飼い主と猫の淫らな遊び

徒然

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飼い主と猫の新しい日常

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 画面越しに、樹が息を呑むのがはっきり分かる。颯真はそれに満足しながら、躊躇う樹の耳に吹き込むように囁く。
「ね。お願い。教えて?」
 お願いとは形ばかりの命令。樹は小さく息を吐き、えっと、と呟いた。
 それから訥々と語られる嬌態に、颯真のペニスが張り詰めていく。
「鏡で自分の姿を見てイくなんて、樹はエッチだね」
 思わず颯真はくすりと笑う。樹の顔が羞恥に歪む。颯真の目が、獲物を狙うように眇める。ねぇ、と吐息混じりの呼び掛けに、首を傾げた樹。
「一緒に……気持ちよく、なろうか」

 颯真の囁きに、樹が息を飲む。無言を肯定と取った颯真がにやりと笑い、上衣を脱ぎ捨てる。
『ほら、樹も』
 甘やかに誘われ、樹も上衣に手をかける。りん、と音を鳴らしながら脱ぐ頃には、颯真は下着だけになっていた。樹はその裸体に見蕩れて手が止まる。視線に気付いた颯真が、見せつけるようにゆっくりと下着をずらしていく。
 音がしそうな程勢いよく顔を出した、颯真のペニス。赤黒い先端からは雫が下がり、臙脂色の革紐がちらりと見える。
「颯真、さん……」
 くすりと笑う颯真が、ペニスを緩く扱く。くちゅりと鳴る微かな音に、樹は唾を飲み込んだ。
『これ、欲しくない?』
 時折混じる颯真の吐息が、腰を揺らめかせる姿が樹を誘う。
「欲しい、です」
 うっとりと返せば、颯真が甘く甘く微笑んだ。
『じゃあ、見せて?何度も中だけでイった、淫乱な身体』

 颯真が敢えていやらしい言葉を選ぶと、樹が息を乱す。ほら、と促せば、従順に服に手をかける樹に、愛しさが募る。颯真がちらりと視線を流すたびに、樹の頬が赤みを増す。ようやくふるりと出てきた樹のペニスも、臨戦態勢だ。
「ね、樹。……中だけで、イってみせて」
 蠱惑的に告げると、樹がびくりと震える。無理、と首を振る樹から、鈴の音が聞こえる。
「そう?でも今日だけで四回くらい、イけたんでしょ?」
 颯真とて、追い詰めてまでは見たいと思っていなかった。それでも無理だと言われたら、昨日みたいにしようとさえ考える。
 ――さて、どう出るかな?
 樹の反応を楽しみに待っていると、樹がぺたりとお尻をフローリングに付けるように座った。
『っ、ん……っ』
 樹が腰を上げると、ディルドの竿がちらりと見える。
『やってみす……けど、イけなかったらごめんなさい』
 懇願するような目で見つめられ、颯真はごくりと喉を鳴らす。
「ありがとう。無理はしなくていいからね」
 健気な笑みに、颯真がつい気遣う言葉をかけると、樹も頷いて腰を下ろす。
『颯真さんの、中にください……。紐、解いていいですから……好きに、動かして』
 樹の言葉に、颯真の目がぎらりと光った。

『樹は、紐をキツめに括り直してくれる?』
 颯真に命じられて、樹が甘く息を吐く。後孔に深く埋め込んだまま、一度革紐をしゅるりと解く。
「っは……、んっ」
 束の間解放されたペニスは、むくりとさらに太くなる。
『出せないくらいに、ね』
 くすりと笑う颯真に頷きを返し、根元に革紐を絡めていく。
「っく……」
 痛みを感じないぎりぎりまで締めると、思わず息が詰まる。そのままぎこちなく蝶結びにして深いため息を吐いた。
「できました……っ」
 視線を上げた先で颯真が頷き臙脂色を解けば、ペニスがぎんと上を向く。それを見せつけるように支える。
 指の這っていない颯真のペニスに合わせるために、樹が一度ディルドを引き抜いた。ぶるぶると震え、今にも力が抜けそうな脚。早く、と急かすと、颯真が喉の奥で笑った。
『入れるよ』
 颯真の片手が緩く握られ、そこにペニスの先端を触れさせた。

 樹の後孔に、ディルドがひたりと当てられるのを見た颯真は、ペニスの先で手を摩って見せた。樹が画面越しに、後孔にディルドを擦り付けている。
「いくよ」
 ちゅぷ、と水音を立てながら、拳の隙間に握り込むようにペニスを押し当てて埋める。
『っああぁ……』
 樹の後孔もディルドの先端を飲み込む。仰け反りながらも、視線を逸らさないままの樹に微笑みかける。何度か手の中を往復させていた腰を、ピタリと止めた。
『やぁ、焦らさないで、もっと、……、深くまでください』
 泣きそうになる樹の顔に煽られた颯真は、にやりと顔を歪める。
『っあ、ぁあああ……!』
 何度か腰を揺らしたあとに一気に腰を突き上げると、樹が甘く啼きながら身体をピクピクと震わせた。颯真に操られるように樹が揺れる。くすりと笑った颯真が腰を引き、中ほどまで握った状態で掌を鋭く抉る。樹は後孔の入口近く――前立腺の辺りに先端を押し付け滑らせて、高く甘く啼いた。
『や、あ、だめ、イっちゃいます……っ』
 切なげに眉を寄せ、ディルドの先を弱い場所に擦り付ける。
「イって」
 低く告げた颯真は腰を突き出し、ペニスを根元まで握り込む。そのまま腰をぐりぐりと捏ね回すと、樹がかくりと脚の力を抜き、一気に奥までディルドを咥え込んだ。
『っあ、や、あぁあ……!』
 絶頂にびくびくと跳ねる身体からは、しかし、精液が吐き出されることはない。樹は細く開いた目で画面を凝視している。そこに映る颯真が腰を揺らめかせるままに、樹も腰を前後左右に振りたくった。
「樹、気持ちいいね……、俺も、もう」
 ため息混じりに囁けば、樹も涙を浮かべて絶頂を繰り返しながら頷く。
『颯真さん、もっと、もっと、奥に……』
 フローリングにお尻を擦り付けながら、足りないのだと訴える樹。颯真も両手でペニスを扱きながら、切ない吐息を零す。
「俺も、足りない。早く樹の中に入りたい」
 こんな擬似的なものではなく。
『来て、お願い、中にください……!』
 イき続ける樹のペニスから、たらりと先走りが糸を引く。
「ああ、樹、いつき……っ」
 颯真の低い呻き声と同時にペニスがどくりと震え、先端に絡む指の間から白濁か飛び散る。
『イく、イく……、颯真、さ、っあぁあ……』
 樹が頭を振り乱し、仰け反りながら何度も痙攣を繰り返す。紺色で括られたペニスが、硬く立ち上がったまま震え、樹の腹筋がピクピク蠢いた。

『ん……、とまらない、樹が欲しい……』
 颯真は掌に白濁を纏ったまま、ずちゅりと音を立ててペニスを扱く。その動きをそのまま、樹が再現する。
「颯真さん、これ、解いてください……」
 今朝からずっと置き去りにされているペニスが、限界だと雫を垂らす。腰を揺らしてディルドを飲み込み、片手で乳首を弄りながら樹が懇願する。
『ん。解いていいよ、一緒にイこう』
 言葉の合間に、颯真が色っぽく喘ぐ。湿った音が止まないまま、紺色の革紐が床に落とされた。
「や、零れちゃう……」
 堰き止められていた白濁がとろとろと床に垂れ、樹の背が仰け反っていく。
『樹、それ、自分で扱いてイってごらん』
 颯真が腰を突き立てながら囁くと、樹の手がゆるゆるとペニスに添えられる。
「ん、っは、あぁ」
 掌も、後孔も、湿った水音を立てていて。
『はぁ……っ、樹、好きだよ……』
 甘く囁かれる耳元からも、颯真の立てる音が入ってきて。
「颯真さ、すき、すき、です……っ」
 答える声が艶を帯び、悲鳴のように喘ぐ。互いの動きを真似ながら何度も名前を呼びあう。
「颯真さん、も、イく……っ!」
『樹、俺も、もう……っ』
 その瞬間、欲に滾る二人の視線が絡まって。
白濁を吐き出した身体が弛緩した。

 荒い呼吸が響く室内で、樹は後孔深くにディルドを埋めたまま、ソファの脚にもたれかかった。気怠い身体を投げ出し、スマホの画面をぼんやりと見つめている。
『樹、大丈夫?』
 はぁはぁと息を乱した颯真が覗き込むようにアップになる。その頬は赤く染まっていて、事後の色気を振りまいていた。
「だい、じょうぶ……だと、思います」
 言いきれない程度にはへとへとで、それでも樹はこの疲労感が心地よいとも思えた。
『上手に中でイけたな』
 どこか嬉しそうに言われ、樹の顔に朱が走る。
「意地悪言わないでください」
 照れてむくれて見せても、颯真はただ微笑むばかりで。
『ごめんって。ふふ。好きだよ、樹』
 甘く低い声で囁かれてしまえば、樹も頬を弛ませるしかなかった。

 颯真のスマホにはまだ、樹の裸体が映し出されている。時々ひくつく後孔とそこに埋め込まれたディルドと。半ば勃ちあがっているペニスはまだ、とろりと糸を引いている。
 ――この手で無茶苦茶になるまで抱きたい。
 際限なく湧き出る欲と、それを望む颯真のペニスと。底なしの性欲に苦笑しながら、樹の痴態を堪能する。
『颯真さんの、一度抜いても良いですか?』
 やっと呼吸が落ち着いた樹が、身体をもぞもぞとさせる。颯真が首を傾げるのを見て、樹が慌てて手を振った。
『ああ、いえ、抜きたいというか、少し体勢を変えたいんです。床、ちょっと冷たくて』
 そんな樹に頷きながら、颯真は内心でにやりと笑う。
 ――抜いたらまた、俺の前で入れなきゃならないのにね。
 その時にどんな嬌態を見せてくれるのかと楽しみにしながら、画面の樹を見つめている。

『ちゃんと入れる所を見せてくれるなら、抜いてもいいよ』
 ふふ、と笑む音と共に吹き込まれた言葉に、樹の頬が染まる。
 ――また、昨日みたいに……?
 嬌態と快楽を思い出した身体は熱を持ち、ペニスが再び反り返る。思わず短い息を吐くと、颯真がどうする?と首を傾げた。
「えっと……、じゃあ、」
 熱に浮かされていれば幾らでも言える台詞が、一度冷静になってしまった樹にはなかなか言えない。それを分かっていても尚、颯真は樹の言葉を待った。
 体液に濡れる床は冷たく、樹はふるりと身体を震わせた。
「昨日みたいに、してくれるなら……」
 ぽつりと呟いた言葉に、颯真がにこりと笑う。
『昨日みたいに、俺のペニス見ながら入れたい?』
 誘う言葉に樹の息が乱れ、後孔がディルドを締め付ける。颯真が目を眇めて唇を舐めるさまが艶かしい。樹が床に擦り付けるように腰を揺らせば、身体はあっという間に快感を拾ってしまう。
 くすりと笑う画面の中の、颯真の顔がフレームアウトする。顎、首筋、鎖骨、胸元へと画像が動いていく。
『ねえ、樹。これが欲しい?』
 画面いっぱいに映された、雄々しく反り返るペニス。その先端に溜まる透明な雫まで映されたそれに、樹の身体がおののいた。
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