。
その無慈悲な爪撃は少女の肉を裂き、内臓を穿ち骨を砕いた。それは生物であれば「死」を意味する「致命傷」である事は、見間違えようが無かった。
だが一方で致命傷を負いながらも少女は、生命の炎を消す事を決して「善し」としてはいなかった。
魔犬種達のリーダーは自身の爪を少女から抜いた。
獲物としてこのヒト種が詰まらなかったのは事実だ。然しながらこのヒト種に対して、少なくとも敬意を評したのも事実だ。
故に既に冷たくなってきている少女の身体を、その脚で振り払う事はせず、自身が殺めた者を辱める事無く、ただゆっくりと優しくその身から爪を抜いていった。
ドサッ
少女は自分の腹に刺さっていた爪という支えを失い、お腹から2つに泣き別れかけたその小さな身体は、その場に力無く崩れ落ちていった。
「アタシ、死んだの…かな?」 / 少女は浮かんでいる
「身体の感覚が…無い」 / 少女は真っ黒い世界にいる
「手も、脚も、首も、身体も、アタシの身体の何1つ動かせない」 / 辺り一面の暗闇である
そこには一筋の光も無く、自身の身体も身体のパーツ1つに至るまで何1つとして見えない。
見る事は叶わない。
だからこそ、自分の身体は「もう既に無いのではないか?」と思えた程だった。
そんな自分と世界との境界がない世界。
自分の身体が無いのであれば…。
既に死んでしまったのであれば…。
「この思考は何だ?」
身体は無いのに…。
生命は燃え尽きたのに…。
「思考は出来るのか?」
そんな疑問が降って湧いて来ていた。
魔犬種達のリーダーはやはり「詰まらなかった」以外の感想を持ち得なかった。本来ならば配下の群れだけで事足りる。
故に自分と闘う事が出来たモノへの敬意はあるが、それだけだ。
だから詰まらないモノという評価は変わらない。
そしてそんな評価である以上、呆気無く死んだヒト種に対して一瞥もせず群れの方に向かって歩いていく。
その足取りは重かった。恐らくは落胆したからだろう。
「楽しめる」と思い軽快であったその足取りは、「詰まらなく」なった途端に急に重くなっていた。
だが、話しはここで終わらない。
魔犬種達のリーダーが群れの元に辿り着く直前に、先程屠ったハズのヒト種がいる辺りに気配が疾走ったのを感じ取ったからだ。
その気配は次第に大きくなっていく。そこには生きているモノは既にいないハズだ。
だから本来であれば感じるハズが無い気配を、不審に思った魔犬種達のリーダーは、その気配を確認するべく身体ごと視線を向けていく。
グルッ?!
少しばかり気怠そうに振り向いた魔犬種達のリーダーのその表情には、驚愕の2文字が表れていた。
何故ならば自分が屠ったハズのヒト種が、そこに立っていたからだった。
立ち上がった少女のその小さな身体から溢れる清浄で禍々しく、禍々しく清浄な力の波動を魔犬種達のリーダーは感じ取っていた。
そしてその2つの相反する力は大気を震わせ、周囲のマナを凍らせていく。
大地は悲鳴を上げ森はザワ付いた。
2つの相反する力の波動が臨界に達した時、少女は咆えた。
「う…うあ…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあ!!!!」
グルァ?!
声にならない声の叫び。喉が張り裂けんばかりの絶叫。無理やり振動させられる鼓膜を抑えたくなるほどの叫喚。
それは生きとし生けるモノの恐怖を呼び起こすが如くの雄叫びだった。
その声はその場にいる魔犬種達の心と身体を速やかに凍て付かせていった。
それに因って魔犬種達は四肢が震え、立っているのがやっとの状態に陥り恐慌していく。
魔犬種達のリーダーはそこに至り初めて、「このヒト種を相手にしてはいけなかった」と悟り激しく後悔したと言える。
そうなった時、もう既に歯応えに対する「期待」は失くなっており、あるのは後悔に対する「絶望」のみだった
少女は光を見たような気がした。いや、やっぱり気のせいだったかも知れない。
何も見えない世界だから願望や幻想や妄想の類だったのかも知れない。
だけど、少女は光を見た気がしたのだ。
「アタシにしては往生際が悪いなぁ…まったく。思い返してみればあの時、アタシの腹にはアイツの爪がちゃあんと刺さってたじゃないか。…ふぅ」
「あの状態で生きていられる確証なんて無いのよ?あれで生きていられたら、アタシは一体何者なの?自分が自分の事を信じられなくなるよ?」
「それともアタシは殺されても死なないリビングデッドか何かなの?もしそうだったらお天道様に顔向け出来ないわね?ふふふ」
話し相手なんぞ誰もいないただの独り言。この黒い世界に於ける気晴らし程度の独り言。
上には更に上がいる事を知らしめられた自分への自虐。
そして呆気なく殺された自分への皮肉。
グルルルォル!
魔犬種達のリーダーは震える四肢に鞭を打ちながら、群れに向かって声を投げていた。
だが、その声は恐慌状態にある群れの仲間には届いていない様子だった。
「奇声を発した得体の知れないこのヒト種の元に、得体の知れない何かが集まろうとしている」
「どうすれば良い?一体何が出来る?」
「群れを守る為に何をすれば良い?」
魔犬種達のリーダーは必死に考えていた。だが模範的な解答など見付かるハズもなかった。
「こうなってしまってはもはや逃げる事も叶うまい。こんな状況を作り出したのは全て、浅はかだった自分のせいだ」
「だがッ!力のケタが違い過ぎて勝てはしまいが、我が爪で再び!」
それが出した解答だった。解決策は無策で、導いた解答は特攻しかなかった。
少女は左右の手のそれぞれに1本ずつ剣を持っていた。ソレは「剣」と形容するのも憚られる程の、力の波動で編まれた「剣」のようなナニカ。
左手には黒よりも尚黒く禍々しい雰囲気を発している、漆黒の「剣」が在った。
右手には神々しく慈愛に満ちて尚美しい光を放つ、白金色の「剣」が有った。
少女は到底相容れないであろう2つの「剣」とは形容し難い得体の知れないエネルギーの集合体を、左右のその手の中にある禍々しさと、神々しさの力の波動を両手を握り締めるように徐々に引き寄せていく。
2つのエネルギー体は当然の事ながら反発し、その反発したエネルギーは鋭利な刃となって少女の身体を引き裂いていった。
だが、少女の身体からは血の1滴すら流れ出す事はなかった。それ以前に爪に因って引き裂かれた肉も内臓も砕かれた骨すらも、「まるでそんな事が無かった」かの様に完全に元通りになっていた。
然しながら破れた服や壊れた装備はそのままの状態であり、付着した血液もそのままで元に戻っているなんて事はない。
相反する力をその両方の掌に抱えた少女の掌が1つに重なった時、相反する2つの力は虚理の原則を破り1つの力を生成していく。
「ううう、ががががぐうぅぅぅ、ぐうわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
2つの力が混じりあったその時に、少女は再び奇声を発していた。
2本の「剣」は1つに混ざり合い、言葉では決して形容出来ない色と形を形成して「そこ」に存在している。
理論では語る事が出来ない存在。言葉では表現出来ない存在。矛盾を許容しながらも正論を否定するような存在。
原理原則全ての法則に反する混沌。
少女は両膝を曲げ体勢を低く取り肩の高さまで「剣」を上げていった。その瞳は閉じられたままで、姿形は少女の姿のままで、混沌をその手に持っている。
少女がその手に持つ混沌の「剣」は大地に対して水平に構え、その切っ先を敵に向けている。
その勝負は一瞬だった。少女はその場にいる全てのモノ達の視界から消えたのだ。
それに対して敵は無駄に足掻こうと必死だった。だが身体はまるで、氷になってしまったかのように微動だにしない。
声を上げる事も出来ず、吼える事も雄叫びを上げる事もままならないまま、ただ目の前で起きている「現象」を見せ付けられていた。
もう既にそこには絶望は無い。かと言って希望も無かった。
そこに在るのはただの本能から来る、死への恐怖と、生への執着のみだった。
「死にたくない。死にたくない。死にたくない」
たったそれだけがその脳裏にこびり付いていた。
少女は光を超えた速度で、切っ先を向けたそのままの体勢で、ただ突進しただけだった。
少女の姿が消えたその刹那に、少女は魔犬種達の群れの前に現れていた。
その群れのリーダーを通り越して。
魔犬種達のリーダーは自分の身に一体何が起きたのか、知る由も無かった。
だからそのまま痛みすら感じる間もなく、その身体は中心から2つに、左右へとただ泣き別れ崩れていった。
残された群れの魔犬種達は、絶対的なリーダーの死と共に更に錯乱し恐慌した。その結果、まるで狂ったように少女に対して次々に襲い掛かっていった。
その後の魔犬種達に待っていたのは、一方的な無慈悲の虐殺でしかなかった。
「誰か呼んだ?」 / アタシを呼ぶ声が聞こえた
「ねぇ、誰なの?」 / アタシはここにいるよ?
意味も分からないままの少女は自身の周囲に漂う3つの光球を見た。
「アナタ達が、アタシを呼んだの?」
その光球は少女の問いに対して何かを語る事はなかった。
そして何も音を発する事なく、少女の身体の内側にふわふわと吸い込まれるように入っていった。
0
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
氷弾の魔術師
カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語――
平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。
しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を――
※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。
リーマンショックで社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる